診断時:62歳
インタビュー時:63歳(2009年1月)
東北地方在住で、妻と2人暮らし。健康意識が高く、2007年、人間ドックでPSA値が前年比で2倍になっているのを見て異常を感じ、インターネットで調べて、再検査の通知が届く前に自主的に近隣の県立病院を受診、グリーソン・スコア7の前立腺がんと診断された。希望して全摘除術を受けた。経過は良好だが、再発の危険性を考え、半年に1回通院のところを3ヵ月に1回にしてもらっている。すでに自立した子どもが2人いる。

この人の語りを見る

プロフィール詳細

A.Aさんは、現役時代は大手半導体メーカーに勤めていた。もともと健康意識は高い方だったが、それに加えて健康管理指導の厳しい職場だったこともあり、40歳頃から積極的に健診を受け、家族のためにも自分のためにも、健康に気をつけようと考えていた。年に一度会社で実施される人間ドックは欠かさず、ドックの合間にも半年ごとに自主的に血液検査を受けに行っていた。退職後は、別の会社に再就職したが、元の職場の特定保険組合制度を利用し、積極的に健診を受けていた。

2007年、前年には2.5だったPSA値が、4.8と倍近くに上昇した。「これは異常だ」と、インターネットであれこれ調べ、基準値は4.0以下とあるのを見て、大変だと思い、再検査の通知が来る前に、検査データを持って病院にかかることに決めた。近隣の大学病院や県立病院のウェブサイトを比較して、手術件数や情報の充実度などを参考に病院を決め、外来担当の医師の肩書や専門分野をみて、この人、と思う医師が担当の日に狙いをすまし、近隣の県立病院を訪れた。

診察室で担当医に「私は前立腺がんです」と伝えた。とにかく段階を踏んで検査をしてみましょうということになり、血液の再検査、生検や画像検査の結果、グリーソン・スコア7で、転移のない初期の前立腺がんと診断された。がんだと思っていたので、診断を聞かされても恐怖は感じなかったし、初期と聞いて、なおさら安心した。

治療法については、放射線療法やホルモン療法も紹介されたが、転移が一番怖かったので、とにかく1日も早く手術を受けたいと思った。医師からも「若い人で初期ならば取ってしまった方が無難」と勧められたので、すぐに手術と決まったが、順番待ちで2ヵ月後と言われた。しかし前立腺がんは進行が遅いと聞いていたので、まあ大丈夫だろうと思った。

手術は無事終了し、術後の経過も担当医がびっくりするほど順調だった。周辺の筋肉や神経が一部残せたので尿漏れも比較的軽く、1週間でずいぶん軽快した。しかし退院後は、思ったように体が動かなかった。胸に異常を感じたときには「肺がんかも」と思い検査を受けたが、異常は見つからなかった。一度こういう病気にかかったので、敏感になってしまったのだと思う。

ただ、自分は早く病気を見つけ、前向きに対処したからこそ経過が良かったし、悔いのない治療ができたと感じている。早期発見、早期治療の大切さをみんなに伝え、悔いのない治療をしてもらいたいと思っている。

今は仕事にも復帰して、山野の散策しながら草木を愛でる日々を過ごしている。PSA値も0.02で安定しており、医師からは半年に1回の通院で良いと言われているが、再発の危険性を考え、出来るだけ早く対応するために、3ヵ月に1回の検査をお願いして、経過を見ている。

「語ってくれてありがとう!」と思ったらこちらをクリック →

あなたのひと言をどうぞ → ひと言