インタビュー時:64歳(2021年10 月)  
診断時:54歳  
診断名:拡張型心筋症、心房細動、心不全
甲信越地方在住。元小学校教員。妻と父親と3人暮らし。

教員として忙しい日々を送っているとき拡張型心筋症で心不全の状態になり、入院。4年後にも心臓の機能が低下し再び入院した。
1年の休職後59歳で退職。2度目の入院時に心臓リハビリテーションを勧められ、以後6年以上続けており仲間の存在に励まされている。
退職後の人生を第二の人生と捉え、いろいろなことに挑戦し楽しんでいる。

プロフィール詳細

甲信越地方在住。最初に異常に気付いたのは、小学校教員として、学年主任と学級担任を兼ねて、朝早くから、夜遅くまで忙しく仕事をしていた54歳のときだった。帰宅が遅くなり、食事も遅い時間になることが多く、土日は部活動の指導があり、余裕のない生活をしていた。年度末になると、咳き込んだり、疲れが抜けなかったりする日が続いていた。職場で1年間の反省会を兼ねた飲み会があったが、お酒も食事も取れず、帰宅途中、苦しくて歩けず、駅の階段では手すりにつかまりやっと上がるような状況だった。妻に迎えに来てもらい、帰宅。翌日かかりつけ医に診てもらったところ、大きな病院での検査を勧められた。週明けに病院へ行くと、心臓が悪くて肺に水が溜まっていることがわかり、即入院となり、心臓カテーテル検査の結果、拡張型心筋症と診断された。

肺が悪いのかと思っていたので心臓が悪いと聞いて、「まさか自分が」と驚いた。思い起こすと、診断される4-5年前から、山登りをしていて足が前に進まない、体力がなくなったと感じる経験があった。体重増加や運動不足が原因かと思っていたが、その頃から心臓の機能が弱くなっていたのかもしれない。退院後は薬を飲みながら、体調管理をして心臓の機能を維持していくことになった。また、心房細動があったので、血栓に注意していかなくてはならなかった。

秋になり、実家の稲刈りを手伝っていた際に、胃の辺りに激痛を感じた。休んでもよくならないので、救急車で病院に行ったところ、脾臓の血管に血栓が詰まって脾臓の一部が壊死した状態であることがわかった。入院して症状が落ち着くまで様子をみて退院となったが、血栓が詰まったのが脳だったら脳梗塞、心臓だったら心筋梗塞になっていたかと思うと、血栓を甘く考えていたと反省した。

その後4年ほど問題なく経過していたが、寒い時期になり、すごく苦しいわけではないが常に汗が出て調子が悪い感じがしていた。病院に行くと、脈拍数が1分間に150回くらいになっており、心臓の機能が悪化しているので、入院して治療を受けなければならなかった。ちょうど2011年のことで、ベッドの上で東日本大震災を体験した。震災の報道を目にしながら、再び入院となった自分の苦しさと重なり、これからのことを思うと暗くつらかったことを思い出す。

入院中、主治医から心臓リハビリテーションを勧められた。はじめはどうやって心臓を鍛えるのかと思ったが、心臓の機能を助けるような足の筋肉を中心に鍛えるようなリハビリで、退院後からはじめることになった。しばらくは治療に専念しようと思い、職場は1年間の休職をした。58歳で定年まであと2年だったので、もし体調の改善がない場合は、退職しようと思っていた。

心臓リハビリテーションには、心臓の悪い患者さんたちがたくさん通っていて、いろいろなトレーニングの器具を使ったり、筋トレをしたりする姿を見て、こんなにできるのかと勇気をもらうことができた。また、体を動かすだけではなく、自分で生活の管理をするという点で意識付けられてよかったと思う。それから6年以上、ずっとリハビリは続けていて、心臓のために入院する事態にはなっていない。心臓の機能は、同じ年齢の普通の人の60%ちょっとの能力だと言われている。60%は少ないのではと心配ではあるが、それが今の状況だと理解している。

この病気では比較的若いうちに発症したのはつらかったが、逆に、この年齢だったからリハビリも一生懸命やれたし、病気になったことも前向きに捉えることができたと思う。最初の入院のときはそれほど悪い状態という意識はなく、時間がたてばある程度回復できると思っていたが、心臓で2回目の入院に至ったときには、これからは自分の心臓を大事にしていかないとこのままでは危ういと痛感した。家族のためにも無理をせず生きていこうと思った。仕事は中途半端にはできないので、結局定年まで1年を残し退職。今は第二の人生と思って、自分のやりたいことを模索しながら、いろいろな趣味やこれまでできなかったことへの挑戦、新たな友人との出会いを楽しんでいる。

私は: です。

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