インタビュー時年齢:71歳(2015年4月)
直腸がんの術前化学放射線療法の臨床試験(詳細不明)に参加。
関西在住。2011年に直腸がんであることが判明。直ちに手術をするか、先に放射線治療と抗がん剤治療を行なってから手術をする臨床試験の二択があると説明された。何か協力できればという思いから、臨床試験に参加した。術後3年半経つが、いまも体調がすぐれず、放射線治療の影響ではないかと疑っている。しかし、自分で決めたことなので参加したことに後悔はない。

この人の語りを見る

プロフィール詳細

楢橋さん(仮名)は関西地方在住。家族は独立し現在一人暮らし。2011年に趣味である海外旅行に行った際に下血し、その後も下痢が続いたことから、受診して直腸がんであることが判明し、近所の大学病院を紹介された。そこですぐに手術をする方法と、放射線と抗がん剤による治療でがんを小さくしてから手術をする方法(こちらが臨床試験)の2択を提示され、がんを小さくしてとりたいという気持ちと何か協力できればという思いから、あまり真剣に考えずに、すぐに参加を決めた。それまで病気をしたこともなく、臨床試験のこともよくわからなかったので、何を質問していいかもわからなかった。ただ、試験にかかる費用はすべて保険診療になりますとはっきり言われたと記憶している。自分で費用を支払うということも参加の決め手だった。無料だったら逆に怖いと思う。

最初に放射線を下腹部4ヶ所に、7週間(土日を除く35日間)連続照射した。TS-1という抗がん剤は2週間服用・1週間休み・2週間服用というサイクルで飲んだが、副作用がとてもつらかった。いつでもやめてもいいと言われていたが最後までやり、手術に臨んだ。自分では手術までが試験だと思っていたが、「これで試験は終わりです」と言われたことはなく、結果について知らされてもいないので、試験がいつ終わったのかよくわからない。聞いたことを忘れてしまわないよう、臨床試験に参加した顛末を書きとめておき、友人たちにもそのコピーを配った。

その後は3か月ごとに血液検査とCTを受けており、3年半経つが転移はない。しかし、体がだるく首回りと下腹部に白斑が出ており、現在も苦しんでいる。通院のたびに主治医に「放射線の影響ではないか」と聞いているが、「違います」というだけで納得がいくような説明がもらえない。

結果的に軽い被曝状態になって体がしんどくなっているのではないかと思うが、臨床試験参加は自分で決めたことなので後悔はしていない。自分が辛い思いをしたことで次の人には抗がん剤や放射線の量を軽めにしてくれたらいいと思う。そうした説明や報告はないのでわからないが、役に立てた、貢献したと思いたい。

「語ってくれてありがとう!」と思ったらこちらをクリック →

あなたのひと言をどうぞ → ひと言