投稿者「dipex-j」のアーカイブ

英国人の乳がんの語り

自分が行ったさまざまな代替療法について話している

「ええ,ヨガレッスンは私自身に自信をつけさせてくれましたし,考え方も変えさせてくれました.」
「リフレキクソロジーも様々な体調不良に役にたちましたし,ヒーリングも私にとって思いがけず効果を得ることができました.」
これは,術後の患者に行われるケアなんです.いつも私を和ませてくれるような感じなのね、現在もこのケアが行われているかどうかわかりませんが、私にとっては大きな支えであり,術後の代替療法としてはすばらしいと思います
この、レフレキソロジーをやっている友達から、「REIKI(霊気)」も体験してみたのだけれど、とても興味深かったわ.胸の上にすごい圧力がかかるのを感じたの.
REIKI(霊気)の施療が終わった時に私は言ったの、「わぁ,胸に何かすごく重たいものが落ちてきたみたいな感じがした!何故かわからないけど」。そして、はたと気がついたの、これは手術を受けたことが原因だと。
それが厳密な意味で代替療法ということになるのかどうかは分かりませんが,整骨院にも行ってみましたけど,これもまた効果的でした.最近,移植した筋肉が原因でこちら側の筋肉に痛みがあったため,整体師にも行ってみました。私のバストですが,こちらの乳房が前より大きくなっているようで,すごく重く感じるのです。だからバランスを取るために人工的な代用品を使用しなければなりません。整体師のMcTimoney先生は,とても紳士的で大きな支えになってくれています.
だからこんな療法を受けているんですけど、以前だったら代替療法なんて受けていなかったと思うんですよ。多分、これからまた開発されて行くものなのでしょうね。ほんとに興味深いものだってことが分かりました。すべてがいつも効果的とは言えないけど,有害ではないっていうことを原則につきあってみようと思います、たとえば抗生剤を使うよりは安全だということでね.
最後に,特にあまり知られてないような治療については,十分に注意しなければならないでしょう。私は不運を吹き飛ばすようなおまじないをしているわけではないけれど、特に大きな被害にもあっていません。

英国人の乳がんの語り

なぜ治療の選択に責任をもちたくないと感じているのか説明している

当時はまだ乳腺腫瘤摘出術(温存術)はあまり一般的ではありませんでした。 手術をしてから後で乳がんについての本を薦められて読んだのですが、それには乳房切除術をすると告げられたら、セカンド・オピニオンを求めるよう書いてありました。
 これを読んだ時には既に手術をしてしまった後だったのでびっくりしました。でも、他の治療法にしようなどとは思いませんでした。担当の先生や外科医を信頼していましたし、ほかの治療法があるなんてちっとも知らなかったのです。でも、外科医の先生から、切除した乳房を調べてみたらしこりは乳首のすぐ側にあったと教えてもらいました。いずれにせよ、しこりがそこにあった場合、乳腺腫瘤摘出術より乳房切除術の方が選択されるようです。
 それを知ってほっとしました。「私の治療は間違っていなかった」と思ったのです。それに私は感謝でいっぱいでした。だって、手術のおかげで命が助かったのですもの。ですから、先生は誤った治療法を選択したなんて全く思いませんでした。
 この頃では患者が「どの治療にしますか?」と尋ねられたりするようですが、選択は大変だと思います。とても重い責任を負うことになるのです。医者はいろいろと説明してくれますが、普通の人は医者が提案してくれた方がいいと、多くの場合感じていると思います。
 今日では実際それもひとつの選択肢です。例えば私の行っていたクリニックでは、患者は、乳房を全て切除するか、乳腺腫瘤摘出術を望むか、あるいは何が最善の治療か考えるのは医者にまかせる、という中から選択できるのです。
 あの時の私も、もしこのような選択肢があったとしたら、きっと最善の治療について考えるのは医者におまかせしていたことでしょう。

英国人の乳がんの語り

なぜ両側の乳房切除術を決めたのか説明している

とにかく私はできるだけ早く手術を受けなければならなくなり、両側の乳房切除術を決めました。これは最初の大きな問題でした。骨と肝臓の検査をして問題ないことがわかり、転移していないとわかりました。ませんでした。でも、私の背骨の椎間板が突出していて、そのことを考えると私は身体が大きいので、片方だけに大きな乳房がついていたら、バランスが悪いと思いました。そこで医師に相談したところ、両方の乳房を切除することに同意してくれました。それは、わたしが背中にかかる体重と姿勢が心配なのを考慮してなのか、最初からその予定だったのか、もしくは別の理由があったのかはわかりません。乳房が残っていたら、ずっと不安が残っていたと思います。再発は怖かったので、最終的には正しい選択でした。片方の乳房にはがんはありませんでしたが、初期の細胞変化である硬化症はありました。ですから、切除は悪いことではありませんでした。外見を整えるのもずっと楽になりました。

英国人の乳がんの語り

医師の説得を押し切って両方の乳房を切除した経緯が話されている

医師は私のところにやってきて、「乳房を全部切除する必要はないのですよ。このしこりを切って、取り除こうっていうだけなんですから」といいました。「いいえ、乳房をすべて切除して欲しいのです。」
「なぜですか?」
「私は、放射線療法は受けたくないし、化学療法も受けたくないのです。乳房を全部切除していただければ、そのほうが嬉しいのです。そうすれば、両方のバランスが取れるわけですし」彼が納得したのかどうかは分かりませんでしたが、1996年に私の望んだとおり両方の乳房切除術を受けたのです。

――医師たちは、あなたの決心をかえようと説得を試みました?

ええ、そうです。馬鹿げているって言いましたよ。
「でも、何が一番馬鹿げているかといえば、片方の乳房がないのに片方の乳房はついたままであることだ」と言ったのです。とにかく私は、形成治療は受けたくなかったので、乳房を全部切除したのです。最終的に私の出した要望どおりに医師たちは切除術を行ったのです。

英国人の乳がんの語り

なぜ乳房温存術でなくて乳房切除術に決めたのか話している

私は乳房の完全切除を決めました。できる限り最善の機会を自分に与えたかったからです。乳房組織をすべて取り除くということは、そこに乳房組織がなければ再発する可能性がない、ということを意味していました。
それと、完全切除することで、たぶん放射線治療も避けられます。現に私は放射線治療を受けずに済んで、よかったです。10日くらい考える時間があって、その間、あの決意を捨てることは一度もありませんでした。もし形が崩れるのだったら、「中途半端なことをするのじゃなくって、ちゃんと崩してしまおう」ということね。それに、ぺちゃんこな胸に人工乳房をつける方がもっと簡単だろうと、内心思ったんです。こまごまと細工したり、おっぱい半分くらいのことで何とかしようとするのではなくってね。
そう、お分かりのように、それがもう一つの理由でした。

英国人の乳がんの語り

乳房温存術でなくて乳房切除術に決めたことを話している

私の腫瘍はとても小さかったので、主治医は部分切除術を望んでいました。
そこで私は「私、本当は乳房全摘術を選択しようと思っています」と言いました。すると医師は、全部私の選択にまかせると言ってくれました。単に部分切除術を勧めたがこだわってはいないので、考えてきてくれといいました。どの方法をとるか前もって知っておく必要はないって言うのです。手術室に入ってからでもどちらに決めたかお聞きしましょうとのことでした。これには少々驚きましたが、とにかく先生はそうおっしゃったのです。
私が乳房切除術を選択した理由は、乳房が残っていたら再発するかも知れないといったある種の気がかりを感じたからです。再発する可能性のある組織がなければ、私はもっと安心できると思ったのです。もちろん私は、乳房を全摘しても再発する可能性があることを知っていますが、より安心感があるでしょう。そういう訳で私は乳房切除術を選択しました。
乳房を全摘すれば放射線療法を受ける必要はないという理由もあります。でもそれは乳房切除を選んだ実際の理由ではありません。決断の一部ではあるけど、枝葉末節の事柄にすぎません。それだけのことです。

英国人の乳がんの語り

乳房切除術を受けると決断するまでにさらに情報を集めた

悪い知らせを知らせるときの外科医も問題ね。「2つの選択肢があります、乳房全摘か、それとも広範囲部分切除か。これはあなたの選択です」って言うのよ。私たちは、それぞれの選択しについて検討しました。その時のことははっきりとは覚えていませんが、クリスマスの時期でした。クリスマスの期間中ずっと手術のことを考えていました。Eメールのありがたかったこと!以前に手術を受けた専門家達にメールをして、彼らの意見を聞きたいと言ったの。
 女性の外科医は理にかなった、しっかりしたアドバイスをくれました。とても頼りになるアドバイスでしたね。私がどちらを選択するべきか、断定的に言うことが出来ないと言うのです。これまでの経験や研究から考えて、今回の私の場合についていえば、乳房全摘と広範囲局所切除は同じくらいメリットがあると言いました。
 しかし、いったん手術についての決断をすると、もう後戻りはしませんでしたし、そのことについて考えませんでした。構わず、前に進むのです。決断をしなさい、というのはとてもよいアドバイスです。「私は正しい決断をしただろうか?」なんて考えてばかりいるのは、いいことではないですからね。こういう考え方はとても役立ちました。

英国人の乳がんの語り

出産と産後の乳がん手術に関する選択肢をどのように説明されたか話している

――治療の選択肢としてどんなことを検討し、話し合ったでしょうか?

私の場合、妊娠していたために、(状態や予後に関して)非常に予想がつきにくくなっていました。そのため、医師たちは、できるだけ早く子供を産む手助けをしたいので入院してほしいといいました。それからもう一度、出産も含めた全ての手技を説明してもらいました。分娩を誘発するつもりだが、まだ妊娠初期なのでおそらく帝王切開をしなくてはならないだろうということ。そのあとで、出産後の体力回復の期間をとって、それから乳房を手術しようということ。7月14日、私は腫瘍摘出手術を受けました。私と夫はもう一度手術についてオープンに話し合って、もし乳房切除術か、あるいは両側切除が必要であれば、お願いしますと医師たちに言いました。やはり、これからの人生では、息子の将来のために健康でいてやることがいちばん大切だからと思ってそう言ったんです。

英国人の乳がんの語り

複数の手術方法と化学療法の選択肢について語っている

医師は、私にいくつかの可能な選択肢があることを、次のように説明してくれました。
「ガンがどこにあるかによって、局所を広範囲に切除したり、場合によってはもっと沢山の組織を除去することがあること、そしてミニ・フラップ手術と呼ばれる、一種の形成的な手術、つまり、肩の筋肉の一部をもってきて除去した部位に埋め込む手術を行うこと、あるいは、乳房全体を切除しなければならない場合もあるということです。さあ、この3つの選択肢の中からどれを選ぶかは貴方です」と言うのです。
私は彼に向かって、「じゃあ、私が生き残れる可能性が一番大きいのはどれ何ですか?」と言いました。すると彼は「生き残る可能性が最大になる選択肢が一つだったら、それをお伝えするのですが、この3つの選択肢はすべて等しいチャンスがあるのです。」
私はしばらくそこで考えました。「これはちょっとホブソンの選択(=えり好みの出来ない選択)みたいね。私としてはガンを全て取り除きたいだけなんだけど」
そう言って、私は医師に第2番目の手術を選ぶことを伝えました。

――それはある種の乳房再建的な手術といった選択ですか?

ええ。そうです。
それから医師は、化学療法にはいくつかの異なるタイプがあり、3種の薬を使う方法が今は標準だけれど、4種の薬を使う新しい方法も新しい標準治療になりつつあるのだと、説明してくれました。それからまた、タクト(Tact)と呼ばれるアメリカの薬があって、これはまだ試験中みたいなのだけど、この中でどれを望むかって言うの。またまた選択ね。そう、臨床実験なのよ。私はどちらかというと4種類の薬を使う方法にしたいと思った。だって、これはアメリカの薬で、二次性の乳がんがある人のための薬だっていうから。

英国人の乳がんの語り

なぜ手術に関する決定を外科医にゆだねたか説明している

 不思議だと思ったのは、どれだけ転移しているかそういったことは分からないので、医師達にも手術してみないと正確な状況がわからないということでした。
 それで、「じゃあ手術しましょう」と言っても、どの程度切除しなければならないのかが分からなかったのです。
 医師は尋ねました。「どうですか、乳房インプラントをご希望されますか?」でも、どう考えていいのか私には分からなかったんです。
 「私はインプラントなんて欲しくない。身体に何か別のものを入れるなんて嫌だし」私はそう考えました。でも自分がこれからがんのことをどの程度公表していくか分からなかったし、後からどんなことに気づくのか、それさえ分からないなんて落ち着かない気分でした。
 それでも私はこう言いました。「じゃあ、先生が決めて下さい。やらなくちゃいけないことがはっきりしているなら、他の事じゃなくてそれをやって下さい」と。
 医師も、どれほど深刻な状態なのかは、そうなってみないと分かるはずもなかったでしょうし、自分がちょっと、未知の領域に踏み込もうとしているような気持ちでした。
 そうですね、私は治療法について自分自身では何も決定しなかったんですよ。ただ治療法について知らなかったというのもあるし、知りたくもなかったんでしょう、きっと。
 つまり、知ろうとすればできたでしょうが、確かに私は今までにないような状態になっていて、別のやり方を考え始めることさえなかった。
 私は考えるにあたって安全性を求めました。「医師なら何が最善かは分かっている」って。だから手術について質問さえしませんでした。