このたび、障害学生の語りの一部を引用した「障害者が働くことに理由が必要なのか~介助付き就労をめぐる当事者の経験から」が、2025年3月発行の尚美学園大学総合政策研究論集に掲載されました。
この企画は、障害学生の語りを作成した瀬戸山、医療的ケア児の家族の語りを作成した畑中綾子が中心となり、DIPEx-J運営委員の菅野摂子さん、当事者の岩岡美咲さんに声をかけて、2024年保健医療社会学会のラウンドテーブルディスカッションで行われた障害者就労をめぐる議論をまとめたものです。
当事者である岩岡さんが、「なぜ障害があるのに働きたいの?」と問われた実体験をもとに、重症心身障害のある人が介助をつけて働くことの制度上の困難への疑問を投げかけるものとなっています。岩岡さん自身の経験のほか、障害学生の語りのうち3名の方の経験も紹介されています。
2025年5月23日には、上記の困難を生んでいる、告示523号(注)の撤廃を求める集会が国会で行われたようです。
論文は下記のウェブサイトからPDFでダウンロードすることができます。ご関心のある方は、ぜひ、お目通しいただければ幸いです。
尚美学園大学学術情報リポジトリ
医療的ケア児の家族の語りモジュール責任者 畑中綾子
注)告示523号とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(2006年厚生労働省発出)のことで、
「第2 重度訪問介護
1 重度訪問介護サービス費
イ重度訪問介護の中で居宅における入浴、排せつ又は食事の介護等及び外出(通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く)」(太字筆者)
となっており、通学や就労に介助者が利用できないという問題を招いている。
国会でのイベントについては、以下天畠大輔参議院議員のHP等で内容をご覧いただけます。
報告②当事者からの事例報告「5.23院内集会 介助をつけての社会参加の実現に向けて -告示523号の撤廃を!-」(2025年5月23日) | 参議院議員 天畠大輔 公式サイト