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大腸がん検診の語り

会社の健康診断では再検査に行く行かないは個人の判断に任されていた

だから、あのー、全国の、例えば、所課長会議とか行っても、……変なんですけど、売上の話とか仕事の話…しか出なくて、健康の話は、はっきり言ってゼロですね、ええ。結局、長期休むということがまず、要するに、まあ、何というんですか、駄目というかね、うーん、あまりそういう、そこまではなかなか言いづらい部分もあったですし。例えば、冠婚葬祭にしても、結局都市系は、大体3日くらいで終わるじゃないですか。それ以降は、休むなっていう、やっぱりそういう、規定じゃないんですけども、休みづらい。だから、検査で、例えば何日休むっていうのは、なかなか言いづらい部分はありましたよね、ええ。

―― 結構あのー、大きい病院、あ、ごめんなさい、大きい会社とかだと、あのー、産業医さんとか、まあ、それに近い立場の、ま、スタッフの方がいたりして、その保健指導であるとか、もっと検診受けてくださいとかって、そういう働きかけをしているようなところもあるんですけど、そういうのはなかったですか。

それも、なかったですね、ええ。ただ、……どうなんですかね、わたし辞めてから、あのー、上場しています、まあ店頭公開していますんで、そうなった場合ちょっと、どうなったか分かりませんけども、その前までは、そういうのはない、はっきり言ってなかったですね、ええ。

―― じゃ、一応、健康診断はあるけれども、それを受けて、結果がどうであれ、そのあとどうするかっていうのは、もう各個人に任せられているし。

そうです。

―― あのー、仮に再検査の必要があっても、行ったりとか、いうのも。

そうです、要するに行けともないですし、うん、で、再検査が、要するに、来たのすら言わないですよね、うん。で、言う人は言って行く人もいるんでしょうけども、結局、ま、忙しいからね、それにかまけて、結局ずるずると行かなくなったりね、っていうのが、やっぱり、そういうほうが多いんじゃないですかね、ええ。

大腸がん検診の語り

大腸炎と診断されて内視鏡検査を受けるように言われたが、以前に大腸がん検診の精密検査で受けたときの辛い経験からけってしまった(テキストのみ)

―― はあー……なるほどね、じゃ、その大腸炎のときは、えー、お腹が痛くて出血され、下血されたわけですか。

そうです、下血して。もうこりゃ大変だと思って。それで、あのー、即お医者さんに行ったら、もう「入院」って言われて、ええ、それで、「仕事もしばらくしちゃ駄目」って言われて。もう絶対安静して、1カ月ぐらいはもう全く何もしないで、ただただ休養をとっていましたね。……。

―― それは、その、そのときには内視鏡検査は、し。

するようには言われたんだけど、そのあとで、しなかったんです。その、あの、下剤を飲んでまたやるっていうのがもうとっても苦になって。ほんとは「しなさい」って言われたんですね。だけど、しなかったんですね。だけど、今年はしようと思っています。

―― あ、なるほど。それは、どうしてですか。やっぱり、ちょっと、下血されたんですか。

4年経っているので、もうしなきゃと思って。

―― ああー、そうか、じゃ、その大腸炎の、じゃ、診断は、内視鏡検査をして、ここに腫瘍があるということで診断されたのではなくて、もう症状から。

そうです、もう症状から「そうだ」って言われて。最終的に、その大きな病院で、あのー、「大腸炎の検査をね、あのー、するよ」って、「それで終わりです」って、「結果見て終わりにしましょう」って言われたのに、それに予約までしたのに行かなかったんですね。

―― ああー。

どうにも、あの、大腸、やっぱり、大腸、あ、何でしたっけ。

―― 内視鏡検査。

内視鏡検査、うーん、下剤飲んで、また、あのー、おなか痛くなってって。

―― ああ、…なるほど。

そう。

―― でも、それをまあ、キャンセル、要するにキャンセルされたわけですかね。でも、そのあとは、じゃ、もう、ご自身の食生活を改善したり、いろんな努力で。

だから、それをけったからね、余計にやんなきゃって(笑)、何だか律儀に。

―― 確かにね。

そう、一生懸命、自分のできることはやって。検査は避けたいなみたいな。でも、ことしは、ほんとに、検診の案内がきたからね、あ、ことしはちゃんと、検査を受けようと思いました。

大腸がん検診の語り

便潜血検査は考えずにするっと受けてしまうのかもしれないが、精密検査のために会社を遅刻したりするのはおっくうなので行かないかもしれない(音声のみ)

――例えばね、そのー、今のその市の健診だと、えー、はがきが来るわけではなくて、広報をご覧になって、自分で申し込むわけですよね。

はい。

――で、それよりも、例えば、企業の健診だったら、嫌でもやらなくちゃいけないっていう。その辺の何か、こう、やらなくちゃいけない感というか。

ああー。

――何か、こう、やってしまう状況というのは、やっぱり、企業健診が一番強かった。

そうですね。あのー、好き嫌いに関わらず、大概、まあ、5月の2週目ぐらいだったと思うんですけど、あのー、はい。その日はこれだから夜9時以降飲み食いしちゃいけませんとか、そういうお達しがきたりして、流れにのせられている感じはあります。ただ、まあ、うーん、その中に、…検査、ま、どの検査でもそうですけど、組み込まれていたら、考えずにするってやってしまうんだろうなっていう想像もできますね。今、考えてみると。

―― で、まあ、そういうときには、もし一次検査で陽性になっても、まあ、いいやってほっちゃうんですかね。

うーん、忙しいし、この医者に行く時間…とれって言われてもっていうのと、まあ、お医者さんって大概、今でこそ結構土日開いているとこ多いですけども、昔はあまりなかったから。すみません、こういう理由で、あのー、遅刻しますっていうのを、上司や何かに言うのは億劫だから、じゃ、いいやっていう感覚はあったかもしれませんね。

大腸がん検診の語り

障害のため同じ姿勢を保つのが難しく、痔の手術より内視鏡検査のほうが痛かった。障害が進むと介助があっても内視鏡検査を受けるのは厳しいと思う(テキストのみ)

―― ああ。ええと、あと、まあ、痔だったっていうことなんですけど、その時のお話も少し教えていただきたいんですけど。

あの、ずっと、あの、まあ、痔って「脱肛」って言って、お尻がこう、腸が飛び出るのがあって、で、あの、ある病院で手術をしたんですけど、その時に内視鏡とか、検査のほうが痛かったですよね。

―― 内視鏡ね、あの、怖くて、それで大腸がん検診受けないっていう方もいるんですけれど、どんな感じでしたかね、ええと、内視鏡。

やっぱ、あの、横になった状態で肛門から内視鏡を入れて、それであの、画面にこう映るのがやっぱ自分でも見えるんですね。見えるっていうか(笑)。別にあの、まあ、あんまりいい感じはしなかったしなかったんですけど。<5秒>ただ、あの、障害があるためにね、こう、横になったりとかするのが結構大変なんですね。検査すること自体。それはあの、やっぱありましたよね。

―― ずっとこう同じ姿勢ですよね。

そうですね。そうですね。やっぱ、そういう時にはやっぱ介助の人がいて、身体を押さえてないと無理ですよね。

―― ああ。

うん、無理な場合もありますよね。あと、同じ姿勢を保つっていうのは結構きついですよね。

―― と、それは内視鏡の、あの、受けた時には、やっぱり介助の方が入られたんですね。

どうだったっけ? そん時はね、いなかった。あの、表で待ってたのかな? ま、待つように言われたのかな? まあ、ある程度我慢しましたから、自分では(笑)。

―― たとえば、筋ジスだから看護師さんが、あの、気を遣って介助してくれるとか、そういうことは。

なかったような気がしますけどね。

―― やっぱり、内視鏡はそういった神経系の病気持ってる方にとっては、ちょっともう少し配慮してほしいっていうか、そういうこと。

そ、それはあまり感じなかったんだけど、ただ、手術をするに当たっては、麻酔をね、全身麻酔にするか、この、腹部麻酔にするかっていうので、やっぱあの、その、あれ、その病院、病院もやっぱりやたらに手術で麻酔をするわけにいかないから、実際にあの、僕がかかっている筋ジスの病院に連絡をして、確認をしたみたいですね。それであの、麻酔とか別に影響はないってことで。そこはやっぱ、そういうとこはやっぱ配慮はしていると思いますけどね。

―― じゃあ、まあ、内視鏡に関して言えば、まあ、ちょっと我慢するか、介助の人が、まあ、入っていれば、まあ、なんとか。

そうですね。ただ、障害がね、あまりにも進行しちゃうと、その検査も難しいんじゃないかなっていうのは思いますけどね。

大腸がん検診の語り

排便の時にいきんだので出血したと思っていたので、精密検査の案内が来ても気にしなかった(音声のみ)

検査してもらって、その結果が出たときに、もう一度検査してみてくださいとか、そういう報告は来るんですよ。で、えーと、自分でもやっぱりその、採取する日に、「はあ、出ない」とか思って踏ん張ると、絶対に、あの、あ、これはきっと何か異常があるんじゃないかなとか思うと、やっぱり再検査をしてくださいとか出てくるんで、そんなにこう、何ていうんだろう、がんとかは思ってないので、あの、さらりと通してしまいます。

―― 再検査という書類が来たりっていうことはまだ。

あ、えーと、一応…、もう一度検査を受けてみてくださいっていうメモは入ってましたけど、でも、あの…、きっと踏ん張り過ぎだなと……。自己判断なんですけど。

―― えーと、そのときは、えーと、再検査には。

行かないで。

―― 行かずに。

はい。行かずに1年がたちます。はい。

大腸がん検診の語り

病気への不安につけこんで、検診結果についての情報開示もせずに、家族まで巻き込んで受診を勧めてくるのは、金儲けのためではないかと嫌悪感を覚える(音声のみ)

そんなことをやって、結局何ともなかったということで、あのー、ま、拍子抜けして、ま、それは安心したっていうことは安心したかもしれませんけれども、何か、あのー、金儲け的なね、あのー、……とにかく、あの、便潜血があれば、もう、即その精密検査で、その内視鏡検査をやってっていうところが、あの、非常に何かこうビジネスをやっているんじゃないかというような気がして。

―― ああ、なるほど。

あの、似たような経験って、ごめんなさい、これ、あの、大腸がんと関係ないんですけども、あのー、歯をつめものがとれて歯医者さんに行っても、レントゲンをね、顎じゅう、あの、レントゲンを撮るっていうのも、ああいうのも理解できなくって、要は、そのー、……全然必要でないような行為を、あの、お金を儲けるために、あの、お医者さんはやっているんじゃないかなっていう経験があって、あの、ま、ほかにも似たような経験があるんですけども、あの、で、あの、ちょっとこう不信感を持っていまして。

―― それは、その医療全般に対して。

はい、そうです。

―― 必要がないこともやっているのではないかということですか。

はい、はい、で、それは、その、十分な情報というのを、その、開示せずに、あの、結局患者の不安につけこんで金儲けをしようとするような、そういう、あの、態度がね、あの、ま、それは、わたしの、あの、思い過ごしというか勘違いかもしれませんけれども、そういうようなところがあると非常にわたしは嫌悪感を覚えるので。あの、例えば、その潜血があって、その何%の人が本当に大腸がんで何%がそうじゃありませんとか、そんなデータの開示なんて一切ありませんよね(※)。それは、わたしは聞かなかったですけども。で、全く、そういった、その何の情報も与えずに、これはもうとにかく、あの、潜血があったんだから受けなきゃいけませんというような、そういった何か一方的なね、2回目にいたっては、家族を呼び出してっていうか、ま、一緒に、あの、人間ドックを受けていたんですけども、その前で、ご家族のためにあなたは受けなきゃいけません的なね、そういう、その何ていうんでしょう、家族への思いやりの心みたいなのも、逆手にとって、あの、金儲けのためなら、そんなことでもするというふうに、わたしはそのとき思い(笑)。あの、もう、かつてね一度経験がありましたので。だから、あのー、そのときは、あの、もう止めますという話にしました。

※国立がん研究センター「がん情報サービス」医療者向けサイトによれば、2015年(平成27年度)データで、大腸がん検診は、受診者は6,847,472人、うち要精検者数は475,386人(6.9%)、精検受診者数は333,172人(70.1%)、がん発見者数は14,968人(0.22%)となっています。
つまり、便潜血が陽性で精密検査を受けた人の約4.5%にがんが見つかっているという計算になります。

大腸がん検診の語り

内視鏡が苦しかったり腸に穴が開いたりしたら怖い(音声のみ)

あと想像するに、その、精密検診をやることになって、精密検査は当然大腸鏡とかね、結構侵襲性の強い検診方法というか検査方法になると思うんで、まぁ、偽陽性だったので精密検査をしたら実はその大腸鏡で苦しい思いをしたり、痛い思いをしたり、場合によっては間違って事故で死ぬこともあるだろうと。そういうことを考えると、若干そのデメリットもあるなと思って気が重いなという気もするわけですね。

大腸がん検診の語り

便潜血検査で陽性反応が出たが、40代と若かったし、痔のせいと考え精密検査は受けなかった。しかし、翌年の人間ドックでも陽性反応が出たため、このときは精密検査を受診した

ええ。あのー、人間ドックから、えー、そういう通知が来たんですけれども、大腸がんということなんか夢にも思ってなくて。まだ、あの、40歳過ぎた、40歳半ばでしたからね。で、まぁ、痔か何かかなぁと思ってですね、1度目はね、無視しました。1年間、放っておいたんです。で、2回目の人間ドックで、同じ、その潜血が出てるということで、ええ、それで、あの、精密検査を受けるようになりました。はい。

―― 2回目っていうのは、1年経ったあとに受けられた…

そういうことです。

―― 同じ人間ドックの…

そうです。

大腸がん検診の語り

痔があり、排便の際に出血もあった。市販の座薬で止血できていたが、それでも止まらないことがあったため、知り合いに相談したところ、精密検査を受けるよう言われ受診した

はい、自分は、痔の…病気を持っていまして、あのー、ときどき排便のときに出血ということが、ままあったんです。それで、8年前に、春、やっぱし排便のときに出血があったので、ま、薬局へ行って、座薬、止血の座薬を買ってきて、今までは、それで大体血は止まっていたんですけども、その8年前に限っては、買ってきた座薬全部使っても止まらなかったんで。ま、そのときに、商売上、あのー、…寄り合いつうのが、僕のところには、そば屋を経営しているもんで、あるもんで、その寄り合いのときに、仲間に、愚痴みたいな感じで、「今、こういう状態で弱っているんだ」って言ったら、仲間の1人が、「それは、痔でないかもしれない、がんかもしれない。大腸がんかもしれないから、内視鏡つう検査を受けてはっきりさせたほうがいい」という指示を受けまして、まあ、その友達の紹介で、東京ではなかったんですけども、まあ、他県の病院へ行って、内視鏡検査を受けたんです。

大腸がん検診の語り

内視鏡検査については、気持ち悪いとか恥ずかしいという気持ちはあったが、自覚症状があったのでやらなければしょうがないという思いだった

えっとね、まったくね、もうがん(30代の頃の胃がん)を忘れていた時期だったですから、その、これもやっぱり自覚症状っていうのがあって行ったわけじゃないんですけども。あの…血が出たっていう、下血したということがちょっと気になりまして。それで、あの…最初は痔だろうと思って1ヶ月ぐらい放っておいたんですけど、やっぱり気になったんで、健康診断を、人間ドックに入る日程を取って、そして診てもらおうということで。それまではあの、普通の検査をやっていたんですよ、健康診断を。だけど、それではまったく分からなくって、まあ、人間ドックに入ってみないといかんなと思って、自分で人間ドック取って入って、結果、すぐに通知が来まして。まあ、土曜日でしたけどもすぐ来てくださいと言われて。行ったら、まあちょっと異常があるんでっていうことで、入院してほしいということで、即入院ということでね。

―― あの、まあ、便潜血検査で陽性反応が出て、精密検査を受けなきゃいけないといったときに、カメラを入れるのがちょっと怖いとか、あとは、なんかお尻を見られるのが恥ずかしいとかって言って精密検査を受けない方もいらっしゃるんですけども。

でしょうね。

―― 実際に、あの、その、カメラを入れるのとかっていうのはどうでしたか。

うーんとね、入れてしまえばね、それほどもないんですけど、やっぱりちょっと、気持ちが悪いというか恥ずかしいだとか、どんなんするんだろうとかね、そういう心配はありましたね、やっぱり。だけど、まあ、僕の場合はもう、既になんかおかしいって相当言われたもんですから、まあ、やらないとしょうがないなっていう。まあ、できればやりたくないと。その前に、腸閉塞になったときに一度、あの、注腸検査っていうんですかね、バリウムをお尻のほうから入れるのをやったんですが、あれもね、気持ち悪かったしね。あれでも嫌だったですね、ずいぶん。お腹、ガーッと張ってね。だから、まあ、そうやりたいもんではないだけども、意外と昔と比べたら、少しはだんだん、うまくやれるようになってきて、あんまりそういう、気を使わなくても済むようになってきてるのかもしれませんけどね、今は。