インタビュー時年齢:71歳(2015年5月)
前立腺がんの免疫療法の臨床試験(第2相)に参加したが、効果が見られず、自ら中止を決断。
首都圏在住。健康診断でPSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)値が高いことがわかり、精密検査を受けたところ前立腺がんという診断を受けた。テレビ番組で紹介されていた免疫療法を試したいと思い、臨床試験をしている大学病院に連絡して2012年6月頃から参加した。しかし、高額な費用に見合うだけの効果がみられず、3クール終わった時点で中止を申し出た。

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プロフィール詳細

加藤さん(仮名)は、2011年の夏ごろに健康診断を受けてPSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)値が高いことがわかり、精密検査を受けたところ前立腺がんと診断された。その後、全摘手術を受けたが、すべてのがんを取り除くことはできず、PSA値が少しずつ上がってきていた。

ある日、テレビ番組の中で、免疫療法でがんがよくなった患者の例を見て、ぜひ試したいと思った。遠方の大学病院で臨床試験の参加者を募集しているという話だったので、主治医に相談してその病院に連絡をとった。飛行機を使わなければならない距離だったが、定年を過ぎていて仕事もしていなかったので時間には余裕があり、気にならなかった。大学病院ではリサーチコーディネーターとよばれる人が事前に詳しい説明をしてくれ、自分でも質問することができた。参加するにあたって特に不安は感じず、理屈ではなく、実際治った人の例がテレビで放映されていたことが、非常に説得力があった。

この臨床試験は全額自費で価格表があり、かかる費用は最初に説明された。週に1回、飛行機で通院しなければならず、飛行機代なども含めると1クールで80万円ほど費用がかかったが、これで治ればよいという希望があったので大変ではあったものの続けていた。これだけお金がかかることでもあり、参加している間は効果があるのか、PSA値が下がっているのかということが最大の関心事だった。しかし、3クール終わってもPSAの値がなかなか下がらず、費用に見合うだけの効果が得られていないと感じてやめることにした。まだ試験段階のものだったので、結果的に効かないことはあると理解していた。費用を支払っているものでもあり、大学病院側はやめるという決断を当然受け入れてくれた。

ふり返ってみると、この臨床試験に参加したことで自分の治療にベストを尽くせたように感じており、よかったと思っている。テレビで見て気になっていたのに参加していなければ、後悔していただろう。劇的な効果はなかったが、そういう意味で参加してよかったと思う。やれることは試してみたほうがよいと思うし、「あの時やっておけばよかった」という後悔がないように、可能性があるならトライしてみたほうがよいのではないか。

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