ディペックス・ジャパンとは

ディペックス・ジャパンの活動内容

患者の語りに耳を傾けることによって「患者主体の医療」を実現することを目的としているディペックス・ジャパンでは、主に次の4つの活動をしています。

「健康と病いの語りデータベース」の構築と活用

(1)日本独自の「健康と病いの語りデータベース」の構築と活用

英国DIPExをモデルとしつつ、日本独自の「健康と病いの語り」データベースの構築を推進し、多くの方に活用していただくことを目指しています。

【今までの語りデータベース公開履歴】

また、2012年度より「臨床試験参加者の語り」、2014年度より「慢性疼痛の語り」のデータベースの作成にも取り組んでいます。

(2)英国DIPEx サイト「Healthtalk」の日本語訳

英国DIPExのウェブサイト「Healthtalk」 の乳がん・前立腺がんのページを手始めに、英国の患者が自分の病気や医療についてどんなことを語っているか、日本語で読めるように翻訳を進めています。

今までに公開した翻訳版の語りサイト

「健康と病いの語り」勉強会・シンポジウム

病気を抱えた患者さんにとって何が大事な問題か、どんなことに元気づけられ、どんなことが役立つのか、すべては個々の患者さんが語る言葉の中にあります。

その言葉を理解し、その意味を読み解くためにはどうすればよいか――

ディペックスではこれまでにもさまざまな勉強会や講演会を開いてきました。雑誌に発表された論文や研究の方法論に関する書籍を少人数で輪読したり、海外の関連書籍を翻訳したり、国内外の質的研究の専門家や各分野の研究者を招いて公開の講演会やシンポジウムを開いたりしています。

語りデータベースの研究・教育への活用

「健康と病いの語り」データベースには、ウェブサイト上に公開されていない部分も含めた膨大な語りのデータが収録されています。

そうした非公開のデータも研究に活用できるよう、「データシェアリング」という制度を設けて、ディペックス・ジャパンの倫理委員会の承認が得られた研究については、有償で語りのデータの利用を認めています。

既に複数の学位論文がディペックス・ジャパンの語りデータを用いて作成されており、海外の査読付き学術雑誌に掲載された論文もあります。

また、「健康と病いの語り」データベースを、医師や看護師の教育現場で活用していただくことも積極的に推進しています。
語りデータベースを医学教育に活用することで、医療をもっと患者の視点に近づけ、患者主体の診療・介護が実現する基盤を作ることを目指しています。

2010~2013年度の4年間で、延べ96人の教員・講師が「健康と病いの語りデータベース」の患者の語りを教育教材に利用してくださり、5,500人を超える受講者が患者の語りを活用した授業や講座、研修に参加しました。

さらに、「健康と病いの語り」データベースを使った教育プログラムや教材づくりにも取り組みはじめており、患者の語りを医療系教育で用いることの意義や課題を検討し、新たな活用法を模索するワークショップの開催も合わせて行っています。

【今までの教育的活用事業履歴】

2013年10月26日 第1回ワークショップ
患者の語り(ナラティブ)で医療教育が変わる!
-健康と病いの語りデータベース(Dipex-Japan)の教育的活用-

・2014年10月25日 第2回ワークショップ
患者の語り(ナラティブ)で医療系教育を変える!
-患者の医療者の協働をどう実現するか?-

患者体験学の提唱

「患者主体の医療」を実現するための新たな学問領域として、
『患者体験学』(Health Experiences Research)の創生を提案しています。

『患者体験学』という学際的な新領域は、患者、医療関係者、介護福祉関係者、保健行政担当者、教育関係者、納税者・被保険者としての一般国民など、多様なステークホルダーが、限られた財源のもとで患者主体の医療をどのように実現していくかを議論するためのプラットホームとなります。

2014年7月20日 国際シンポジウム「病いの語りが医療を変える~患者体験学の創生~」を開催し、英国DIPExの創始者をはじめ世界13ヶ国のDIPExが集まり進捗状況の報告や議論を重ねることができました。