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診断時:65歳
インタビュー時:68歳(2014年1月)

首都圏で妻と二人暮らし。長く銀行員として勤め、現在は企業コンサルタントとして、様々な会社で役員や相談役を務めている。50代から前立腺肥大の治療を始めたが、PSA値が下がらない状態が続いていたため、定期的に検査を受けていた。細胞診を2度受けたが、がんは見つからず、そのまま8年ほど経過。一度ちゃんと調べたいと思い、遠縁の医師を頼って採取本数を増やした3度目の細胞診を受け、その結果がんが見つかった。医療コンサルタントの友人に相談し、セカンドオピニオンを希望。その病院が、たまたまロボット手術を先駆的に行っていて、出血のリスクが低いという説明を聞き、当時は先進医療で高額ではあったが、即決。術直後の痛みと苦しみはひどかったが数日で回復し、術後2年が経過した今では尿漏れもほとんどなく、PSA値もゼロのまま、半年に1回のフォローを受けながら、普通の生活を送っている。

語りの内容

―― 実際、その先生とお話をして、ロボット手術ということを決心された、その辺の経緯をもう少し詳しく教えていただきますか。

えーと、先生に、まあだから、あの、そうですね、ちょっと補足すれば、えーと、ロボット、あの、ロボット以外の手術の仕方、えー、つまり従来のやり方ですけど、それはどこの病院でもたぶんやってることで、いわゆる腹腔鏡といって、あの、穴をお腹に開けて、そこから、何ですかね、メスを入れて、で、何本かメスを入れて、それで先端で、レーザーのようなのを使って切ったりするんだろうと思うんですね。その手術の説明を聞いたんですよ、その最初の先生から。で、そのときにこういうことを言われたんですね。いや、この手術はもちろんそんなに今までも、たくさんやってるから特に問題はないんですけど、ただし、若干リスクがありますと。それはどういうリスクかというと、いわゆる出血リスクなんですね。で、それはどういうことかというと、前立腺というのは、あの、こういうことを言われました。前立腺そのものは、あのー、ミカンのようなものです、というんですね。ミカンは、皮をむいたときに、中にずっと白い、あの、さらに、あの、膜がありますねと。あれが全部毛細血管だと思ってくださいと。あのぐらい毛細血管に覆われている臓器なんですと。それを取るときに当然毛細血管を切ってしまう可能性が十分ありますと。十分と言ったのかな、ありますと。そうするとどうしても出血は避けられませんと。出血に備えて血液をあらかじめ用意しなきゃいけませんと、輸血用に。それはご自身の血液をあらかじめ採っておきますと。 だから、その手術の前の1週間、もっと前かな、2回に分けて、血液をあらかじめ採っておく(※)というんですね。それで手術を行いますと。万が一出血した場合には輸血を行います、こういう話だったんです。つまり、出血というのはやっぱりどうしても避けられませんという話があった。それはちょっとな、確かに、でも、しようがないなと。そういうもんだろうなと思ってたんですね。ところが、ロボット手術の話を聞いたときに、ロボット手術の先生は、出血例は、今まで四百何十例やりましたけれど、1例ぐらいしかありませんと言うんですよ。ええ?と。まずわれわれのロボットであれば、あの、出血はまず、全くないとは言い切れませんが、ほとんど今まで私の経験ではないですと。ええっ?という感じですよね。ただ、もちろん、念のため輸血の用意はしますと。ご自身の血液。それもわずかな量で結構ですと。そういうことで、結局、出血の問題がちょっと本人としては一番気になったですね。したがって、まあロボットにしたほうがいいのかなと。

※前立腺がんの腹腔鏡下手術では、800~1200㏄の自己血を貯血しておくことが多く、ロボット手術では400㏄程度が一般的です。

私は: です。

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