家族への影響

殆どの患者さんが、前立腺がんの診断について、自分の家族に知らせたと言っています。医師が患者さんに診断結果を伝える場に妻たちも同席することが多く、同席していなくてもすぐに知らされていました。しかし、ある患者さんは心配を掛けまいと思って、親戚の何人かの人たちには知らせないことにしました。また、家族の関係は何ら変わるところはなかったと言う患者さんもいましたが、その診断によって、家族間の相互作用に一定の変化が生じたと話す人もいます。例えば、ある患者さんは自分の兄弟が診断を聞いて動揺して、一切の付合いを避けるようになったと報告しています。そして別の患者さんは子供たちが診断のことを知ってからと言うもの、聞き分けがよくなり、あまりわがままを言わなくなったと述べています。しかし、中には成人した子供たちですら、診断の本当の意味を理解していなかったと話している人もいます。

家族の中でも、本人が過去にがんの経験をしていたり、病気に対する知識があったりした場合には反応の仕方が違って来ます。ある患者さんは一番身近な家族の中でもそれぞれが違った反応を示したと話しています。多くの人が妻や子供たちがその知らせを聞いてかなりのショックを受けていたと述べ、またある人は彼自身ががんについて話したがらなかったので、妻や子供たちはかなり悩んでいたと言っています。

他の人に病気のことを伝えるのは、ある意味ではいい経験だとも言えます。なぜなら、状況を他人に説明することで不安が軽減することもありますし、家族の愛情や支えを得ることもできるからです。妻の前向きな態度が、診断結果を受け入れるのに役だったと話す人や、彼の病気の宣告が夫婦の間の絆をいっそう深めたと話す人もいました。