※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
インタビュー時:年齢非公開(2022年1月)
関係:父
医療的ケアのある子:長男6歳
妻と長女(10歳)、長男の4人家族。
長男は生後直後から、哺乳力が弱く経鼻栄養を開始した。
現在は少し口から食べることも可能だが、一日2回の経管栄養が必要である。
妻は外勤で、自分はIT系で在宅中心の仕事のため、家事・育児、子どもの入院付き添いなどは自分が担うことが多い。
突然の息子の入院で自分の生活は何一つ自由にならなかった経験も数度ある。
その中で、ITで子どもの気持ちを理解し、家族がもっと楽にケアできる環境づくりができないかを考えるようになった。
語りの内容
普通だと就学前健診って来るでしょ、子どもさんって。
あれもね、うち来るんですよ。だから、データベースがないんだろうね、不思議な話。
(普通学校の)就学前健診とか受けに行くはずないんですよ。
でも、医療ケア児ママあるあるですよね。
一律、(通知が)届いちゃうんで、地元の小学校に来てくださいみたいになるわけですよ。
役所に問い合わせると、「私の子どもは地域に行かないんで、おたくの小学校行きません」ってことを校長先生に電話してくださいって言うんですよね。
まあ、それはいいと。
で、就学前健診も連絡来るけど行きませんってこっちから言わなきゃいけないの。
いや、そんなんもう、養護学校っていうか、うち早くからそういう施設にいるんで、ヒアリングぐらいないのって言ったら、コロナ禍だからっていう影響もあったんだけど、意外と行政は普通の小学校に通って当たり前って感じの制度設計になってる。
養護学校に行くためのプロセスとか、健診の仕方とか、行くとなると、今度は送迎バスがあるかないかとか。
それにカーシートって、子どもの場合、専用のシート作んないと車乗れないんですよね。そのカーシートを発注しなきゃいけないの。
バスに自分専用のシートを乗っけてあげなきゃいけないんで、作んなきゃいけないんです。
それはそういう専門の会社に作ってもらって、役所に申請して補助出るんだけど。
たまたま僕はそういう通園先があって、ほんとに優秀なね地域支援員さんがいたんで、そろそろこういう補助金でね、こういう車椅子が作れますよーとかって言ってくれるんですよ。
でもね、役所と一緒で聞かないと言われないんですよ、基本この世界でもね。
うちの場合が、顔が見えてるからそろそろって声掛けてもらって、ほんと、地域支援員さんってめちゃくちゃ忙しいんですよね。書類仕事が多分。
日常的に忙しそうなんで、あんまり、これから子どもどうしたらいいですかねーみたいな相談がなかなかできない。
子ども預けた瞬間にいたら、すいませんって聞いて、市役所の書類ってこれどうしたらいいんですかねみたいな話から言うと、市役所が(書類)めちゃくちゃ多いじゃないですか。
で、難解だし、いろんな部署に提出しなきゃいけないし、養護学校に行くとなったときに、どの役所にそれを相談したらいいか分かんないんです。
それってもうみんな毎年、同じなんだから、テンプレート化してよっていつも言うんです。
3月には役所の人との就学面談がある、ないとかね。
インタビュー35体験談一覧
- 地域の学校に行かせるか意向を聞かれたが、受け入れに前向きではない普通学校より特別支援学校のほうがいいと思った (テキストのみ )
- 通学手段や準備について親切な地域支援員が教えてくれたが、基本的に情報がなく、行政の中での連携不足を感じる(テキストのみ)
- 入院時に親は付き添うのが当然のように言われる。仕事の都合はそっちのけで、不自由な生活を強いられることに驚いた(テキストのみ)
- 療育センターを見学し、たくさんのアクティビティと同時に細かなケアに対応するスタッフの姿勢に感激した(テキストのみ)
- 療育センターの見学で、反応がないように見える子に、歌を歌おう、絵を描こうと明るく接するスタッフに衝撃を受けた(テキストのみ)
- 子どもの笑顔を見たくて笑わせる方法を考えてしまう。上の子と先に弟を笑わせたら勝ちという勝負をするのも楽しい日常だ (テキストのみ)
- テクノロジーで誰もが在宅ケアの管理ができる体制を整えたい。そのためには社会制度も変えていかないといけない(テキストのみ)
- 温度、湿度、気圧、子どもの動きをモニタリングして室内をよい環境を保つことができるようデータを蓄積している(テキストのみ)
- 家族で気軽に外出したいとキャンピングカーを購入した。移動や宿泊の手間がなく、災害時対応としても手ごたえを感じる (テキストのみ)