インタビュー時年齢:71歳(2015年4月)
大腿骨頸部骨折の手術後に服用する薬の治験(詳細不明)に参加。
北海道在住。2010年ごろ、大腿骨頸部骨折で入院する際に骨折患者で体が健康な人を対象とした治験に誘われた。骨折直後のことで何のための薬かも覚えていないが、人の役に立てると思って参加した。入院中に薬を1日2回飲み、エコー、心電図等の検査を受け、造影剤を入れてレントゲン撮影をした。撮影の際、今でもその跡が残るほど足首を締めつけられて痛かったが、誰かの役に立ててよかったと思う。

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プロフィール詳細

原田さん(仮名)は北海道在住。ライフワークで道内観光ボランティアをしている。5,6年前に雪道で転倒し、大腿骨頸部を骨折し入院治療が必要になった。術前検査の際、主治医から「骨折して体が健康な人を対象にした治験がある」と誘われた。治験という言葉は漠然と知っていたが、あまり理解はしていなかった。そのころ夫が亡くなり、さらに自分が骨折して気分が落ち込んでいたので、人の役に立つことができると聞いて嬉しくなり、引き受けることにした。毎日午前と午後に薬を飲む、造影剤を使うと事前説明で聞いていたが、それがなんのためなのかはわからなかった。薬の副作用のリスクも聞いたような気はするが、骨を折ってぼぉっとしている状態だったので覚えていない。

入院期間中毎日2度薬を飲み、心電図やエコーなどの検査を受け、入院期間の半ばごろに造影剤を使ったレントゲン検査を受けた。毎朝治験担当の若い女性が様子を見にきてくれて嬉しかった。同室の人たちも「なぜあの担当者は毎朝あなたのところに来るのか?」と言っていた。治験に参加していることを伝えると、検査後部屋に戻ると同室の人から検査の様子を聞かれたりもした。

レントゲン撮影では、ゴムチューブのようなもので足首を締めつけられてとても痛かった。いろんな角度から同じ場所に何度も放射線を照射されたのも不安に感じた。事前説明ではそんなに痛いとは言われなかったので、思わず引き受けたことを後悔したが、役に立ちたいという気持ちのほうが強く、痛くても我慢して医療者に不満も伝えなかった。今になってみると、どうしてもっと質問しなかったのかとも思うが、当時は治験なんだから頑張って終わらせなくては、と思っていたような気がする。

今も締め付けられた足首がむくんだり、赤くなったりすることはあるが、治験参加中は骨折の手術だけでは受けられない検査をたくさんやってもらえたのでちょっと得した気持ちもある。参加当時は60代で家族も独立していたから自分で決めて参加することができたが、もうすこし若かったら子供のことも考えて参加は見送ったかもしれない。観光ボランティアを長年続けており、人と接することが好きなので、誰かの役に立ててよかったと思っているが、参加期間が短かったこともあり、自分の参加した治験の結果がどうなったのかは特に関心はない。

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