投稿者「dipex-j」のアーカイブ

大腸がん検診の語り

がんがあっても便潜血検査がプラスになるとは限らないので、検診にも腫瘍マーカーがあればいいのにと思う(テキストのみ)

うーん、検診自体はとてもいいことだと思いますね。あの…まあ、ただ、便潜血でプラスになるかどうかも分からんもんだから、その、よっぽど出血とかあればねえ、そこで「おっ?」って思って病院に行かれる方は多いと思いますけど、まあ、自分の場合は出血はそんなにしなかったし、結局、腫瘍マーカーでしか分からなかったのかなっていう感じですね。検査…って言ってもねえ。うん。だから、まあ、多分、予算的なこともあると思うんですけど、「検診にも腫瘍マーカーがあればな」っていうのはすごい思っちゃいましたけどね。うん。血液で分かるから。ねえ。まあ、だけど、内臓疾患だと、結局カメラやったりとか、ねえ、いろいろ苦痛な検査が…伴うもんだからねえ。うん。なかなか、でも…うん、どうでしょうね。検診で…できる範囲っていうと、やっぱ便潜血になっちゃうのかなって、大腸がんの場合はね、そういうふうに思いますけど。うん。検診自体については、まあ、うん、まあ、それで分かる人も多分いらっしゃると思うから、うん、それはいいと思いますね。うん。

大腸がん検診の語り

やはり自分の身体に対してもっと敏感にならなければならない。すべてを検診に任せるのではなく、自分の体調は自分で管理することが大事だと思う(テキストのみ)

自分の場合は検診では分からなかったんですけど、やっぱり、自分の身体に対して、あー、敏感になっていることが大事だと思いますね。その、やっぱ運動して体力をつけるとか、まあ、そういうことも、もちろん、ねえ、食生活気を付けるとか、そういうことも、もちろん大事なんですけど、まあ、なんかこう…「だるい感じ」(笑)とか、やっぱこう、分か、分かりにくいですよね。うん。だけど、なんか、「今日、ちょっと、今、だるいから休もう」とか、うん、なんか…「自分がおかしいから、ちょっと受診してみよう」とか、うん、そういう動きにはやっぱり変化に気付けないとできないことだと思うので、うん、全部こう検診に任せっきりにするのではなくって、うん、なんかこう、自分でもやっぱりやっていかないと、うん…いけないのかなって。自分の体調は自分で管理して、よく分かってないといけないっていうのかな。うん。っていうことは思いますね。はい。

大腸がん検診の語り

検査のときに出血していなければそのまま通過してしまうので、便の状態に気をつけていたほうがいい。思えば自分もお酒を飲んだ後に下痢を繰り返していた(テキストのみ)

その検査に出した便に血液が入ってるかどうかっていうことですもんね。だから、

―― え、あんなちょっとしか採らなくて(笑)、こう、便全体を丁寧にはやらない。たくさん刺してって言ったって。

その時、たまたま出血がなければね、そのまま通過してっちゃうことだと思うので。うん。ねえ、どうやって大腸がん見つければいいのかねえ。ほんとになんか、うーん。お腹の調子の悪い人は、ねえ…うん……なんていうか、うん、やっぱ便、便の様子とかね、うん…よく気を付けたほうがいいですね。うん。
あの、あ、思い返すと、あれは大腸がんの症状だったかもしれないって思うのは、こう、なんか飲酒っていうかした時に…こう、必ず下痢便になるんですよね。うん。で、私、大体毎朝一回便が出る感じで、別に快便だったもんで、うん、あまりその時も、「ああ、ビール飲んだから下痢になったんだな」っていうふうで思ったんですけど、それってやっぱり、下痢と、下痢をなんかこうちょっとしたきっかけで繰り返すっていうのも、多分、大腸がんの症状だったんですよね。うん。

大腸がん検診の語り

便潜血検査を受けていたのに陽性になったことはなく、いつも快便だった(テキストのみ)

それまでも、多分、病院では定期健診というか、便潜血ぐらいは、多分…定期的にやってたと思うんですよ。職場の検診みたいの。だけど、そういったことで…潜血がプラスになったことはなかったし。うん。あの、なんていうか…うん、なんていうか、別に出血がいっぱいあって貧血があったわけでもなかったし、なので、普通には多分、分からなかったのかなあって。検診ではちょっと自分の場合は分かんなかったんだろうなっていうのは思いますけどもねえ。うん。

―― 職場の検診は毎年、まあ、検便ですよね。

毎年、多分、検便ぐらいは…うん、あったような。なんか…「検診じゃ分かんないんだな」って、その時、すごい思った記憶があるので、

―― ああ、そうですか。

うん。なので、多分、便潜血はやっとったと思うんですけどねえ、職場のほうでも。うん。ですね。それで、あの…まあ、そのがんの専門病院に行った時に、腫瘍マーカーとかの採血をしてもらったら、やっぱりその大腸で、大腸がんであがる腫瘍マーカーっていうのがすごい高く出てたので。うん。「もう、検診でも、このぐらいの採血やってもらえないのかなあ」とかって、その時、思っちゃいましたもんねえ。うん。

―― 腫瘍マーカーがもう結構、もう明らかに、こう、高かった。

明らかに、うん、高かったですね。うん。そんな痒いとか、そういったことががんの症状だとは全然ね、思わなかったですから。うん。それで、うん、ですね。血がいっぱい出たわけでもないし。ただ、座薬入れた時に痛みがあったのでっていう流れでしたもんね。

―― よく、なんか、あの、大腸がんの、なんか初期症状みたいので、あの、便が細くなるとかね、コマーシャルとかで言ってた。そういう、あと、便が出にくいとか。

もう便通はね、すごくよかったですよ。

―― ああ、そうですか。

大腸がん検診の語り

がんであることと人工肛門になることの両方が同時に来たので、パニックになってしまい、自宅に電話をかけようとして何度も押し間違えた(テキストのみ)

それはもうすごい…ビックリしたし、うん、もう「今から大変だ」っていうふうに思ったんですよね。うん。それで、まあ、自分は知識もあったもんですか、まあ、手術をすれば人工肛門になるということが分かっていたので、まあ、自分ががんであるということと、その人工肛門になるっていうことがこう、いっぺんにこう自分の中にきてしまって、もう本当に、そのあと、自分で自宅に電話したんですけど、その当時、公衆電話で、こう、プッシュホンの黄緑のやつ(笑)で電話したんですけども、自宅の電話番号も、全然もうパニックになっちゃって押せなくなっちゃって。ほんでもう4回か5回ぐらい間違えちゃって、自分の電話番号なのに(涙)。ほんで、もうようやく母親に言えたのが、本当に5、6回目にこう押した番号で、もう…もうそれしか言えなかったですね。とにかく「取ったやつががんだったから」っていうことでね。うん。それで、まあ、親も多分ビックリしましたよね、多分。ほんで…まあ、自分が…多分、「受診するのをやめなさい」って言ってみたりとか、そういうこともあったもんですから、多分…まあ、親も多分痔だと思っとったし、自分もまあ痔だと思っとったもんでね。まあ、それはしょうがないことなんですけど、うん。まあ、そんな感じでがんが…分かったんですけどね、自分の場合は。

大腸がん検診の語り

肛門科で「痔がある」と言われて手術したが、切除した組織を検査したところ、がんだということがわかって、ショックを受けた(テキストのみ)

夏休みに姉と一緒にハワイ旅行へ行ったんですよ。それで、えー、なんか…うん、やっぱり自分の気持ちも多分クヨクヨしとったのか分からないんですけど、その、もう飛行機の中から具合が悪くなっちゃって(笑)、それで着いた時にはちょっともう、熱があるような感じだったんですね。それで、ホテルに入った時に、解熱剤で座薬を入れたんですね。お尻から入れるやつですけど、それを入れた時にすごく痛みが走ったんですよ。そんで、そのあと、ちょっと出血もあったもんですから、なんか、もう「いよいよ痔がひどくなっちゃった」(笑)と思ってたんですね、その時は。だから、「帰国したらもう絶対に病院に行くんだ」っていうふうにその時に思って。
あまりこの辺じゃかかりたくないと思って、隣の市へ行って、それでそこを受診して、ええと…まあ、先生に…診てもらったんですけど、そこでやった検査が、ええと、大腸のカメラですね。内視鏡のカメラだったんですね。ほんで、そこで、あの……診てもらったら、まあ、肉眼的にも、もうカメラだから分かりますよね。その…「痔があるよ」ってやっぱり言われたんですね。
そんで、後日、その手術の日の予約みたいなことをして、うーん、それからそんなに経ってなかったと思うんですけど、まあ「痔の手術」と思ってましたから、まあ、普通に内視鏡だけで…その…先生が「痔」って言われる部分を(笑)切り取ってもらって、その時に、先生がその細胞の検査を出したんですね。その切り取ったそのものだったんですけど。うん。で…まあ、それが「がんだったよ」っていうことで、あの、あとで…まあ、告知ですけど、受けて。で、あの、そこの痔の専門の病院の先生が、ええと、「大学の同期の先生で立派な先生ががんの専門病院で同期でいるから、紹介するから、そっちで手術してもらいなさい」っていう話になって、それで、その痔のお医者さんがそのがんの専門病院の先生を紹介してくださったんですね。うん。そんで……まあ、そんな「痔だ」と思ってましたからねえ。うん。それは相当なショックでしたけどねえ。

大腸がん検診の語り

日本の医療はトップクラスだと思っているので悪性なのに悪性じゃないといわれることはないだろう。逆の場合も疑わしきは切るということでいいと思う(音声のみ)

―― 検査の信頼性とかって、どんなふうに感じてらっしゃいますか。

検査の信頼性…うーん…まあ、そこまで深くっていうか、考えたことがないんで、なかなか答えにくいんですけども。まあ、どっちかというと、日本の医療機関というか、日本の医療は、まあトップクラスだと思ってますので。えー…まあ、極端な言い方すると、悪性なのに悪性じゃなかった、と言われることはないだろうというようには思ってます。まあ、その、がんに限らず、思ってます。はい。

―― その逆はどうですかね。つまり、悪性じゃないのに悪性かもって言われて、切るっていうのは。

うーん…逆。逆パターンですか。ああ、あんまし考えたことがほんとにないんですけども。…まあ、あの、その、先ほどの病院の先生の話じゃないんですけど、まあ、ポリープはそんなに、人間として要るものじゃない、えー、切らなくてもいい、でも、それが悪性になるかもしれない、という話は一応聞いてた、聞いたことはありますので。まあ、その、どっちかと言ったら、わたしは一度切った経験があるので、まあ、そんなに難しい手術っていうか、にも値しないと思ってますので、まあ、疑わしきは切る、と。そういうことをすると思います。

大腸がん検診の語り

小さながんを切ってもらって「治った」と喜んでいるが、切らなくても長生きできるのではないか。ほっておいた人がどうなったかの統計を取るべきだ

わたしは、近藤(誠)さんとちょっと似たような考え前から持ってたの。ちっちゃなのを発見されて切ってもらって「治った」って喜んでるんだけど、あんなの持ったままね、平気なんじゃないって、60ぐらいまでいけてるんじゃないの?って。すごいストレスがかかった人は、やっぱり、ちょっとのでもね、見つけたら最後、どんどんどんどん進行して死んじゃうんだけども。長生きできる、その、切ってもらって治ったなんていう人は、もうほっといても治ってる、治るかそのまま持っていくんじゃないかなっていう考え方してるの。
だから、若い人でも、相当のストレスかかってる人は、男の人でね、生活のストレスがかかってると、やっぱりかなりやられるわね。あっという間にやられちゃうと思う、それは。そういうのとかね、それから、わたしね、親せきいっぱいいるからね。あっという間に死んだのがね。甥に胃がんが発見されて、あっという間にやっぱり1年ぐらいでね、死んでるからね。だから、若い人の場合は、発見してもしないほうがいいかなって、お医者さんに対して、予防医学に対して申し訳ないんだけども。まあ切ってもいいけれども、切らなくても良かったんじゃないかと思う。
それでもう1人、わたしのお友達で子宮がんだって若い時に言われて、その人もわたしとちょっと似てるのかわかんないですけど、逃げちゃったの。それっきり。そして今、わたしより1つ下なんですけど、まだピンピンとして生きてる。だから、あの時切ってたら、がんの生活ずっとしてて40ぐらいでは死んでんじゃないっていうふうに思うのね。三十いくつの時に発見されたんだけど。だからね、必ずしもわたし、お医者さん統計的にきちっと、そうそう、治った人ばかりになっちゃうから、ほっといた人はどうなるかってね。そのわたしのお友達みたいな経験がある人っていうのが、結構集めるといるかもしれないと思うのね。

大腸がん検診の語り

2人に1人ががんになり3人に1人が命を落とす時代だが、自分ががんになると皆すごくびっくりする。国や自治体がもっとがん教育に力を入れるべきだ

これは、だから、あのー、まあ、国レベルだと思いますけれども、要するに、そのー、確かにそうですね、検査項目、検査も分からないし、どうしていいか分からないっていう方も、いっぱいいると思います。
だけど、それは、もう、国なり地方自治体の指導が入るべきです、指導。そして、もうとにかく早くがんを、がん患者がいたら発見する。もう、その、2人3人の話に戻りますけれども、もう、自分はがんであると思っても構わないです。それを、がんである可能性ということを考えて、それで、…治療なり検診なりを受けると。だから、「あなたは、がんですよ」って言われたって。もう、だって、2人に1人ががんになる世の中ですよ。そんなに珍しいものじゃないでしょ。言われてみればね。ただ、がんになったときには、「えー、がんなんですか、びっくりしました」ということは、それはあるでしょう、当然ながらね。だけど、もう、もう、個人レベルでは駄目ですね。もう、むしろ個人レベルで、今悩んでいる人、治療費が払えないとか、次の治療に進めないという人がいたらば、これは、もう救済すべきですね、確実に。もっと守ってあげなくちゃいけないです、国が。で、さっきから繰り返しているけれど、そういうがん患者を生まない社会を作っていく。それが、もう、わたしの、わたしは最大の目標だと思います、ええ。
こんなにがん患者が多い国家って、います。あまりないでしょう。というふうに思った。ま、わたしも、つい、この、今回このお話をするということで、ちょっと、本をぺらぺらめくったんですよね。たら、2人に1人ががんになり3人に1人が命を落とすと。もう、こんなポピュラーな病気ってありませんよね。だけど、自分ががんということを、いざ知ると、すごくびっくりするわけですよ、患者って。でも、それもちょっと、ちょっと変な、おかしい、だから、要するに教育がなっていないんですよ、がんの教育が。がんの教育および治療およびがん患者をおこさないっていう教育が全くなっていないんです。それは、国がやるべきです。国なり、もう、そうですね、国なり地方自治体が予算を持ってやるべきです。と思いますけどもね。

大腸がん検診の語り

大腸がんは70年の人生で想定外の出来事だった。自分の健康を過信せず、せめて血液検査くらいは受けておくほうがいい

なんともないって言っても、こういうことがおきるんだと。想定外のこと、わたしにとっては想定外ですよ。もう想定されることだったかもしれないんですけれど、わたしにとっては、もう今までの70年間、想定外ですよ、こんなことは。
ええ、だから、強く血液検査ぐらいはって言いたいですね、今考えてみればね。これで、でも……結局、わたしはラッキーだったっていうことでしょうけれど、この早く見つかって、悪性だ、なんていうのかな、そのあんまりいい状態でないっていう人だってあるわけだもんね、その人たちは気の毒ですよね、やっぱりね。だから、どの時点でっていう。やっぱり、定期健診しかないんでないかしら。ね、発見するのには。健康だなんて、過剰に思わないことだな。わたしはそう思う、…自分の体験から。だって、健康が取り柄だと思っていましたから。元気が取り柄、わたしの自慢だったのにね。こんなに、大病になるとは思ってもいなかった。で、最初に、ほんとに、先生がおっしゃっていたの、「災害で、あのー、血液、出血する人多いんですよ」って言われたとき、それかなぐらいの感覚でしたからねえ。「なんとまあ○○(東北の地名)は多いんですよ」みたいなことおっしゃっていたのね。……だから、ストレスからくる、その、…あれかなと思っていましたけど。でも、そうじゃなかったわけですよね。先生が、「ここまで、大きくなるには5年かかっていますよ」みたいな言い方されちゃったから、あらあーって、そんなに気がつかないもんかしらっていう。ねえ、怖いです、やっぱり、今。皆さんにそれは言いたい、ねえ。