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診断時:70歳
インタビュー時:72歳(2009年2月)

診断を受けたときには、近畿地方在住で、妻と2人暮らし。2006年秋、健診でPSAが5.6と出たので、近隣の公立病院で精密検査を受け、がんと診断された。この病院では手術を勧められたが、小線源療法を希望して受診した大学病院では、様子を見るよう勧められた。迷ったが、大学病院の医師に信頼を感じて、待機療法を選択。現在は1ヵ月半に1回通院しながら経過を見ている。子どもたちが孫とともに近くに住んでいる。

語りの内容

だから、うん、僕は思ったけど、今、痛いこともかゆいことも何もないからと言いながら、もう帰りしな、病院から出たら、もうけろっと忘れてます。一切考えることないし、またそれのための、何々食べたらいいとか、何々飲んだらいいとかっていう話がありましたけど、それも一切やってません。

はあ。じゃあ、あのう、がんにかかられたからということで、こう生活、食生活が変わったりとか、なんか、そんな…。

それはないですね。

ないですか。

はい。お酒も飲みますしね。やっぱりずっとスポーツ、ゴルフの打ちっ放し、それとマウンテンバイクね。で、走っておりましたしね。で、実際に僕が本当に前立腺がんにかかっているんかな?ということをふっと考えることがあります。なぜ、こんなに健康なんかなと思って。そういうものがありますね。ですから、まああのう、こういう病気にかかられた方が、全てが僕みたいな方々じゃないと思うんで、まあそれぞれのね、あのう、生活の中にいろんなものを背負っておられる方もおれば、単に病気を持っておられる方もおられるでしょうし。あのう、なんですけれども。まあ僕はその、とにかく次の日、予約で決まったら、ふっと思い出すだけで、それも下手したら晩に思い出して、明日、朝行かんならんっていって思い出すぐらいで…
人生ね、自然が、川が流れるようにね、逆らっても流れます。どーしてもそれに勝つことできないですわ。ねえ。せめて、僕が今まで勝った言うたら、タバコぐらいですわ。やめら、やめたんがね。昔、だから、だから…どうですかね。やっぱり前立腺がんのためにっていう食べ物とか、あるいはそういうふうなものを考えたことは一度もないです。僕がもしも考えたとしても、女房が忘れて作らしませんわ。うん、けろっと忘れてますわ。
そう、あのね、病気のこと考えるんやったらね。その前に遊ぶことを考えたらいいと思います。これが一番ベターやと思う。病気のことを考えるとね、あのう、こもってしまうでしょう、人間。外へ出ることもおっくうになってくるでしょう。ね、ついつい、何も、何すること、何することもおっくうになってきて、自分はただ生きているいうだけになってしまいますよ。だから、取りあえず、あのう、目標を作って出る、いうこと。もうこもったら、もうこれは、もう病気を引きずってしまうと思うわ。内臓の奥まで引きずってしまうと思う。歩いたり何だり楽しいことを目標に前へ前へ行ったら、中から向こうへがんを放り出していくわ。あんたにあげるわ、ほら。うん。

私は: です。

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