投稿者「dipex-j」のアーカイブ

英国人の乳がんの語り

手術の前にどんな気持ちだったかを語っている

それまで、ことの重大さに気づいていなかったと思うの。病連に迎えが来て、車椅子に乗せられて、麻酔室へと連れて行かれたの。その時、これから何が起きようとしているのかピンときたわ。
「この次、目が覚めたときにはもう、片方しか胸がないのね。」そう思ったの。そしたら涙が出てきてしまって。執刀医を含め、みんな周りにいたのに。だけど彼らの対応は、とても素晴らしかったわ。私は、「これから何が起こるかがようやく分かってきたみたい」って言ったの。そしたら先生は、「大丈夫。何も心配はいらないよ。」って言って安心させてくれたの。彼らは素早く私をねむらせてくれたわ。痛みは全くなかったし、何をされているのか分からなかったくらい。彼らは本当に素晴らしかったわ。そうね。それが本当に実感がわいた時ね。

英国人の乳がんの語り

なぜ2度目の乳房切除を選択したかについて説明している

実は私のほうから「もう一方の乳房も切除術を受けることはできないのでしょうか?」と3年前にたずねたのです。乳房に心配を抱えて過ごすのは気の晴れないことだったからです。私は、自分で自信がなかったのです。再発におびえていました。そのことで失望したくなかったのです。
この時は前ガン状態だったので、小さな部分切除を受けました。その部分はいわゆる異型細胞だったのです。けれども、その切除部分の中央に、いわゆるDCIS、が見つかりました。非浸潤性乳管ガンというもので、スクリーニングで多くの人が発見されています。DCISはかなり早期のガンです。そのため、このとき、乳房切除術を行うことに医師達は同意しました。それで、ちょうど1年前に2度目の乳房切除術を受けました。乳房切除術を受けるのは多くの人たちにとって怖いことだと知っていますが、私が決めたことですし、お陰さまで、手術を受ける前よりも安心を感じています。

英国人の乳がんの語り

18 年前に受けた乳房切除術は彼女が受けた唯一の治療であることを説明している

担当の先生はこれからどんな治療をするのかについて本当によく説明してくれました。私が受けることになる乳房切除術がどんなものかについてです。私は、来週休暇を取っているので手術はその後にしてもらえないだろうか、と尋ねました。先生は、「とんでもない、明日入院していただきます」と言いました。そして実際その翌日に入院し、さらに次の日手術を受けたのです。
 しこりを見つけてから切除するまで、2週間と経っていませんでした。よかったと思います。でもその時はガンがリンパ腺に転移してしまっていないか心配でした。なぜか、もしリンパ腺がやられたら、私はもう終わりだとずっと思っていたのです。そして4日後、検査で転移はないとわかりました。
 本当は、ずっとそれまで死刑宣告を受けたような気持ちでした。でも、リンパ腺に転移していないと知って、ずっと気が楽になりました。
 結果的には、そんなに心配しなくてもよかったのです。手術は49歳の時で今から18年前のことですが、あれ以来治療を受けていません。
 私は術後10日間入院しました。最近ではもっと早く退院するのでしょうけれど。
 退院後、当時私は教員で夏休みが間近だったこともあって、3ヶ月近くも仕事の心配なしで休めました。
 そして九月に仕事に戻ったのです。後遺症もなく、とても調子はよかったです。

英国人の乳がんの語り

なぜ乳房切除術を自分にとって一番よい選択肢として受け入れることになったのかを説明している

とにかく、病院へ行って医師にお願いをしたんです。私はこう言いました。ガンは乳房の前の部分、ちょうど乳首のところにあるから、そこの部分だけを手術すればいいのではないか、と。しかし医師は同意しませんでした。
「それでは75%の保障しか出来ないでしょう。だから乳房切除術が最善の方法です」と医師は言いました。私は乳房切除術について満足ではありませんでした。でも医師は乳房切除術を行った方が良いとも言ったので、最終的には同意しなければなりませんでした。 だから私は乳房全体を切除することをためらいました。そして、私は乳房切除術を受け、たしか8日か9日間入院をしたと思います。

英国人の乳がんの語り

乳房切除術を受けることになって感じたショックについて話している

私は一旦退院しましたたが、11月29日に帰院しました。退院できたのはほんの短い間でした。その間に、乳房を救う方法はないこと、癌は乳癌にしてはかなり大きく5.2cmに達していること、乳房後方に点在しているので、それを温存しておくことは不可能であることを告げられていました。そこで乳房全摘術をすることに決まりました。
11月29日の午前に手術を受け、乳房と一緒に右腕下部から癌とリンパ腺を15個取り除いてもらいました。私は生還し、かなり早く回復しました。
その頃、自分の現実に直面してショックを受けていました。外観が醜くなったということです。そんなショックに備えて、皆あらゆる努力をしてくれましたけどショックであることにかわりはありません。

英国人の乳がんの語り

自分の年齢では再建術をしたいと思わなかったが、もしもっと若い人だったら違ったかもしれない

また、当時の私にその選択肢はなかったわけだけれど、当時の私の年齢を考えると、インプラントや再建手術をしなかっただろうと思います。私は安定した結婚生活を送っていたので、人工乳房で十分でした。しかし、若い人や、若い夫を持つ人にとっては、これはもっと深刻な問題になると思います。また最近では、性問題についてとてもオープンになっていますが、私たちが育った時代はそうではなく、そのことも大きな違いのひとつだと思います。

英国人の乳がんの語り

さらなる問題が起きることを心配して乳房再建術を選択しなかった

退院後、初めての診察に行ったとき、医師は私に乳房の形成手術を行うかどうか尋ねました。
私は「ノー」って答えたんです。すると、彼は「ずいぶんきっぱりとしたお答えですが、何かその理由を聞かせて頂いてもいいですか?」と尋ねるんです。
「ええ、私はもうこれ以上何も身体の中をあれこれしたくないのです。このような形成手術は信じていないのです。私はただ自然の経過にまかせたいのです。だから、形成手術はしたくないのです」と答えると、彼は「そうですか、これは本当にあなたご自身が決めることですからね。でも、形成術も国民保健サービスの範囲内でできるのですよ」と言うのです。
「いいえ、形成手術は受けたくありません。有り難いのですが、ともかく結構です」
私は、5年前にも2回目の乳房の手術したのですが、そのときはもう形成手術を受けるかどうかなんて話はありませんでした。今では必要なときだけ、ときどき人工乳房をつけています。

英国人の乳がんの語り

自分自身が患者として、またフィッターとして補正用パッドを扱った経験について語っている

私はいま、フィッティング・サービスで働いています。そうです、私はフィッターとしての訓練を受けました。今のプロステーシス(人工乳房)は、本当にすばらしいものです。専用のブラジャーや水着を購入できます。実際良く合ったブラジャーを・・・。乳房のあるなしに関係なくどのご婦人もよく合ったブラジャーを身につけるべきです、体によく合っていて、適切に固定するブラジャーを。プロステーシスを着用すれば誰もそれに気がつかないですよ。
実際に私は形のないような物を着けているのですが、私がフィッティング・ブラやプロステーシスを着けているかどうかは他の人が見ても分からないでしょうね。でも、プロステーシスはとてもすばらしく、他人はプロステーシスと実際の乳房との違いが分からないと断言してもいいですよ。私は両方の乳房を切除しましたが、片方の乳房がない頃でもプロステーシスを着けていたことを気づかれなかったと思います。ピタッとフィットするTシャツを着たとしても、切除を受けた側と乳房のある側との違いは分からなかったはずです。

英国人の乳がんの語り

なぜ再建術を選択しなかったのかを説明している

乳房再建術を受けようと考えたことはありません。以前と全く同じように見えるようにするのは、とても難しいはずだと思うからです。実際、元通りにはなれないでしょう。私は決して元の自分だとは感じられないでしょう。だから、人工乳房で十分満足です。それに、・・・乳房再建のために筋肉組織をある場所から別の場所へ持ってくるなんて、そんな恐ろしいことはして欲しくありません。人工乳房で十分満足です。

英国人の乳がんの語り

再建術のために身体の他の部分を使わなければならないことから再建術を望まなかった

最初の手術のときでなく、2回目のときに乳房再建術をすすめられました。乳房切除術に関してひとつ言えることは、他の手術でもそうですけど、医師によって技術に上手い下手があるということです。私の場合、本当にとても上手な乳房切除術を受けました・・・もっとも乳房切除術そのものを良いと認めればの話ですけど。結果は良好で、プロステーシスにも良く合いました。
そのため、2回目の手術時に乳房再建をすすめられたとき、最初の手術時に乳房再建をしなかったのであまり気乗りしませんでした。それで、医師に2回目の乳房切除術も、1回目と同じように本当に平らになるようにしてほしい、それと乳房再建用に皮膚や組織をとっておかないようにと頼みました。最初の乳房切除術のときは放射線療法を受けることになっていたので、再建術を受けるとすれば広背筋という肩の後ろの組織と、それに加えて小さな移植物を入れる手術を受けたろうと思います。
乳房再建術を受けなかった理由のひとつは次のようなことです。つまり、乳房を再建するには手術を受けたことのない自分の体の部分を使うからです。前にも言ったように、水泳をし、自転車をこぎ、といったように私はとても活動的です。ですから、これは私の個人的な決断ですけど、手術を受けていない部分にまで手をつけて乳房を再建したくなかったのです。