プロフィール

インタビュー37

ニーナ
事故当時:81歳
インタビュー時:84歳
小説家です。夫はポッターズ・バーの列車衝突事故で死亡した。5子あり。ニーナの心はひどく傷ついたが、同じ遺族のための補償キャンペーンを行い、亡くなった夫を偲んで、何が起こったかを彼に伝える「親愛なるオースティンへ」という本を書いた。

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語りの内容(テキストのみ)

でもそれから徐々に何が起こったか分かってきて、ずっと調子が悪かったみたいですけれど、どうやら分岐器に欠陥があったみたいで、レールトラック(※事故当時、イギリス鉄道網の殆どを管理していた企業グループ)の主張によれば、その分岐器に、営業妨害の可能性もある、古いゴミがたい積していたらしく、まったくの整備不良によるもので、産業保安局の査察官が言うところによると、「すかんぴんの整備が原因だった」そうで。良い表現ですよね、「すかんぴんの整備」って。だけれども相手はどうしても責任を認めようとはしなかった。それもあって事故から2~3年は悲しみに暮れるようなことはしていませんでした。私は荒れていました。

賠償金は鉄道会社から支払われたのですか?

賠償金は結局、支払われることとなり、きちんとした額でほっとしました、これについて私はどうかわからないのだけれども・・・年金生活を送っていた老年の母親が当時橋の下を歩いていた時、列車が通過した際に起こった落石で命を落として、その彼女には2人の娘がいたのだけれど、母親は事故当時、扶養家族が誰もいなかったとの理由で、彼女の娘2人には補償が下りないと言われてしまいました。まるで彼女には何の価値も無いかのように。彼女の命には何も価値が無いから補償は下りないと。だけど結局は向こうも責任を認めたみたいでほっとしました。そして恐らくその時にオースティンはもう帰ってこないのだと悟ったのだと思います。
これが、事故は本当だったのだと悟った後の、私に起こった事の顛末です。まあ敢えて言うならば、何かこと切れたのでしょう。それ以来、ちゃんとした外出も控えるようになりました。最近はすっかり家を離れるのが怖くなってしまい、人混みに出て行くことさえも怖くなってしまいました。

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