診断時:24歳
インタビュー時:59歳(2017年11月)

関西地方在住の女性。一人暮らし。24歳のころに診断されて、その後長期の入退院を繰り返し、41歳の時に小腸を30センチ切除した。また49歳の頃には合併症で虹彩炎という目の病気を発症した。薬はペンタサくらいで、後は食事の管理とエレンタールが中心である。発症した時の仕事は32歳で辞めて、あとはアルバイトや有償ボランティアなどをしている。

プロフィール詳細

 20歳のころから下痢やお腹の張りがあったが、24歳の時にクローン病と診断された。その後入退院を繰り返しながらも32歳までは同じ会社に勤めていたが、長期の入院が続いたのでそこは退職して、あとはアルバイトや有償ボランティアをやって生活していた。

 41歳の時に狭窄で腹腔鏡(*1)による手術をして小腸を30センチくらい切除した。しかし、手術直後に大腸から出血があり、ステロイド(*2)の服薬や注腸のステロネマ(ステロイドの注腸剤)でなんとか出血は止まった。また49歳の頃には合併症で虹彩炎という目の病気を発症した。これは目が充血して瞼を押さえると痛いという症状だったが、今は治まっている。

狭窄があるためレミケード(*3)などの生物学的製剤(*4)は使えず、薬としてはペンタサ(*5)が中心で、あとは食事制限とエレンタール(成分栄養剤)で寛解を維持する状態が続いている。

 手術をするまでは最初に入院した総合病院で診てもらっていたが、そこはIBD(炎症性腸疾患)の専門病院ではなかったので、専門医のいる大学病院に転院したかった。しかしお世話になった主治医の先生がいたのと、その病院が勤めていた会社の系列の病院だったこともあり、転院を言い出せなかった。その主治医が退任したのを機に専門病院に転院したところ、エレンタールの使い方なども前の病院とは違っていて、食事制限も厳しく指導された。

 以前診察室で「お腹が張る」と言ったら、その医師はCRP(*6)の数値だけを見て「気のせいでしょう」と言われたことがある。医師には検査の数値だけでなく患者を診て触診をしてほしい。

 今の自分自身にとって「一番の治療法はまず第1がエレンタール、2番がご飯、みそ汁、魚の和食、3番がペンタサなどのお薬、4番目が運動と休養、5番目が体を温めること」だと思う。

*1 腹腔鏡:1センチ前後の穴を3-5か所開けて、そこから内視鏡を入れて行う術式
*2 ステロイド:副腎皮質ホルモンの1つで体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われている。副作用も多いため、IBDでは一般的には寛解導入に使われるが寛解維持には使わない。
*3 レミケード:(一般名:インフリキシマブ)
*4 生物学的製剤:生物学的製剤(抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*5 ペンタサ:(一般名:メサラジン)クローン病の基本薬
*6 CRP:炎症反応を表す血液検査の指標。正常値は0.3以下

私は: です。

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