診断されたときの気持ち

ここでは、医師からはじめて「乳がん」と告げられたときの気持ちとその時の状況について、体験者の声を紹介します。検査の結果、「乳がん」という診断を聞いたとき、多くの人たちが「まさか自分が」と大きなショックを受けていました。がんそのものから生命への危機感を抱いたというばかりでなく、子供の将来や生きがいであったことができなくなるなど、将来を思って途方にくれたことが語られていました。

まさか私が、授乳期でおっぱいが詰まっているだけと思っていたのに、がんだと言われ、他人事に思えた。そして、涙があふれて止まらなかった

10代から大好きなダンスの仕事をしてきた。踊れなくなってしまったら、明日からどうやって生きていけばいいんだろう?と病気で失うもののショックが大きかった(音声のみ)

検査の段階で、検査技師や医師の様子が違ったので、自分で「がんだ、きっと初期ではない」と思ってしまった。検査結果は夫と聞いたが、無言の帰り道だった

中には、不眠や怒りを体験したという人たちもいました。

クールに淡々とがんであることが告げられたが、人生が終わりのように感じられて、1週間くらい涙の枯れない眠れない夜を過ごした (音声のみ)

一旦はがんだと受け止めたが、ショックというよりだんだん「なんで自分が」と腹立たしくなってきて物に当たったりした

乳がんの場合には、病院に行って検査を受けるときには、「しこり」というはっきりした自覚症状があるため、何人かの人は、しこりを発見したときに、インターネットや本で調べて、がんである可能性を予測していました。また、検査が進む中で段階的に検査結果が告げられ、診断が確定していった人たちもいます。こういった人たちの中には、ショックが少なかったと話す人たちもいました。

自分でしこりが大きくなっているのを感じ、がんだと確信していたので、告知されたときやっぱりそうかとただそれだけだった。むしろ治療で生活がどうなるか気になった

段階を経てがんだと知らされたので、それほどショックはなかった

乳がんと診断されたあと、ショックと同時に仕事や片付けなど、次にすべきことが頭に浮かんで、がんになった以上は前向きに治療しようと思ったと話していた人たちもいました。

80%位はがんだと思っていたので冷静に受け止めた。医師の心のこもった励ましもあり、自分に残された仕事を思って、とにかく頑張るぞという気持ちになった

がんになったのならもう仕方ない、前を向かなきゃと思った。落ち込んでいる暇はなく、すぐに入院の準備に追われた

診断がつく前に、体験者から話を聞く機会があり、がんになった以上は前向きに治療しようと思ったが、医師から渡された乳がんのパンフレットはすぐには見られなかった(音声のみ)

「乳がん」と診断されて、「がん」であることと同時に、治療のため乳房を失ったり、形が変わったりすることがショックだったと話す人たちも少なくありませんでした。

がんと聞いて「がーん」という言葉が頭をよぎった。がんイコール死を連想するというが、自分の場合は乳房を切除するショックが大きかった

また、「乳がん」という診断だけでなく、どのくらい進行しているかがとても重要で、ある人は転移の有無を調べる検査結果を聞く日が恐怖だったと話していました。

術前に受けた他臓器への転移があるかどうか調べる検査が恐怖だった

診断を聞いたときの状況はさまざまでした。ある人は、医療者に促されて、家族と一緒に聞きに行ったそうです。多くの人たちが、1人では心細いと感じ、家族などの誰かに同行してもらったようですが、あえて1人で聞きに行った人もいました。また、良性だと思って1人で結果を聞きに行き、心の準備なしに検査結果を告げられた人たちもいました。

心配はかけたくなかったが、診断を聞くとき両親が一緒に来てくれることになり、正直ほっとした。がんと知らされ、混乱して頭が真っ白になった (音声のみ)

いつも待合室で深刻な顔をした家族連れを見て、自分はそうなりたくなかったので、一人で診断を聞きに行った

乳腺症だろうと思っていたが、医師の様子でがんだとわかってしまった。一人だったので、看護師に家族を呼ぶか聞かれたが、何とか自力で帰った

医療者から、どのように「乳がん」と伝えられたかについての体験談もいくつもありました。何人もの人が、医師の様子からがんであることを察知したと話していました。また、ドラマで見たような重々しい雰囲気とは違って、非常にあっさりと言われてかえってよかったのかもしれないという人、まったく自分の目を見ずに告げられ、自分のことかわからなかったという人もいました。

あまりにあっさりと告知されたので、びっくりしたが、深刻に切りだされるよりよかったのかもしれない

医師が母親の方を見て告知したので、誰のことかと聞いてしまった。自分はびっくりしすぎてすぐには涙が出ず、母が先に泣いたので慰める方が先になった

インタビュー協力者のうち、数人の人たちが別のがんを体験した人たちでした。ある人は乳がんと診断されたとき、「今度はもう助けてもらえないのではないか」と思ったそうです。治療が長くかかる乳がんと他のがんとの違いを感じたという人たちもいました。しかし、ほとんどの人たちが1回目の経験を生かして気持ちの整理をつけていました。

最初のがんのときは告知されて悲しみのどん底につき落とされた感じだったが、2回目は手当てすれば治るんだということが分かっていたので、安心感があった

インタビューを受けた人たちの中には、乳がんの診断を受けたときのことだけではなく、手術後に詳しい病理診断の結果を知らされたときに、自分の病状や術後に続く補助療法の必要性にショックを受けたと話す人たちがいました。

医師より病理診断の結果を一人で聞いた。リンパ節に転移があったことや今後の治療について一旦は受け止めたが、一人になると「何で?私が」と思った

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