診断時:50歳
インタビュー時:63歳(2008年2月)
首都圏在住。1994年12月に両側乳がんと診断され、翌年1月に両側乳房切除術、術後抗がん剤治療を受けた。以後、外来にて経過を観察しながら、現在に至る。夫婦2人暮らし。診断された当時はパートで仕事をしていた。

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プロフィール詳細

首都圏在住のCHさん(仮名)は1994年12月50歳のとき、左胸に異常を感じた。あおむけに寝るとつれるような気がして、痛みがあり、奥のほうにはコリコリする硬いものがあった。姉に相談すると、近所の乳腺外来を紹介してくれたので、受診した。触診とマンモグラフィ検査で、すぐに乳がんであることが告げられる。青天の霹靂で非常にびっくりしたが、なってしまったものは仕方ないと思った。そして、医師から「どういう治療をするか、どこで手術をするかは自由ですから、自分で決めてください」と言われた。そのときに、「乳がんは10年診なくては…」という説明があり、この先生は10年診てくれるつもりだと感じ、第一印象に惹かれたのもあって、その先生に手術をお願いすることにした。

手術前の検査で、右側にも乳がんがみつかり、左のがんが転移したものであることがわかる。とにかく他に転移させたくない一心で主治医に「乳房だけで終わらせられるよう、先生のやりたい手術方法でやってください」と伝えた。乳房を切除することについて、子どもは成人しており、親としての役目が終わっていたので、迷いはなかった。

手術は1995年1月。両乳房切除術とリンパ節郭清術が行われた。リンパ節に転移が見られたということだった。術後は、抗がん剤治療を受けることになり、娘たちが同じ女性として不安を感じるだろうから、がんばって早く元気にならなくては、と前向きに治療に取り組んだ。そして、治療中ではあったが、体調的に可能だったため、パートの仕事も再開した。パート先では、ごく限られた人以外に病気のことは伝えずに過ごした。術後、ほとんど上がらなかった両腕は、日常生活の中でリハビリを行い、1年くらい経つと自然と上がるようになった。

両方の乳房を切除したことについて、家族も温かく受け止めてくれている。自分でも乳房を切除したから、女性でなくなったという気持ちはない。温泉に入るとき、自分は気にしていないが、周りに嫌な思いをさせたくないので、タオルを当てたり、角の洗い場で半身に構えて入るようにしている。

手術後、1回だけふと涙を流したことがあった。また、何か症状を感じる度に転移への不安を感じることがあった。しかし、心の支えとなったのは、家族とその頃、飼っていた犬だった。今は、無事に10年が経過し、自分の経験を何かに役立てたいという思いでいる。人それぞれであるが、過去の人生の経験があとになってその人の強さになると思う。自分は病気におかげで家族の絆や幸せを与えてもらったような気がしている。

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インタビュー03:体験談一覧