冷凍手術

冷凍手術(叉は冷凍切除)はまだ実験的な段階の治療で、現在はその安全性と効果について検討する臨床試験が進められています。冷凍手術は超低温を利用して、前立腺やその回りのがん細胞を破壊する方法で、超音波画像と温度モニタリングを組み合わせて行う手術です。冷凍手術には全身麻酔か硬膜外麻酔が使われます。超低温から尿道を守るために、暖かい液が還流する細いカテーテルを尿道に挿入します。そして6〜8本の細長い凍結探針が小さな切開創から前立腺の中に挿入されます。液体アルゴンという物質が凍結探針の先端を環流します。これが冷却プロセスの始まりで、凍結探針がその先端の周辺にある組織を左右対称に凍結していき、最終的には前立腺全体を凍結するのです。摂氏マイナス40度まで冷やされた組織は破壊されます。大体10分程度で最初の凍結サイクルが終了し、さらにもう一度、全てのがん細胞が完全に破壊されていることを確実にする為に施術が行われます。冷凍手術の終了後は、患者は一晩病院に泊まることもできますが、その日の内に帰宅することも可能です。帰宅する患者も、術後1週間ぐらいは排尿を助けるために尿道カテーテルを付けている必要があります。

患者によっては冷凍手術の直後にかるい腫れやうずきを経験していますが、長期的な合併症としては、インポテンス(勃起障害)(注釈2)、失禁、直腸の損傷などが考えられます。この治療法はアメリカでは使用されていますが、イギリスではまだ新しい療法とされていて、NHS(イギリスの国民保険サービス)ではあまり広く利用されていません。現時点では、冷凍手術のための財源は、一部国民保険サービス、一部患者支援団体からの寄付によって賄われている状態です。冷凍手術の経験を語っている2人の男性(うち1人は他の理由ですでに精巣摘除術を受けていたのですが)は、前立腺がん治療の第1選択として冷凍手術を選択していました。しかしながら、冷凍手術は放射線治療が効かなかった場合とか、もう他に治療の選択肢がないという場合にも使うことができます。まさにそのような立場に置かれていた別の男性も、同様に英国内での冷凍手術の経験を語っています。