再発・転移の徴候と診断
ここでは、再発・転移がどのように発見されたか、そして、再発がわかったときにどのような気持ちだったのか、体験者の語りを紹介しています。
「再発」とは、手術など初期の治療でいったん治癒したように見えたがんが目に見えない形で体のどこかに残っていて再び大きくなることです。中でも手術した部分やその周辺の組織で大きくなることを「局所再発」、骨や肺といった乳房から離れた臓器でがんが増大することを「遠隔転移」と言います。
今回、インタビューに協力してくださった人たちの再発がわかった時期は、最初の診断後1年未満から10年以上とさまざまでした。また、乳がんと初めて診断されたときに、すでに骨や肺などに遠隔転移していた人たちもいました。
ジムで腰が痛くなり、近所の整形外科でレントゲンを撮ったところ、精密検査を勧められた。腫瘍マーカーの上昇はなかったが、骨シンチで腸骨に転移が見つかった
手術して11年目、しくしくと胸の上のほうの骨に痛みを感じたが、転移だと認めたくなくて、なかなか受診できなかった。PETで胸骨と卵巣に転移が見つかった
骨と肺に転移が見つかる前、普通の生活をしていても、とにかく疲れやすくておかしいと思い、検査に行った(テキストのみ)
このように腰痛や疲労感など何らかの徴候があって転移が見つかった人たちもいれば、徴候がなくて経過観察の検査(腫瘍マーカーやCTなどの画像診断)で異常が見つかったという人たちもいました。
腫瘍マーカーが上昇し、腹部エコーで肝転移と、同時期に皮膚転移も見つかって、リュープリン注射が始まった (音声のみ)
手術後10ヶ月目に腫瘍マーカーのCEAが上昇。CT、MRIでは転移が見つからず、PETで肝転移、骨シンチで胸椎転移が見つかった
今回インタビューした人のほとんどが最初にがんが見つかったときより、再発がわかったときの方がショックだったと話しています。しかし、ショックを受けても、それぞれの人がその場で立ち止まらず、再発後の治療や今後の生き方について考え、前に進むことができていました。ある女性は、家族や友人の支えもあって、希望が持てたと話しています。
CTで肝臓に影があり、MRI検査を受けたところ、悪性の可能性があると言われ、なぜ肝転移…と泣き崩れてしまった。母や友人の励ましで生きる希望が湧いて落ち着いた
術後1年も経たないうちに転移して、子どもとの将来が断ち切られたと感じた。しかし、ある程度覚悟していたこともあり、すぐに治療をどうするかに目を向けられた
診察室がいつもと違う雰囲気を感じた。再発と知り、逃げ延びたと思ったら捕まっちゃったというような嫌な気持ちだったが、同時に今後のことを考え始めていた
ある女性は、再発の告知についてはっきりと知らされてよかったと語っています。彼女は主治医に自分から余命について尋ねたそうです。
「治ることは難しいが、生きたいように生きられるようお手伝いします」という告知で、これから先の人生を考えようと思えた。そして自分から余命について聞いた(音声のみ)
