データベース構築の財源について
「健康と病いの語り」データベースを作るには多大な時間と労力が必要です。まず、調査スタッフが全国各地に出かけ、1つの病気につき50人前後の人にインタビューします。次に、1人平均2時間を超すインタビューを録音から文字に起こし、調査スタッフが専門的な分析を行う準備を整えます。さらに、分析をしながら数百個の映像や音声クリップを編集して、ウェブサイト上にデータベースを構築します。一連の作業には、調査スタッフの人件費を除いても1,000万円以上の費用がかかることになります。
これらの費用は、将来的には、英国DIPExと同じように、このデータベースの意義を理解して寄せられる善意の基金によってまかなうことができるようにする計画ですが、現在(2009年12月)は、主として、国からの研究費によってまかなわれています。乳がんと前立腺がんの「健康と病いの語り」データベースは、厚生労働科学研究がん臨床研究事業から3年間の研究費助成を受けて作られています。また、2009年秋から協力者募集が始まる認知症本人と家族の「健康と病いの語り」データベースは、日本学術振興会(科学研究費補助金基盤研究B)からやはり3年間の研究費助成を受けています。
国から研究費助成を受けた研究の成果は、国立保健医療科学院ウェブサイト内の厚生労働科学研究成果データベースや国立情報学研究所ウェブサイト内の科学研究費補助金データベースで見ることができます(但し、研究年度が終了してからの掲載になりますので、認知症の研究についてはまだ掲載されていません)。
【乳がん・前立腺がんの語りのデータベース】
厚生労働科学研究がん臨床研究事業
研究課題:がん患者の意向による治療方法の選択を可能とする支援体制整備を目的とした、がん体験をめぐる「患者の語り」のデータベース
研究代表者:和田恵美子(大阪府立大学看護学部)
【認知症本人と家族の語りのデータベース】
科学研究費補助金基盤研究B
研究課題:認知症本人と家族支援のための「健康・病・介護体験の語り」Webサイトの構築と評価
研究代表者:竹内登美子(富山大学大学院医学薬学研究部)
