投稿者「dipex-j」のアーカイブ

乳がんの語り

ホルモン療法中は空気を吸っても太るかと思うくらいどんどん太ってきて、ホットフラッシュ(火照り)やイライラもあってしんどかった

しんどかったですね、そのホルモン剤に替えてからは。書いてある通りの動悸がしたりとか、ホットフラッシュっていうんですかね。汗が出たりとか、むくみが出たりとか。あとすごく太り出して、何が嫌だったって12キロぐらい太ってしまって。ああ、もう急に、水を飲んでも太るとはこのことかと。寝る前に量って、朝起きたら太ってるとはどういうことか、ぐらい、どんどん太ってきて、本当につらかったですね。どうにもならない。食べなくても太るし。空気吸っても太るんじゃないかなと思うぐらい太り始めて。
あとは、そのホットフラッシュっていうのが、本当に突然、パーッと暑くなって、汗がどんどん出て、真冬にふぶいてるときでも、いきなり一人、真っ赤な顔してふうふう言ってて。だから、いつも小さな扇子を持ってたりとか。皆さん、それはおっしゃるんですね、ホルモン療法されてる方が。ホットフラッシュはつらい。
のぼせたりとか。ちょっといわゆる更年期障害の症状ということで、イライラが出たりするっていうのがあって。イライラしてるときに、「あ、これー、もしかして副作用?」ぐらいの余裕のあるイライラだったからよかったんで、自分を抑えられないほどでもなかったですけど。何か、症状というには不快なんだけど決め手がないような症状が続くっていう、随分しんどかった覚えがあります。

乳がんの語り

放射線治療が終わって1ヶ月くらいしたときに、風邪をひいたような、肺が痛いような気がしてレントゲンを撮ったところ、軽い肺臓炎(※)と言われた

えっと、鎖骨のリンパ取ってるところなんかは、骨のほうもちょっと中が、痛いような感じで。それは、放射線による、何でしたっけね。ん?軟骨がちょっと炎症起こすのかな。何かそういうことを言ってました。その後、風邪を引いたときにちょっとひどくなったら、それは風邪じゃないと。「肺臓炎」って、(放射線が)肺をかするので、「肺臓炎」っていうのもあるんだっていうようなことも説明されました。
それから、「放射線の影響ってすぐ出るとは限らないんです」っていうようなことが説明であって、えっと、ちょうど例えられたのが、火山のマグマみたいなのが地下でグツグツグツってして、表、何もないように見えても、後でグツグツグツって上がってくるように、下に、グツグツと、「放射線の影響でたぎっているとこがあったら、ひどい人だと何年か経って出てくる人もいるよ」みたいなことを聞いたので、なかなかやはり大変なものなんだなとは思ったんですけど。

――肺臓炎になられたのは、じゃあ、終わってからしばらくしてからだったんですか。

放射線治療が終わって、1ヶ月ぐらいしたときに、「ちょっと肺が痛いかもしれないんだけど」ということでレントゲン撮ったときに、「軽い肺臓炎です」と。「10人に1人(*)ぐらいの確率ですね。大当たり」とか言われて、要らなーいとか思ったんですけど(笑)。

*日本乳癌学会の診療ガイドラインでは、放射線肺臓炎の発症率は乳房温存術で1.0%程度、乳房切除術では2.4%程度とされています(日本乳癌学会編「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン3放射線療法2005年版」)。

乳がんの語り

いろいろなウィッグを購入し、楽しんだ。治療途中でボヤボヤした髪の毛が生えてきたが、ウィッグも地毛もカットは行きつけの美容院でお願いした

会社員でしたから、仕事に行くのに、タオル巻いて行くわけにはいかないので(笑)。日常生活はバンダナとかタオルとかで過ごしてたんですけれども、ウィッグは、必需品でした。
で、最初のその4万円のやつというのは、ストレートの、ちょっと赤い髪の、かわいらしいウィッグだったんですけど、「何かイメージじゃないぞ」というのがありまして、後にそのウィッグを、一つだと洗い替えがなくなってくるので、これもインターネット上で、医療用のウィッグを作って卸しているようなところを見つけたんです。それが、本当にいいのが安いんですよ。人毛とか入ってるのでも2万円ぐらいで買えちゃうし、いろんな、ケアグッズも買えるし、とっても丁寧なんです。ただ、カットがそこには付いてこないので、カット、私の場合はもう、美容師の先生に安心してお願いをできるような状態になってましたから、先生に「外で買ったかつら、買って持ってきてもいい?」って言ったら、「いいよ」って言っていただいたので。
で、インターネットの店舗で、最初は、ちょっとかわいらしいショートのやつとかを買って、美容師の先生に「今日はカットしてください」、「どっち?」って言ったら、「うーん、生頭とかつらと両方」って。あの、生の頭というか、自分の頭も、(髪は)抜けてるんですけどね、ポヤポヤポヤポヤと生えてきたり、変な状態になんですよ。象さんの子どもみたいになってて(笑)。で、少し手入れしないと、あとで生えてきたときが汚いので、両方手入れしつつ…
で、ウィッグも、最後のほうになると、何かちょっと思い切ってお姫さまかつら買ってみたりとかして。で、会社に行くのに、みんなに…。私は、仕事上で一切、隠しはしませんでした。私、悪いことしたわけじゃないし、変に隠すとさぼってるとか思われると嫌なんで、正々堂々とやろうと思って。だから、かつらも、「これ、かつらだよ」って言って、ペッてこう、横をこう上げてみて、「ほら、髪の毛、ないじゃん」とかやったら、「やめてー」ってみんなに言われてたんですけど(笑)。かつら、幾つか持ってて。で、最初、週替わりぐらいだったんですけど、(日替わりで)短い(かつら)、短い(かつら)、短い(かつら)、で、ある日突然、長いかつらをしてったら、上司に「お願いだから、心臓に悪いからやめてくれ」って言われて(笑)。「頼むから」って言われて(笑)。ちょっといたずらしてみたりとか。そうすると結構、かつらも楽しくなってきちゃって。みんな、もう知ってるから、何か「何それ?」って言われたりとか、楽しかったですよ(笑)。

乳がんの語り

同時再建を希望してエキスパンダーを入れたが、放射線治療が必要となり、皮膚に炎症が起きて、コヒーシブ(※)に入れ替えることができなくなった

そして、私自身は、あの、同時再建を希望したんです、そのときに。というのは、やはりすごい、その、見てくれというか、乳房取ることに対しての抵抗が最も治療を遅くしてしまったっていうことだったし、「同時再建できるんですか」ということで、同時再建したんですが、これは後に、あの、実はそんなことしなければよかったっていう、別の意味の流れになっていくんですけれども。同時再建をして、で、えーと、エキスパンダーですね、を入れて。
そうすると、手術の途中で、実は思った以上に広がっていたということが分かって、えーと、鎖骨リンパにも少しあって、そこを取りました。で、エキスパンダー入れているにもかかわらず、放射線を当てることになって。まあ、レアケースだと思うんですけどね。
それで、皮膚が非常に傷んでしまったりとかして、その後、エキスパンダーから今度、中を、コヒーシブ入れ替えたりとかいうときに、その皮膚の薄さとか放射線を当てたことによって、戻りにくくなってしまった皮膚が炎症起こしたり、腐ってしまったり、いろんなことがあって。結局、今、再建はまだ頓挫した形になっています。途中です。

乳がんの語り

命も治療も大事だけど、それにはお金が要るので、働きながら治療したいと医師に伝えた

そして、最初の、初発の治療は、切って、その後、術後の抗がん剤と放射線を行って、その間、3ヶ月間の、仕事の休職をしました。私は一人で暮らしていましたし、病気になったことで、病気になったから家に戻る、親のところに戻るということは考えていなかったので、「とにかく私には優先順位があります」と。
「治療は大事です。命は大事です。でも、それをするにはお金が要ります。だから、働きます。働いて治療します。さあ、どういう治療が考えられますか? 一緒に考えてください」っていうふうにドクターにお願いしました。

乳がんの語り

初めて会ったのに、診察時にとても親身になって言葉をかけてくれたので、この医師にその後の治療をお願いしたいと思った

最初の病院はインターネットで、検診をしている病院を見つけました。検診だけのセンターです。

――その病院を選択した理由について教えてください。

まず最初から病院、いわゆる大病院に行きたくなかった。というのは、もう行った瞬間に、「じゃあ、明日、手術ね」とか、まさかそんなことないんですけど、言われたらどうしようと思っていたので、自分に対してはっきりと診断がついてから、どうするかっていう、決める時間が要るなと思ったので、一人暮らしですから、両親とも離れていますし、まず切るなり切らないなり、場所の選択が必要だったので、検診を主にやってくれるところを探しました。そういう、いわゆる診療所ですね。検診目的の診療所で「マンモグラフィがあります」というところを見つけて、で、一般の方でも予約OKということでしたので、電話をしました。
で、診断がつきました。私自身は、(乳房を)切るっていうことに対してやはり抵抗があったし、もう間違いないってなったときに、そのドクターに、「これ、取らないでそのまんまいたら、どうなりますかね?」って聞いたら、ものすごい怒った顔されたんですね。「駄目や!そんなの。絶対、駄目や!」。
もう半ば泣きそうな顔で、すごい初めて会ったのに、1時間ぐらい話しただけで言われて。あ、この人は私を本当に駄目だと思って言ってくださっているんやな。「じゃあ、すいません。あなたに、切っていただくならどうしたらいいですか」っていうことで、彼が、勤務している病院から検診センターのほうに来られてたので、元々いらっしゃる病院のほうに行って、「私が責任を持って切りましょう」と言ってくださったので、そのドクターに後の治療をお願いしました。

乳がんの語り

娘は懸命に支えようとしてくれるが、夫が亡くなり、自分も再発したことのショックは大きいと思う。弱気な自分を見せてはいけないと思っている

やはり、主人が亡くなったことでも、あの子たちは十分ショックを受けているんですね。で、なおかつ若くして両親を亡くしてしまうんではないかっていう不安を与えたくない。
あの子たちにしてみると、まあ、あの子たちも子どもじゃないから、自分なりに「がん」っていうものとらえてると思うんですね。深くは知らないまでも、で、きっと調べてるかなって思いもする。だから、弱気な私を見せてはいけない。もうそれはね、主人が病気になったくらいから、ずっとそうだったんですけどね。「私は大丈夫」っていう、ずっとお母さんで来たので…
娘に一度、そういうふうに言われたことあるんですね。「いいんだよ」って、「自分にぶつけてくれて」っていうようなことあったんだけど、でも、2回目の転移のときに、ちょっと娘が精神的に落ち込んでしまったときがあって。あれ見たら、「やっぱ駄目だ」って思っちゃって。うん。
その前も、でも、私もちょっとこう、あの子にイライラをぶつけたりなんかしちゃってて、あの子はあの子なりにきっと悩んでて、いっぱいいっぱいだったのかもしれない。それで、私がまたそうやって転移しちゃったっていうことで、ドカンって来ちゃったのかもしれない。「そうだよな。まだ大人大人とは言っても…」と思いました。

乳がんの語り

きょうだいにはみんな話しているが、高齢で心配性な両親には未だに話していない

自分のきょうだい。姉が2人、弟が1人、で、両親もまだ健在なんですけれど、母が、ちょっと病弱でいるんですね。で、いまだに私の両親は、私ががんであることを知らない。っていうのは、言わない。言ってないです。兄弟たちも。母が、とても心配性な人で、心配かけたくない…(笑)。それで、例えば父が知ったとすると、もう年取ってるもんですから、やはりぐちぐちぐちぐち、きっと私のことを心配して母に言うだろうな。当然、兄弟はみんな知ってますけどね。兄弟たちは、付かず離れずで、心配はしてくれてます。

乳がんの語り

再発後、本気で治そうと思ったら仕事を辞めて別の人生を歩むことも考えるべきかと思うが、(自分が家計を支えているので)それでは経済的に追いつかない

本当にこの病気を本気で治す――まあ、当然、今の状態でも治そうとは思ってるんですけどね――そのためには、もう仕事は辞めてね、別の人生を歩む方向に考え直さなきゃいけないのかなとも考えてる。だけど、それには経済が追い付かないとかって。
今までも決してそんな贅沢してたつもりはないんですけれど、やはり、高額医療で返ってくるんですけど、結構かかるんですよ。で、私が保険に入ったころのがん保険って、今みたいに一時金が出るとか、通院でも出るとかっていう保険じゃなくって、入院治療のときに出る保険。だけど、入院はうんと短いんですよ(笑)。だけど、その後の治療がうんと長い。で、まずその治療費も捻出しなきゃいけない。
で、まあ、それなりの今の会社だから、2万円以上かかった分は返ってくるので、まあまあいいんですけど、これが国民健康保険だと(自己負担限度額は)5万までですよね、高額医療。5万以上の分しか(返ってこない)。だけど、仕事を辞めちゃって国民健康保険になって、5万の毎月の治療費って出せるかしらっていう、そういう心配。

乳がんの語り

休職して再発治療に専念できるよう、人事部の担当者と医務室の保健婦さんが、配属先の上司との間に立って話をつけてくれた

もちろん、職場の上司もそうなんですが、主にまあ、医務室の、保健婦さんが間に入って、その、保健婦さんの上司となる人が人事部の関係の人が、そういう専門の人がいるんですね。で、その人と保健婦さんとで間に入っていただいて、私の職場の配属されてるところの上司といろんな話とか連絡とか付けていただいて。
今回、こうやってお休みに入るに当たって、いわゆる「本部詰め」って言って、「どこにも所属してないよ」っていう状態にしてくれたんですね。どっかに配属されてると、そこは、私が行ってない間、一人減で仕事しなくちゃいけなくなっちゃうので。でも、本部詰めにすれば、一人、それを補充する人があてがわれるんですね、人事のほうからね。そのほうが、今までは、そういうふうに本部詰めっていう形にしなかったので、「早く復帰しなきゃ。早く復帰しなきゃ、みんなに迷惑かけちゃう。早く復帰しなきゃ」っていう焦りもあったけど、今回は、そういう本部詰めにしていただいたことによって、私の代わりの人が補充されるよっていうことで、ある意味、(治療に)専念できるっていう部分があって。そういうのは全部、その人事と、その保健婦さんとでやってもらいました。