異常の発見
ここでは、どのように乳がんの徴候に気づいたか、受診に至るまでどのように感じたり、考えて行動したか、について体験者の声を紹介しています。
乳がんが見つかった経緯には、自分自身でしこりなどの症状に気づいた場合と、他者に指摘された場合、検診などで異常を指摘された場合がありました。(検診については、乳がん検診に関連する内容が掲載されています)
妊娠中に硬く嫌な感じのしこりを見つけ、直観的にがんだと思って一晩泣き明かした
夫が右胸のピンポン玉のようなしこりに気づいたが、まさか20代で乳がんになるとは思わなかった
このように乳がんの症状として、しこりがよく知られていますが、しこりと一口に言っても、硬いという人も柔らかいと表現する人もいて、サイズや形、場所もさまざまでした。そして、それが異常なものかどうか判断することは難しく、ある授乳中の女性は乳腺炎との区別に悩んだと話していました。
授乳中のしこりで乳腺炎と区別がつきにくく、おかしいと思いながら時間が経ってしまった
しこり以外に、インタビュー協力者がおかしいな?と感じた症状は、乳首からの出血や分泌物、乳房の痛み、乳房にえくぼができる、乳首の位置が変わるなどの外見の変化、乳房にできた水泡や痒み、治りにくいあせもやかさぶたなどがありました。また、しこりとして感じられず、乳房全体が硬い、皮膚が一部硬い感じ、ガチガチに筋肉が固まっている感じと表現した人たちもいました。乳がん自体は痛みを伴わないと言われていますが、乳房に痛みを感じたと話す人は少なくありませんでした。中には痛みどめを必要としたと語る人もいました。
乳首が胸の中心部に寄っていくように感じて、触れたら乳首の裏側に5cmのしこりができていた(テキストのみ)
乳首の下に小さいかさぶたができ、岩盤浴に行ってもよくならないので、病院に行ったらパジェット病だとわかった
10代でしこりに気づき、30代になって乳首からの出血があったが、こんなに若くして乳がんになるはずないと思っていた
子宮がない人は乳がんにならないという誤った知識から、痛みや胸が硬いのは乳腺炎だろうと思っていたが、診断は炎症性乳がんだった
症状に気づいてから、病院に行くまでの期間は体験者によって異なり、異常を感じた当日に放っておくのが怖くてすぐに受診した人がいる反面、「ひょっとして?」と思いながらも怖くてなかなか受診できなかった人もいました。
年老いた両親に心配かけたくなかったし、がんという宣告を下されるのが怖かった(音声のみ)
また、すぐに病院に行かず放っておいたら、最初は小豆大だったしこりが大豆大に大きくなってしまった人や、とうとう乳房の一部が陥没してしまい発見されたときは4期だったという人もいました。乳がんになりやすい年代の女性は社会においても家庭においても多忙で、異常を感じても仕事や介護などを理由に病院に行くのを後回しにしてしまったとその理由を語っていました。
しこりを見つけたが、仕事の区切りを待って受診しようと思っているうちに大きくなってきた
怪しいとは思っていたが、夫の療養と重なり3年間放っておいたら、胸が陥没してしまい、もう駄目だと思って病院に行った
乳房に何らかの症状があって病院に行き診察を受けたが、「大丈夫でしょう」とか、「良性だから様子を見ましょう」と言われ、あとになって乳がんが見つかった人たちもいました。乳がんは外科で診る病気だとわからず、異常を感じて最初に婦人科にかかったという人は少なくありませんでした。現在は多くの病院で乳腺専門の外来(乳腺科や乳腺外科)が設置されています。ある女性はどこに相談したらよいか迷っていて、内科で診てもらったが、結局は検診で見つかったと話していました。また、検診で様子を見るよう言われた人は、気になり、複数の医療機関で診てもらってがんが見つかりました。
しこりを見つけたが、どこで診てもらっていいかわからず、風邪のついでに内科の先生に診てもらったら、大丈夫だと言われた
しこりを見つけ、市の検診の機会に診てもらったが、「様子を見て大きくなったら来てください」と言われた
がん体験者の友達に相談してすぐに検査に行ったという女性は、早期発見のために自分自身で体の異常に気づき、少しでもおかしいと思ったら、早く受診することが大切だと語っていました。



