臨床試験・治験の語りデータベース

研究事業名 平成24~26年度
科学研究費補助金 基盤研究(B)
研究課題 臨床試験参加者の語りデータベース構築と被験者保護の質向上に関する研究
研究代表者 武藤 香織(東京大学医科学研究所)
研究体制 下記別表

研究の主旨と進捗状況

現在、わたしたちが享受している最新の医薬品や医療機器、そして、検査や手術の方法などは、すべて、たくさんの患者さんが医学研究の被験者として参加し、協力してくださったおかげで生まれてきたものです。
このような医学研究を「臨床試験」と呼びます。

そして、日本では、医薬品や医療機器の製造販売に関して承認を得るための臨床試験については、特に「治験(ちけん)」と呼んでいます。

臨床試験・治験については、第二次世界大戦中にナチス・ドイツや旧日本軍が行った人体実験への反省に立ちながら、国際的に共通するルールを定めることになりました。
その後、数十年間をかけて、アメリカ、EU、日本を中心に、実施方法の規則や基準が定められ、諸外国に普及してきた経緯があります。

臨床試験・治験は、患者さん本人のためではなく、将来の医学の発展のために行われることをはじめとして、通常の治療とは異なる様々な特徴があります。

しかし、臨床試験・治験にかかわった患者さんの声を体系的に集めた取り組みは見当たりません。そのため、主に専門家の間の議論で築かれた実施体制が、患者さんからみてどのように映っているのかについては、十分な情報が蓄積されていません。

そこで、この研究班では、臨床試験・治験に何らかの形でかかわった患者さんの体験を「語り」としてできるだけたくさん集め、それらを分析することによって、現在の制度や情報提供のありかたを見直し、よりよい被験者保護のありかたとは何かを考えることを目的としています。

そのため、臨床試験・治験に参加し、試験が終了している方だけに限らず、
①打診・説明を受けたが、断った方、
②参加したけれども医師の判断により中止となった方、
③参加したけれども、何らかの理由でご本人から中断の申し出をして中止となった方、
④参加の意思はあったが、基準にあわず参加できなかった方など、
様々な方の体験を集めることにしています。

厚生労働省では、2012年3月に「臨床研究・治験活性化5か年計画 2012」を発表し、日本の国民に医療上必要な医薬品・医療機器を迅速に届けること、日本発のシーズによるイノベーションの進展、実用化につなげることを目指す一方で、国民・患者への普及啓発を充実させ、国民・患者の視点からよりわかりやすい内容とし積極的に取り組むと約束しています。
このデータベースが、こうした政策を充実させる力となる日を目指して、研究を実施しています。

研究体制

区分 氏名 所属・職(専門)
研究代表者 武藤 香織 東京大学 医科学研究所 公共政策研究分野
分担研究者 有田 悦子 北里大学 薬学部 薬学教育研究センター 医療心理学部門
連携研究者 氏原 淳 北里大学 北里研究所病院 臨床試験部
  〃 隈本 邦彦 江戸川大学 メディアコミュニケーション学部
  〃 黒田 佑次郎 東京大学 医学部付属病院 緩和ケア診療部
  〃 小原 泉 自治医科大学 看護学部
  〃 後藤 惠子 東京理科大学 薬学部
  〃 田代 志門 昭和大学 研究推進室
  〃 津谷 喜一郎 東京大学大学院 薬学研究科 医薬政策学講座
  〃 中野 重行 大分大学 医学部 創薬育薬医療コミュニケーション講座
研究協力者 射場 典子 NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン
  〃 佐藤(佐久間) りか NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン
  〃 田辺 記子 北里大学 薬学部 薬学教育研究センター 医療心理学部門
  〃 中田 はる佳 国立循環器病研究センター 予防医学・疫学情報部 研究倫理研究室/東京大学 大学院新領域創成科学研究科 メディカルゲノム専攻 後期博士課程
  〃 別府 宏圀 NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン
  〃 吉田 幸恵 東京大学 医科学研究所 公共政策研究分野
  〃 渡邉 達也 北里大学 北里研究所病院  臨床試験部