2019年秋に相次いで千葉県・長南町を襲った風水害の体験を振り返り、認知症の人を含む災害弱者を守るために住民主体でできることを考えるきっかけ作りにしようと作られたビデオです。
2020年8月には「災害から認知症の人を守れるまちづくりを考える『みんなの語り場』」と銘打って、長南町の方々14名とDIPEx-Japanのメンバー5名がオンラインで一堂に会し、このビデオを視聴しながらディスカッションを行い、当時の自分たちの行動を振り返ったり、今後に向けての意見を交わしたりしました。
この1年は人々の関心が新型コロナウイルス感染症に向かってしまいがちでしたが、そんな中でも台風や集中豪雨による自然災害は待ってくれず、昨年も各地で被害が出ました。そして今年も災害の季節が近づいてきました。貴重な語りをより多くの方々と共有して、他の地域の皆さんにも、次の災害に備える手がかりにしていただければと、こちらに公開することにいたしました。
ビデオは3部構成になっています。第1部は「かぜ台風」と呼ばれた台風15号の体験で、長引く停電が認知症の方にどのような影響を及ぼすかについての語りが紹介されています。第2部は東日本全体に甚大な被害を及ぼした台風19号の体験です。この時町は初めての避難勧告を出しましたが、多くの人はどこに、どういうタイミングで避難すればいいか迷ったことについて話しています。さらに第3部では町民2名の人命を奪った、10月25日の房総豪雨で被災した介護施設の方の体験談です。
それぞれのセクションが終わるところで、キューになるような質問が出されますので、そこでいったんビデオを止めて、自分だったらどうするか、自分のまちではどんなところが危ないと思うか、などディスカッションする、といった使い方が可能です。
無償でお使いいただけますが、教育機関や地域の勉強会、ワークショップなど公の場でお使いになる場合は、その旨をひと言こちらからご連絡いただけましたら幸いです。
なお、このビデオは「認知症まちづくり基金」よりbe Orange2019年採択プロジェクトとして助成を受けて作成されました。プロジェクト全体(準備段階から実際の「語り場」の実施に至るまで)についての報告書はこちらになります。