投稿者「dipex-j」のアーカイブ

乳がんの語り

妊娠中は、術後の放射線を浴びた乳房で母乳を飲ませてよいか不安に思っていたが、主治医に大丈夫だと言われた

やっぱり母乳は、手術したほう(の乳房)はどうなるんだろうと思って、温存なので、まだ残っているので。それは、放射線も浴びているし、どうなんだろうなっていう心配はあったんですけれど。主治医に「もし母乳が出たとしたら、それは飲ませていいのかどうか」っていうのは聞きました。で、主治医に「全く問題はないよ」って言われたんですけれど。でも、放射線を浴びているのに、と思って、どうなんだろうっていうちょっと不安は自分の中で、主治医は「いい」って言ったんだけれども、あったんですけれど。実際あんまり出なくて…、うん、やっぱりこう乳腺をこう取っちゃっているからなのか、やっぱりあんまり出なくて、まあ子どもも出ないから嫌がって、そのまますぐ出なくなっちゃったんですけれど(笑)。うん、そのやっぱ放射線をこう浴びているのにっていう、そういう不安は、ありました。うん。それ以外は、もう抗がん剤は(体から)抜けているだろうなっていうのはあったので、心配はそれぐらいでしたね。

乳がんの語り

治療後半年後に妊娠許可が出てすぐ、拍子抜けするくらいスムーズに自然妊娠したので、神様からのご褒美だと思っている

――その(妊娠)許可は、期間でもうOKという感じだったんですか?

一応、まあ半年ぐらい経てばということで、そのときの、検診に行って、「もうこれだけ日数経っているし、まあ大丈夫でしょう」って、「今、特に何も心配する再発の兆候だとかそういうのがないから、まあ大丈夫でしょう」っていうことで。(許可が)出ました。はい。

――じゃあ、そこから、実際に妊娠する、妊娠・出産するまでの経過を教えていただければと思うんですが。

もうそこからは、意外とすぐ2ヶ月ぐらいで、もう妊娠、で、もう3ケ月ぐらいでもう妊娠が、まあちゃんとはっきり分かったという感じだったので、意外とすぐに、うん。その乳がんになる前はなかなかできなかったっていうのもあったんですけれど、意外とすぐ妊娠することはできました。

――すみません。詳しく分からないので、教えていただきたいんですが、体外受精みたいな感じでなんですか?

あ、いえ、もう普通に自然妊娠だったんですね。で、なんか結局、その保存した卵子も使うことなく、もう本当に自然に、だから、自分の中ではまあこれだけ、このがんになって病気して、治療も頑張ったから、多分神様がなんかご褒美くれたんだろうなあ、なんて思ってたんですけど、そのときは。もう本当に不思議なくらい、すぐにできたので、うん。私もまだ髪の毛もそんなに生えそろってないぐらいの(笑)、その時期だったので、はい。
でも、逆にこんなに早く妊娠しちゃって、大丈夫なのかなっていうのはちょっと自分の中ではあったんですけれど、やっぱり中には「1年間ぐらいは空けたほうがいいって言われたんだ」っていう方もいたので、でも、主治医は「半年でいい」って言っているし、まあいいんだろうっていうふうには思ったんですけれど、うん。

乳がんの語り

採卵できないと抗がん剤治療を始められないので病気の進行が心配だった。卵子凍結保存できたことで、抗がん剤の副作用がどうあれ、安心して治療に臨めた

やっぱり私としては結構プレッシャーになってしまって、月に1回しか採卵はできないものなので、欲しいときにすぐ採れるというものでもないので、もう注射で毎日病院まで通って。これで駄目だったらどうしようとか、やっぱりそういうプレッシャーを感じながら、不安もあったんですけれど。やっぱり、最初のとき、1回目が駄目で、で、もうどうしようかっていう、その主治医に相談したときに、「じゃあ、もう1ヶ月、やってみたら」ってこうあっさり言われて(笑)。「えっ? でも、治療をやっぱり早くしないと、若いから進行が早いって言われました」って、その前、地元の病院で。「いや、若いからそんな進行が早いっていうことはないよ」って、「乳がんは10年かけて、もう本当にゆっくりだから、そんなに慌てて、1ヶ月、2ヶ月慌ててやることはないよ」って言っていただいたので、「じゃあ、もう1ヶ月頑張ってみます」っていうことで。で、そのときは無事に、まあ採卵で採れたんですけれども。まあそれで、やっと「じゃあ、抗がん剤を始めてください」ということで、もう終わったらすぐもう抗がん剤の治療に入りました。
うん、やっぱりその(卵子を)保存したことで、私も気持ち的に、こう楽に、やっぱり抗がん剤ってもういろいろ副作用も、つらいって聞いているし、やっぱりそういう、子どもができない体になったらどうしようって不安もあったので。だけど、その保存をしたことによって、もう保存をしているんだから、まあなるようになれというか、副作用がまあ強くて、もし(卵巣機能が)駄目になっても、まあ大丈夫だろうっていう気持ちで臨めたので、私にとっては、凍結保存したということは、とても気持ち的に楽なものになりました。

乳がんの語り

治療後の卵巣機能低下を懸念し、保険を掛けるつもりで卵子凍結保存をすることにした

私の場合は、手術をして、そのホルモンの感受性が全部マイナスだったので、ホルモン療法が使えなくって、それはもう本当に抗がん剤しか治療法がなかったんですけれど、やっぱり抗がん剤をしてしまうと、その卵巣の生殖器のほうに、やっぱり影響があるということで「じゃあ、どうする?」ってなったときに、若いから、このまま閉経するということは、年齢が上の人に比べたら少ないだろうけど、でも、(病気になる前に)ちょっと、子どもがなかなかできにくいことがあって、病院に通ってたりもしたので、もしかしたら、(卵巣の)働きが弱いかもしれないから、やっぱり抗がん剤で弱いところを叩かれてしまって、で、(治療を)やった後に駄目になっちゃったで、後悔するよりは、「卵子の凍結保存っていう方法もあるよ」っていうことを教えていただいて。で、もうそれは、やったほうがいいなと。
主治医のほうも「もう保険を掛けるつもりで、別に、凍結保存をして使わなかったら使わなかったで、よかったねで済むし、もし使うことになっても、保存をしといてよかったねで、どちらに行ってももう気持ち的に楽になるから、心配しながら治療するよりも、やってみたら」っていうことで、手術が3月だったんですけれど、まあすぐに抗がん剤、始めたほうが良かったのかもしれないんですけれど、1ヶ月ぐらい、その保存する期間、猶予を「まだそんなに慌てなくても大丈夫だよ」っていうことを言っていただいたので、私としては、もう早く治療をして、と思ったんですけれど、主治医がそういうふうに言ってくださったので、私もその卵子の凍結保存をやってみようかなという気になりました。
 本当は、結婚している人は、受精卵にして、保存しなければいけないんですけれど、私の場合、主人が海外に長く行ってしまって、そのために戻ってくるっていうのが不可能だったので、まあ特別にというか、卵子だけの保存をしていただきました。

乳がんの語り

自分が生きられないと思うと妊娠は考えられなかったが、元気になるともう一人ほしくなった。でも夫は体の心配をして、もう子どもはいいと言う

わたしはですね、ほんと、抗がん剤は、終わってすぐは、逆にもう(子どもは)いいかなって思ったんですね。その生きられるか分からないという思いが強かったので、やっぱり、自分がもし子どもを授かったとしても、途中で、自分が旅立つんだったら、かえってかわいそうなのかなって思う気持ちもあって、一時期は、もう1人子どもがいるので、もう十分だなって思って、それでいいと思っていたんですけど。でも、やっぱり時間が経って、自分が元気になってくると、ああやっぱり兄弟作ってあげたいなとか思うんですけど。でも、主人に話すと、主人は、「いい」って言うんですよ。「もういいんじゃないの、1人で」って言うから「何で?」って言ったら、ずっと理由を言わなかったんですけど。
つい最近、それこそ、もう1回そういう話をしたら、「僕はいいよ」って言うから「何で?」って言ったら、「何かの乳がんの本で、子どもを生むことで、何かリスクが上がるみたいなデータを俺は見た」*1って言うんですよ。で、「見たから、そんなんね、あるんだったら、もういいじゃん」って言うんです。だから、そんなデータ、こっそり見ていたんだって思って。でもね、それが合っているか、合っていないかも分からないですけど。でも主人がそういう思いがあるっていうのを、初めて聞いて、ああ、そういう理由で子どもは1人でいいって言っていたんだと思って。だから、ああ、一応、気にはかけているのねと思って、思ったんですけど。
でも、自分としては、やっぱり、だいぶ、ほんと、元気になってきたので、もう1人はほしいなとは、可能性があるならとは思っていますけど、ま、こればっかりは、主人とほんと2人で話していかなきゃなっていうのがあるので。今、まだ30代なので、できないことはないんでしょうけど。こればかりは、あとは、運にまかせるってことですね(笑)。

*1 乳がんの治療終了後の妊娠・出産によって、再発のリスクが上昇するという明らかなデータはありません。
(日本乳癌学会編「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン1薬物療法2010年版」)

乳がんの語り

30代後半で罹患したが、出産可能なぎりぎりの年齢であり、ホルモン療法を5年受けるとなると人生の設計図が変わってしまうので、葛藤がある

あと、特に乳がんに関してなんですけども、だんだん年齢も低年齢化してまして、私も、30代の後半で実は罹患したんですけれども、今は多分30代で罹患する人もすごく多いと思うんですよね。そうすると、今、出産する年齢も上がって来てると思うんですけども、30代でも全然まだまだ出産できる年齢だと思うんですよね。そうすると、治療すると、やっぱり生理を止めてしまったり、あと抗がん剤で、卵巣機能がもしかしたら戻らなくなるって人も出てくると思うんですね。そうすると、本当は子どもを持ちたいのに、自分の命を助けるがために子どもを持てなくなるっていう人も出てくると思うんですね。あとやっぱり出産も、何歳でもできるっていうわけじゃないので、あと育児のこともあると思うので、その治療に例えばホルモン療法だったら5年ぐらい大体最低で時間を要すると思うんですけれども、その期間、妊娠ができなくなったりすると、やっぱりその人の人生の、設計図が全然変わってくると思うんですよね。そうするとやっぱり、すごい心の中で葛藤があると思うんですよね。自分は子どもを持ちたいのに治療をしないといけない。で、もし治療をやめて、自分のじゃあ命が保証されるかって言えば、まあ、もちろん、治療したから100%治るわけじゃないんですけども、その辺のバランスっていうのが難しいし…。

乳がんの語り

出産は無理かもしれないが、結婚はあると思いたい。必要以上に重たく考えないようにしている

出産については、ほぼ無理ではないかなというふうにちょっと思っています。まあ薬のこともありますし、そうですね、ホルモン療法というのは5年飲まなければいけないというふうなお話でしたから、5年間飲んでしまうと、ちょうどその閉経の時期にかかってしまう可能性の方が高いと思うんですね。なので、それが全部済んでからというようなことだと、もうまあ現実的にほぼ無理だろうという風に思っています。で、出産がない、まあ例えば結婚ですとかっていうことについては、全然それはあるかもしれないという風に、ちょっと思いたいというところもありますし。まあ、その辺のところについては、正直あまりこう重たく考えてしまわないように、必要以上に重たく考えないようにという風には思っています。

乳がんの語り

結婚や出産が難しいかもしれないというショックと、更年期障害が重なり、一時はうつ的になったが、同病者との交流で悩んでいるのは自分一人じゃないと癒された

1回目の手術からすると、ちょうど4年半が経ちますね。その間は、やっぱり不安とか、すごくありましたね。私はまだ結婚もしてませんし、まあ、結婚できるのかな?とか、子供生めるのかな?とか、そういった心配もあるし、やっぱりこう、病気をしてしまった自分に負い目があるので、なかなかこう、恋愛に関しても一歩踏み出せなかったりとか。そういったのがやっぱりあったりするんですけど。そういう不安とかいろんな悩みとかは、やっぱり同じ病気をした人たちとこう、交流する中で、すごく気持ちが、こう共有することで、私自身も癒やされるし、情報交換したりとかそういうことによって、「ああ、自分だけじゃないんだな」っていうふうに思えるようになりましたね。
あと、生理を止めるという、ホルモン療法。しかも5年間、生理を止めるっていうことを聞いたときに、その当時、私は37だったので、まあ、例えば結婚して、子供を生む、何か微妙な年齢だったんですよ。だから、「5年間っていうことは、終わったら42歳。そうしたら、私はもう結婚もできないし、子供も生めないのか」っていう思いがすごくあったんです。それはすごくやっぱ大きかったかなって思いますね。
で、「生理を止めるので、閉経と同じ状況になるから、まあ、更年期障害が出たりとか、ちょっとこう、気持ちが沈んだりとかね、そういった副作用もあるよ」っていうふうに聞いたので、またその辺は、そういった更年期障害の副作用なのか、そういう何かそういうショックがあったのか。確かにちょっと、こう気持ちがかなり沈み込んだ時期はありましたね。「ああ、ちょっと、私、うつっぽいな」っていう感じ。それはもう時期を過ぎたら、普通に戻りましたけど。
何て言うんですかね。こう生理が止まったときのショックって、やっぱありましたね(笑)。「あ、本当に止まったんだ」っていう感じだった。で、そのうち、それが何か慣れてくると、何かもうないのが普通の状態みたいって落ち着きましたけどね(笑)、うん。

乳がんの語り

将来は結婚して子どもを産みたいと思っているが、妊娠・出産については治療の影響があるかもしれないと心配している

将来に対しては、やっぱ若いので結婚して子どもを産めたらいいなっていう気持ちはすごくあるんですけれど、治療で子宮(卵巣)の機能を低下させてしまったので、ちょっと生理とかも不順なので、妊娠がやっぱりできるのかなあとか、あと、先生からもやっぱ薬の影響がどのくらい子宮とか、卵巣に影響しているのかはちょっと目で見て分からないから、妊娠したとしても、その流産とか、あと死産だったりとか、あとは障害を持った子どもが生まれてきたりとかっていう、こう順調にこう妊娠、出産っていかない可能性があるから*1、やっぱりその辺は、その時期になったら、やっぱり悩む問題になるだろうっていうことは治療の前から、聞いていました。

*1 乳がんの治療終了後、卵巣機能が保たれていれば、妊娠・出産は可能であり、出産に関連する問題や胎児の異常が増えるという明らかなデータはありません。ただし、タモキシフェンやトラスツズマブなど薬によっては妊娠中異常が生じる可能性があるという報告もあるため、それらの治療中の妊娠は、勧められないとされています。
(日本乳癌学会編「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン1薬物療法2010年版」)

乳がんの語り

3歳の娘にはママはおっぱいの病気と言っている。一緒に病院にも連れていき、検査される姿を見ているので、ある程度の年齢になったら、娘も抵抗なく検診に行けるといい

――今、お子さん、3歳です?

はい。

――まあまだちょっと分からないかもしれないんですけど、ご病気のこととかをお子さんに話したりということはどうですか。

まあ乳がんといっても、まだピンと来る年齢ではないので、一応「おっぱいの病気」とは言っているんですね。で、やっぱりこうちょっとこの押されたりすると痛かったりするので。で、子どもってこう手加減もなしにワーッと飛び付いてきたり、乗っかってきたりするので、やっぱり痛いので、それをやられると。だから、こう「ママは左側のおっぱいは病気だ、病気だから、あまりこう叩いたりとか、ぎゅって押したりとかしないでね」ということは伝えてあって。まあその辺の、まあなんかのおっぱいの病気なんだなっていうのは、分かってはいます。うん。
だけど、も、もうちょっとこう大きくなってきて、まあがんっていう、その病気のちゃんと理解もできるようになったら、ちゃんとまあ伝えようとは思いますし、ある程度の年齢になったら一緒に、あの、検診にも、もう連れていこうと思ってますし。今も、あの、検診ですとか、その病院に一緒に連れていったりとかもして、こうエコーをここをこう、やられてというのも見たりしているので、まあ小さいうちから、そういうのをまあ普通に見ておけば、まあ自分がある程度そういう検診を受ける年齢になっても、こう違和感なく、抵抗なく、あ、お母さんもやっていたなっていうので、まあやってくれるんじゃないかなと思って、あえて、まあ隠したりはしないでおこうかなとは思います。