※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。

診断時:69歳
インタビュー時:80歳(2008年9月)

東北地方在住で、妻と2人暮らし。自営業を営む傍ら、様々な地域活動の役を担い、多忙な毎日を過ごしていた。1999年、偶然目にしたがん検診ポスターに触発されて検査を受け、がんと判明。情報を集め、知人の医師から聞いた放射線療法(高線量率組織内照射)を受けようと渡米を決意するが、同じ治療が国内で受けられることを新聞で知って、自ら申し入れて治療を受けた。それから11年、現在はホルモン療法で経過を見ている。

語りの内容

直接照射、要するに放射線治療するんですが、これは場所的には、おちんちんと肛門の間、非常にこの狭い範囲内に、針の長さが24センチ、これを12本刺して。これ刺しっぱなしです、6日間。そして、初日は1回。2日目も1回だったかなあ。
でもこれも、おれは、12本、こんなに24センチの長さの針を12本刺したといっても、これ、麻酔してやりますんで、特別痛さっていうのは感じないんですよね。で、それを、治療を始めてから、6日間で9回、量的に先ほど申し上げた54グレイというキャパ。終わるまでは針は抜きません。ですから、もうベッドに寝て、もう体が動かせないんです。

――つらいですね、そういう体勢は。

うーん、つらさというよりもね、これは僕がそのアメリカ行って、ね、受けようと思っていた治療を国内、B県(近畿地方)で受けられるんだと。で、自分が希望した療法ですから、つらさといって…なかったですよ。僕は6日間*、ベッドにいたっきりで、(同席している妻に向って)あんたに不平不満言ったことなかったもんなあ。うん。ただ、寝返り一切打てないんですよ。それはちょっとつらかったなあ。

――何か、こういうふうにして楽にしようとしたとか、対処されていたことは?

それはもう事前に「6日間、体は動かせません」と。「場合によると、ひもで体を縛ることも考えられるけれど、どうしましょうか」と言われたので、「いや、先生のご指示のように、動くなと言ったら、絶対に動きません」「寝返りどうするの?」って言うから、「寝返りも、だから我慢します」。とにかくベッド、普通のベッドですよ。まあ大学だから、ものすごい立派なベッドなんですけれど、要するに普通のベッドです。そこにこうやってあおむけになって、だからこの人(妻)付きっぱなしで、「お水くれ」「うん」、「あれ、食べたいよー」「うん」、「ああしてよ」…汚い話で申し訳ないけど、「おしっこ出るよ」、もう(カテーテル)さしっぱなしですけれど、だから要するに、瓶を確認してくれということだけ。とにかくあおむけで体は一切動かせません。

* 治療に要する日数は、現在大幅に短縮されています。

私は: です。

(アンケート結果の扱いについては個人情報の取り扱いについてをご覧ください。)

認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

ご支援
ご協力ください

モジュール一覧