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インタビュー時:50歳(2017年2月)
疼痛期間:20年
診断名:右脳被殻出血、右顎関節症。
甲信越地方在住の女性。一人暮らし。45歳の時に脳出血により、左半身不全麻痺になり、現在も左半身全体に強い痛みとしびれがある。強い痛み止めを飲んでいるため、足の指の骨折にも気がつかないほどである。さらに20年来の顎関節痛があり、口腔外科も受診している。現在は、頓服の痛み止めを使い、訪問看護などのサポートを受けて日常生活はなんとか自立できている。就労支援の一環で、革で小物を作る作業をしており、好きなことに集中していると一時でも痛みから気をそらすことができる。
――今は週に2回で、あの、理学療法士の方から、あの、えー、みてもらっているということなんですけど、その理学療法士さんたちはどんな感じですか。
あの…こういう体ってね、あの、何ていうのかな…終わりがないんですよね、この痛みにもね。その痺れにもね、今の状態だとね。私が受けている治療だとね。でも、あの、お年寄りと同じで、その一生続く不自由さ、不都合さ。不自由さというより不都合さですよね、体の動かないところの。それを、こつこつ、こつこつ、ちょっとずつでも動かしていれば、全く動き止まっちゃうわけじゃないから頑張ろうっていう、あの、必ずその、何ていうか、維持する、維持できてる、あの、落とさないっていう効果として、こつこつ、こつこつにつき合ってくれるんですよ。それが効果。維持できてるっていうこと自体が効果。それ以上動かなくなっていくということもね、ない――ないっていうのも変ですけれども。
インタビュー37
体験談一覧
- 理学療法士が定期的に握力や痛みの度合いを測定してくれるので、自分でもそれを数値で確認することができて、リハビリを努力しようという気持ちの支えになっている
- 顎関節症で顎に負担がかかっており、肩・首も痛く治療を始めた。その後、右被殻出血になり左半身不完全麻痺が出て、顎関節由来の痛みがひどくなり、なかなか治らない
- 体を壊したことで、引っ越しを余儀なくされたり、ヘルパーやデイサービスなど余分な出費が増えた
- 動かすのはつらいが、動かさないことへの恐怖、プレッシャーがあり、やり過ぎて余計に壊してしまうことも。リハ仲間は「やり過ぎないで」と声をかけてくれる
- 理学療法士は、終わりのない不都合さを抱える自分に、こつこつ動かして身体が維持できるように付き合ってくれる存在。維持できることが理学療法の効果
- 介護保険で運動主体のデイケアを週2回利用。痛みの一日が始まると思うと、固まって動きたくない…とも思うが、動くと痛みは軽くなり、動けることが喜びになっていく
- 顎関節症の治療の一環として、うつ系のカウンセリングの紹介を受けたが、内にこもっていく、合わないタイプのカウンセリングだった