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インタビュー時:50歳(2017年2月)
疼痛期間:20年
診断名:右脳被殻出血、右顎関節症。
甲信越地方在住の女性。一人暮らし。45歳の時に脳出血により、左半身不全麻痺になり、現在も左半身全体に強い痛みとしびれがある。強い痛み止めを飲んでいるため、足の指の骨折にも気がつかないほどである。さらに20年来の顎関節痛があり、口腔外科も受診している。現在は、頓服の痛み止めを使い、訪問看護などのサポートを受けて日常生活はなんとか自立できている。就労支援の一環で、革で小物を作る作業をしており、好きなことに集中していると一時でも痛みから気をそらすことができる。
実際その…、あの、今の生活、体を壊したことよって、治療費もそうだけれども、その生活自体を変えなきゃいけなくなっちゃったし、収入の道も、あの、障害っていう認定を取らなければ年金ももらえなかったしね。うん。…痛いですよね。うんと、失業手当も出ない状態でして…出ないし。うん。で、そうだな。引っ越しも、何ていう、5階建ての5階のところに住んでたんだけど、引っ越しもしなきゃいけなかったりとか。あの、暮らせない。もう登れないからとか。そういうようなことの何ていうか、余分な出費(笑)もね。致し方ない余分な出費も出てきちゃう。もう介護保険とかだって、ヘルパーさん使わない体だったらば、そんな負担だってデイサービスの金額だって、かからないで済んだっちゃ済んだと思うんですよね。
でも、そういうものを払いながら暮らしていくにしても、やっぱり何ていうの、年金は生きる最低限で、暮らすっていうところにまで至らない金額の中で、ぎりぎり何とか頑張るっていうところになっちゃうから。少しでも何か働かなきゃいけないっていう何ていうか、プレッシャー。でも、それがこういう痛みとか、体動きづらいっていう波の中で、それとも闘いながら、そのプレッシャー、なんか悪循環でやっぱり気持ちも沈むし。うんと、でも、やっぱり、そんな痛い、痛いだけで休んでいたら首切られちゃうし、また収入の道なくなっちゃうしとかね、そういうふうになっていくから。やらなきゃ、やらなきゃになると、みんなから飛ばし過ぎって言われちゃうし(笑)。うん。でも、それでもやらずにいられ――やらなかったら、じゃあ、誰がどうしてくれるのっていうと、誰もどうしてもくれなくて、のたれ死ぬしかなくなっちゃうって、自分に、何ていうか、ね、叱咤するというか。うん。お尻たたいて、何とかっていうところしかなくなっちゃっているけれども、本当。うん。切り詰めますよね。そうすると豊かさって何だろうって思ったりするけれども。
インタビュー37
体験談一覧
- 理学療法士が定期的に握力や痛みの度合いを測定してくれるので、自分でもそれを数値で確認することができて、リハビリを努力しようという気持ちの支えになっている
- 顎関節症で顎に負担がかかっており、肩・首も痛く治療を始めた。その後、右被殻出血になり左半身不完全麻痺が出て、顎関節由来の痛みがひどくなり、なかなか治らない
- 体を壊したことで、引っ越しを余儀なくされたり、ヘルパーやデイサービスなど余分な出費が増えた
- 動かすのはつらいが、動かさないことへの恐怖、プレッシャーがあり、やり過ぎて余計に壊してしまうことも。リハ仲間は「やり過ぎないで」と声をかけてくれる
- 理学療法士は、終わりのない不都合さを抱える自分に、こつこつ動かして身体が維持できるように付き合ってくれる存在。維持できることが理学療法の効果
- 介護保険で運動主体のデイケアを週2回利用。痛みの一日が始まると思うと、固まって動きたくない…とも思うが、動くと痛みは軽くなり、動けることが喜びになっていく
- 顎関節症の治療の一環として、うつ系のカウンセリングの紹介を受けたが、内にこもっていく、合わないタイプのカウンセリングだった