大腸がん検診の語り

インタビュー30:プロフィール

本間さん(仮名)は若い頃には企業健診を受けていたが、その後国保となって自治体健診を受けたり、夫の扶養家族に入っていて主婦健診を受けていた時期もあった。現在は、国保加入なので自治体が行っている特定健診を受診している。そこに検便も付いており、特に拒否する理由もないので、受けるようにしてきた。
実は昨年、検便で陽性になり精密検査が必要と通知された。何軒か内視鏡検査を受けることができる病院があったが、比較的行きやすいところにある病院を選んで受けた。内視鏡を入れる場所が場所だけにそれなりに身構えて受けたが、麻酔をかけなかったにもかかわらずあまり痛みを感じることはなかった。むしろ、生まれて初めて自分の腸の中を見ることを興味深く感じた。幸いポリープはなく、出血は肛門付近にある痔のためではないか、と医師に言われた。その前年にも、お腹の中のものが出きっていない感覚があり、それを言ったら一度内視鏡検査を受けたらどうかと勧められていた。けれども、便潜血検査の結果が陰性だったため受けることはなかった。今回内視鏡検査を受けようと思った理由は、便潜血検査で陽性になり自覚症状があったことの他に、その頃母に初期の大腸がんが見つかり切除したこともあると思う。
内視鏡検査は、胃カメラを挿入するのに比べると、自分にとっては楽な検査だったし、腸の中を一度カラにしたせいか、その後調子がよくなったように思う。大腸の中を興味深く見られたのは、自分と体のつながりを意識したいためかもしれない。過去に子宮筋腫の手術をうけたときも、摘出した腫瘍を夫にデジカメで撮影してもらった。
子宮筋腫の経験は、その後の自分の体を考える上で大きな影響を与えた。最初に行った病院では、子宮を取らなくては良くならないと言われたが、その後患者会に入って患者同士で情報交換し、新たに診てもらった先生は子宮を残す治療をしてくれた。子宮を取るのは絶対に嫌だという感覚に従ったのは良かったと思う。患者会の電話相談員として相談を受けていたこともあるが、そこで気持ちと体の行き違いが起こって辛い思いをしている人たちの話も聞いた。検診を受けること、早期発見することは大切だと思うが、自分の体の感覚に従うことを優先するのは間違いだとは言い切れないと思う。
家族や友人と美味しいご飯を食べられることが幸せだと感じているので、健康のために取り立てて何かをしているというわけではない。ただ、考えることばかりで体を動かさないとバランスがとりづらくなるという実感があるため、ウォーキングをしたり不定期にヨガに通ったりしている。ヨガの仲間とは体の調子について話すこともある。ただ、病気ではなないのだろうけど体調がちょっと気になるときに、ポッと行けて検診を受けられたり不安を受け止めてくれるような機関があったら良いと思っている。それは何科何科と分かれていない、アメリカのプライマリーケアのようなオープンな場所になるのかもしれない。