納得して参加するためには

目の前の患者さんの治療を目的とした日常診療と違って、臨床試験・治験は将来の医療の進展を目的としています。そのために、その試験に参加する患者さん自身には、メリットは少なくリスクが多い可能性もあります。

臨床試験や治験はあくまでも研究なので、患者も医療者に決定を委ねず、自分自身で十分に内容を理解・納得した上で責任をもって判断する必要があります。そのためには臨床試験参加の提案を受けた時には、十分に説明を聞いて疑問や不安を感じたことは遠慮なく質問し、十分な時間をかけて、十分に内容を理解・納得した上で参加するかどうかを判断することが大切です。

臨床試験・治験におけるインフォームドコンセント

日常診療におけるインフォームドコンセントは、患者さんが医師から治療法などを「十分に知らされたうえで納得して同意」することをいいます。臨床試験においても本質的にはそれと同じことですが、効果や安全性が確立されていない治療を受けることになるので、実施する側は患者さんがきちんと理解できるよう、十分な時間をかけて丁寧に説明をし、患者さんの意思を書面で確認しなければなりません。一方、患者さんが参加に同意しても、その後の検査の結果などで試験の条件に合わなくて参加できない場合があるというのも、臨床試験・治験ならではのことでしょう。

説明を受ける際に大事なこと

臨床試験の説明を受ける際に、医師やCRCへの遠慮や専門家に判断を任せるような姿勢で参加を決めてしまうと、参加してから後悔するような事態に陥る可能性もあります。説明を受ける際には、十分に理解・納得できるように不明な点は質問をし、十分に時間をかけて判断しましょう。

また、説明は一度だけではなく、必要であれば何度でも受けられます。いったん試験に参加することが決まってからでも、試験が終了するまで、不安や疑問が生じた時には医師やCRCから説明を受けることができます。

2016年11月公開

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