インタビュー時:53歳(2011年9月)
男性・首都圏在住。職場の定期健診に便潜血検査が入っていないため大腸がん検診は受けていない。家族や友人から勧められたこともない。大腸がん検診は延命につながるというデータがあるようだし、検便はからだに負担が少ないので受けた方が良いのだろうが、忙しくて時間が取れない。受診に積極的になれないのは、がん検診一般に対する不信感があるからかもしれない。限られた財源を使うだけの効果が検診にあるのか、科学的な見方が必要だと思っている。

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大腸がん検診は浅田さん(仮名)の職場の定期検診の中に入っていないので、受けていない。あえて避けていたというわけではなく、受けるチャンスがなく、そのまま今に至ってしまった。家族や友達から強く勧められたこともない。大腸がん検診は便潜血検査なら検便するだけなので、体への侵襲性もないし、延命につながるという話も聞いたことがあるので受ける価値がある検診だとは思っている。国からの強制には抵抗があるが、職場関係の人に受けてほしいと言われれば、受けたかもしれない。年齢的にもがんの好発年齢であり、受ければ見つかる可能性も高くなるだろうから、これから先は受けるかもしれない。

けれども、相手はがんなので、早期発見すれば必ず助かるというものではないだろう。便潜血検査をした人の方が長生きできるといっても、自分にそれがあてはまるとは限らない。検診をしなければ死んでしまう、受けたら生きられるというのなら、多少無理してでも受けるだろうが、それほど劇的な効果はないと思っている。

また、大腸がん検診のデメリットをあげるとすれば、偽陽性の際の不安感と、精密検査で行われる内視鏡検査の侵襲性だろう。内視鏡検査で苦しい思いをしたり、死んだり、という可能性は若干のデメリットなので、そのことで気が重いのかもしれない。自覚症状が出てから病院に行って、手遅れであれば手遅れで、手遅れでなければ助かる、それでいいという気もする。治療についても、完治を目標に無茶な手術やがん剤治療をしたいとは思わない。便秘になるなどの通過障害で苦しくなったら、それを通すための手術はしたいが。

がん検診一般に対する不信感もある。大腸がん検診はエビデンスのある優等生といわれているが、他のがん検診の中には過大評価されているものもある。検診を受けて1人でも助かればそれは良いことであり、積極的に勧めていく、というのは科学的な態度ではないと思う。限りある医療資源を使って、それなりに効果があるとリサーチした結果が出て、実施されるのなら良いが、日本の場合はそうではない。検診をすれば助かるという情緒的な論理は非科学的である。一度広まってしまったら、仕事として関わる人も多いので(効果がないとわかっても)やめられなくなるという側面もある。検査を受けることのメリット/デメリットを吟味した上で受ける人は多くはないだろうから、情緒的なものに流されやすいマスコミの影響も受けるだろう。

ただ、国立がんセンターのホームページには検診のエビデンスについても公開されており、一般の人たちにも情報がわかる時代になってきた。もうちょっと世の中も進歩しても良いと思っている。

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