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お知らせ

公開シンポ「病気や障害を持っても安心して暮らせる社会を目指して~患者体験学の創生」の記録ビデオを公開しました。

公開シンポジウム
病気や障害を持っても安心して暮らせる社会を目指して
~患者体験学の創生 Part2~

2016年7月3日、東京大学・弥生講堂にて、「病気や障害を持っても安心して暮らせる社会を目指して~患者体験学の創生Part2~」と題した、公開シンポジウムが開かれました。

「患者体験学って何?」と思われる方がほとんどだと思いますが、DIPEx-Japanが設立時より目指してきたのが、患者の「体験知」を集積して、社会資源として活用することです。私たちの活動に限らず、世の中にはたくさんの「病いの体験知」がありますが、まだそれを社会全体で共有して、活用する仕組みやノウハウが蓄積されていません。それをみんなで考えていこう、というのが、「患者体験学」です。

これは決して専門家が素人の言葉を分析して学問するというような意味合いではなく、むしろすべての人が「生・老・病・死」の当事者として、自らの体験知を「献血」して、その知=血液が必要とされる人の元に届き、人や組織を元気にしていくような仕組みを作っていこうという意味合いのものを考えています。

まだまだ抽象的ですが、英国ではDIPExを生み出したオックスフォード大学を中心に、Health Experience Researchという新しい学問領域が育ち始めています。税金を原資とした公費負担医療を提供している英国らしく、国民・納税者にとっての「納得の医療」を実現するために、ケアを受ける人の体験知を生かそうという姿勢があります。

2025年問題を抱えたわが国ではいま、地域包括ケアシステムの構築が急がれていますが、どうもケアを受ける当事者が置いてきぼりになっているような気がしてなりません。そこで、本シンポジウムでは異なる立場の人々が、ケアを受ける当事者が自らの声をケア提供者に届けることの重要性について話し合いました。

第1部では血友病患者であり、薬害の被害者でもある、当事者の立場から政策提言をしてこられた川田龍平さんにご自身の経験を語っていただきました。第2部では医療における体験知の活用に、介護や福祉を含む地域包括的な取り組みも含め、当事者の視点から暮らしやすい社会を作っていくための患者体験学のあり方を、多角的に議論しました。

日時 2016年7月3日(日)13:30~16:40
場所 東京大学農学部・弥生講堂
主催 認定NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン

7月3日(日)公開シンポジウム「病気や障害を持っても安心して暮らせる社会を目指して~患者体験学の創生 Part2~」

 

※このビデオは録音状態が悪く、一部音飛びがあります。ご容赦ください。

第1部:基調講演「患者体験に根差した医療政策の実現」

川田龍平さん 参議院議員・東京薬害HIV訴訟原告・民進党ネクスト厚生労働大臣

第2部:パネルディスカッション「患者体験学の確立に向けて」

モデレータ:隈本邦彦さん(江戸川大学メディアコミュニケーション学部・教授)

パネリスト:

 ①患者体験学とは何か
 佐藤(佐久間)りか(NPO法人ディペックス・ジャパン事務局長)

 ②患者体験で臨床が変わる
 上原弘美さん(サバイバーナースの会・ぴあナース代表)

 ③患者の語りから学ぶ医療者教育
 森田夏実さん (東京工科大学医療保健学部・教授)

 ④医学研究における患者体験の意味
 別府宏圀(NPO法人ディペックス・ジャパン理事長・薬害オンブズパースン会議副代表)

 ⑤保健医療への患者参画 
 松繁卓哉さん(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部主任研究官)


(音が飛んでいます)

 

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