投稿者「dipex-j」のアーカイブ

英国人の乳がんの語り

なぜ乳房切除術を自分にとって一番よい選択肢として受け入れることになったのかを説明している

とにかく、病院へ行って医師にお願いをしたんです。私はこう言いました。ガンは乳房の前の部分、ちょうど乳首のところにあるから、そこの部分だけを手術すればいいのではないか、と。しかし医師は同意しませんでした。
「それでは75%の保障しか出来ないでしょう。だから乳房切除術が最善の方法です」と医師は言いました。私は乳房切除術について満足ではありませんでした。でも医師は乳房切除術を行った方が良いとも言ったので、最終的には同意しなければなりませんでした。 だから私は乳房全体を切除することをためらいました。そして、私は乳房切除術を受け、たしか8日か9日間入院をしたと思います。

英国人の乳がんの語り

乳房切除術を受けることになって感じたショックについて話している

私は一旦退院しましたたが、11月29日に帰院しました。退院できたのはほんの短い間でした。その間に、乳房を救う方法はないこと、癌は乳癌にしてはかなり大きく5.2cmに達していること、乳房後方に点在しているので、それを温存しておくことは不可能であることを告げられていました。そこで乳房全摘術をすることに決まりました。
11月29日の午前に手術を受け、乳房と一緒に右腕下部から癌とリンパ腺を15個取り除いてもらいました。私は生還し、かなり早く回復しました。
その頃、自分の現実に直面してショックを受けていました。外観が醜くなったということです。そんなショックに備えて、皆あらゆる努力をしてくれましたけどショックであることにかわりはありません。

英国人の乳がんの語り

自分の年齢では再建術をしたいと思わなかったが、もしもっと若い人だったら違ったかもしれない

また、当時の私にその選択肢はなかったわけだけれど、当時の私の年齢を考えると、インプラントや再建手術をしなかっただろうと思います。私は安定した結婚生活を送っていたので、人工乳房で十分でした。しかし、若い人や、若い夫を持つ人にとっては、これはもっと深刻な問題になると思います。また最近では、性問題についてとてもオープンになっていますが、私たちが育った時代はそうではなく、そのことも大きな違いのひとつだと思います。

英国人の乳がんの語り

さらなる問題が起きることを心配して乳房再建術を選択しなかった

退院後、初めての診察に行ったとき、医師は私に乳房の形成手術を行うかどうか尋ねました。
私は「ノー」って答えたんです。すると、彼は「ずいぶんきっぱりとしたお答えですが、何かその理由を聞かせて頂いてもいいですか?」と尋ねるんです。
「ええ、私はもうこれ以上何も身体の中をあれこれしたくないのです。このような形成手術は信じていないのです。私はただ自然の経過にまかせたいのです。だから、形成手術はしたくないのです」と答えると、彼は「そうですか、これは本当にあなたご自身が決めることですからね。でも、形成術も国民保健サービスの範囲内でできるのですよ」と言うのです。
「いいえ、形成手術は受けたくありません。有り難いのですが、ともかく結構です」
私は、5年前にも2回目の乳房の手術したのですが、そのときはもう形成手術を受けるかどうかなんて話はありませんでした。今では必要なときだけ、ときどき人工乳房をつけています。

英国人の乳がんの語り

自分自身が患者として、またフィッターとして補正用パッドを扱った経験について語っている

私はいま、フィッティング・サービスで働いています。そうです、私はフィッターとしての訓練を受けました。今のプロステーシス(人工乳房)は、本当にすばらしいものです。専用のブラジャーや水着を購入できます。実際良く合ったブラジャーを・・・。乳房のあるなしに関係なくどのご婦人もよく合ったブラジャーを身につけるべきです、体によく合っていて、適切に固定するブラジャーを。プロステーシスを着用すれば誰もそれに気がつかないですよ。
実際に私は形のないような物を着けているのですが、私がフィッティング・ブラやプロステーシスを着けているかどうかは他の人が見ても分からないでしょうね。でも、プロステーシスはとてもすばらしく、他人はプロステーシスと実際の乳房との違いが分からないと断言してもいいですよ。私は両方の乳房を切除しましたが、片方の乳房がない頃でもプロステーシスを着けていたことを気づかれなかったと思います。ピタッとフィットするTシャツを着たとしても、切除を受けた側と乳房のある側との違いは分からなかったはずです。

英国人の乳がんの語り

なぜ再建術を選択しなかったのかを説明している

乳房再建術を受けようと考えたことはありません。以前と全く同じように見えるようにするのは、とても難しいはずだと思うからです。実際、元通りにはなれないでしょう。私は決して元の自分だとは感じられないでしょう。だから、人工乳房で十分満足です。それに、・・・乳房再建のために筋肉組織をある場所から別の場所へ持ってくるなんて、そんな恐ろしいことはして欲しくありません。人工乳房で十分満足です。

英国人の乳がんの語り

再建術のために身体の他の部分を使わなければならないことから再建術を望まなかった

最初の手術のときでなく、2回目のときに乳房再建術をすすめられました。乳房切除術に関してひとつ言えることは、他の手術でもそうですけど、医師によって技術に上手い下手があるということです。私の場合、本当にとても上手な乳房切除術を受けました・・・もっとも乳房切除術そのものを良いと認めればの話ですけど。結果は良好で、プロステーシスにも良く合いました。
そのため、2回目の手術時に乳房再建をすすめられたとき、最初の手術時に乳房再建をしなかったのであまり気乗りしませんでした。それで、医師に2回目の乳房切除術も、1回目と同じように本当に平らになるようにしてほしい、それと乳房再建用に皮膚や組織をとっておかないようにと頼みました。最初の乳房切除術のときは放射線療法を受けることになっていたので、再建術を受けるとすれば広背筋という肩の後ろの組織と、それに加えて小さな移植物を入れる手術を受けたろうと思います。
乳房再建術を受けなかった理由のひとつは次のようなことです。つまり、乳房を再建するには手術を受けたことのない自分の体の部分を使うからです。前にも言ったように、水泳をし、自転車をこぎ、といったように私はとても活動的です。ですから、これは私の個人的な決断ですけど、手術を受けていない部分にまで手をつけて乳房を再建したくなかったのです。

英国人の乳がんの語り

自分は補正用パッドに満足していたので再建術は望まなかった

望めば乳房の再建術をしてくれたかって?いいえ、それに私は望んでいなかった。病院ではシリコンのブラ補正用パッドをくれたわ、私のブラを調整するから、ブラがパッドに合うかをみるから病院に来るように言われたわ。だからとても快適に使っているの。補正用パッドを着けているのを時々忘れてしまうぐらいにね。

英国人の乳がんの語り

なぜ乳房再建術を選択しなかったかを述べている

たとえ泳ぎに行ったとしても、専用の水着を着なければなりません。自分の胸があることと同じことではないのです。そして医師が、新しい乳房をつけたいかどうか、私に訊ねてきました。私はnoと答えました。その手術は最悪だからと拒否しました。あまりにも大変だから、拒否しました。

英国人の乳がんの語り

再建術を望む理由を述べている

――手術の後、乳房再建術を勧められましたか?

ええ、もし再建を望むとしても、2,3年たってからになると言われました。
私は再建術は受けないと決めていたんです。でも今は、これを(人工乳房を指して)左側に着けて時間がたってみると、一生着け続けるにはちょっと重くなってきました。なので2,3年したら、再建術を受けられるかどうか確かめてみようと思います。先生方には大丈夫だろうと言われていますけれどね。

――2,3年のうちには再建術を受けたいのですね?

ええ、よく考えてみたんですが、受けたいと思っています。