「健康と病いの語り」とは

慢性の痛みの語りデータベース

研究事業名 平成26~29年度科学研究費補助金 基盤研究B
(JSPS KAKENHI Grant Number 262934909)
研究課題 慢性の痛み語りデータベース構築と生活の再構築に関する研究
研究代表者 佐藤幹代(自治医科大学看護学部)
研究体制 下記別表

研究の概要

完治が難しい慢性の痛みをもつ人は、長期にわたって目に見えない痛みを患う中で、他の人に理解されにくい苦悩を抱え、孤立しがちです。その困難は単にからだの痛みだけの問題に留まらず、家族や職場などの人間関係にも影響を及ぼし、患者の自立した日常生活を大きく妨げます。

そこで、本研究では、英国Oxford 大学で作成された、データベースDatabase of Individual Patient Experiences(DIPEx)を参考に、慢性の痛みを患う人や家族にインタビュー調査を行い、身体的・精神的・社会的苦悩や疼痛対処の方法、患者・家族・医療者の相互理解のありかたを明らかにして、生活の再構築に向けた支援ツールとして、「慢性の痛みの語り」データベースを構築します。

「慢性の痛みの語り」のデータベースは、慢性の痛みとともに生きていくための様々な情報を提供します。この情報は、現在、慢性の痛みを体験されている人、ご家族にとって、痛みとの付き合い方の参考になるばかりでなく、医療関係者や行政関係者にとっても今後のケアのあり方や医療体制を考える資料となります。

研究代表者である佐藤は、現在は大学教員ですが、以前大学病院の麻酔科病棟に6年間勤務していたことがあります。そのときに、さまざまな原因で慢性の痛みで辛い思いをされている方々を目の当たりにして、医療職として何かできることはないかと考え、このような取り組みをしております。

研究班にはリハビリテーション医学、作業療法学、医療人類学、社会福祉学等、様々な領域の専門家がおり、慢性の痛みを持つ人とその家族をとりまく個別的状況を多面的に掘り下げていきます。

これからの2年間で慢性の痛みを持つ方とそのご家族、合わせて50名程のインタビューを行い、データベースを構築します。インタビューでは慢性の痛みの体験およびその家族の方々の体験について、慢性の痛みに対する今のお気持ちや、日常生活における影響とその対応などについて自由にお話しを伺います。最後の1年でデータの分析を行い、その一部をウェブサイト上に公開するほか、データの二次利用を通じて、学術研究や保健医療教育を支援したいと考えています。

研究体制(所属は研究班発足当時)

区分 氏名 所属・職(専門)
研究代表者 佐藤 幹代 東海大学健康科学部看護学科・講師(成人看護学)
研究分担者 本間 真理 札幌医科大学医学部リハビリテーション講座・兼任助教
(リハビリテーション医学)
  〃 城丸 瑞恵 札幌医科大学保健医療学部・教授(成人看護学)
  〃 高橋 奈津子 聖路加国際大学看護学部・助教(成人看護学)
  〃 濱 雄亮 慶應義塾大学文学部・非常勤講師(医療人類学)
連携研究者 池田 望 札幌医科大学保健医療学部 作業療法学第二講座・教授
(精神障害リハビリテーション学/作業療法士)
  〃 小原眞知子 日本社会事業大学・社会福祉学部 教授
(社会福祉学/医療ソーシャルワーカー)
  〃 隈本 邦彦 江戸川大学メディアコミュニケーション学部・教授
(科学コミュニケーション、科学ジャーナリズム論)
  〃 後藤 惠子 東京理科大学 薬学部 薬学科・教授(健康心理学・薬剤師)
  〃 瀬戸山 陽子 東京医科大学医学部看護学科・講師(看護情報学)
  〃 高井ゆかり 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
成人看護/緩和ケア看護学分野・講師
  〃 森田夏実 東京工科大学医療保健学部看護学科・教授
研究協力者 芦沢 健 医療法人こぶし植苗病院・院長(精神科医師)
  〃 射場 典子 認定NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン・理事(看護学)
  〃 佐藤(佐久間)りか 認定NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン・理事(社会学)
  〃 別府 宏圀 認定NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン・理事長(神経内科医)
  〃 星野 晋 山口大学 国際総合科学部・講師
(文化人類学/医療人類学)