診断時:18歳
インタビュー時:40歳(2018年3月)

九州地方在住の男性。一人暮らし。中学1年の時に十二指腸潰瘍と診断されて半年ほど入院したが、後から考えるとその時にクローン病が発症していたのかもしれない。その後18歳の時に下痢、腹痛、体重減少で入院してクローン病の確定診断となった。痔ろうも悪化しており、翌年には早くも双孔性ストーマを造っている。しかしストーマの近くに腸管皮膚瘻(ろう)ができて、今も膿が出ている状態で苦しんでいる。仕事は障害者枠で福祉サービスの仕事をしている。

プロフィール詳細

 中学1年の時にひきつけを起こして救急搬送され、半年入院したが、その時は十二指腸潰瘍と診断された。しかし後で聞いてみると、当時は十二指腸潰瘍と潰瘍性大腸炎と、クローン病の3つの疾患が疑われたが、結局十二指腸潰瘍ということに落ち着いたとのことだった。従って、実際にはこの時点でクローン病が発症していたのではないかと自分では思っている。

 クローン病の確定診断は高校3年生の時で、下痢と腹痛で体重が38キロくらいに落ち込み、地元の大学病院へ入院したら、クローン病と診断された。

 翌年、痔ろうの悪化もあり、双孔性ストーマ(人工肛門)を造った。その時はまだ大腸が全部残っていたので小腸からは食べ物が排泄され、大腸からは食べ物は通っていないが粘液がでるので、それを排泄するために二つの管が出ているストーマとなった。いずれストーマを閉じて小腸と大腸を繋ぐ予定だったが、その後大腸にも潰瘍がたくさん発生し、大腸の大半を切除したため、現在は永久的ストーマになっている。

 高校を卒業した時には障害者手帳を持っていたので、東京の障害者の専門学校に入学した。現在はもうないが、当時は東京と広島に障害者の専門学校があった。専門学校を卒業後は障害者枠で就職し、東京と福岡で事務職の仕事を続けてきたが、いずれも会社では通院などでの配慮をしてもらい、特に不都合な点はなかった。現在は福岡で福祉サービスの仕事をしている。

 病気の方は、2度目の手術で大腸をほぼ全摘し永久的ストーマにした後しばらく寛解が続いていたが、28歳のころに腸管皮膚瘻(ろう)(*1)が再発して腸管皮膚瘻ごとストーマの再造設をした。現在もストーマの近くの皮膚から膿がでており皮膚がただれて苦労している。

 2度目の手術をした後落ち込んでいたが、何かしなければと思いスキューバダイビングのショップに飛び込んだら、親切に指導してくれて今では一緒にダイビングを楽しんでいる。ドライスーツという冬用のスーツなら水がはいらないようになっているのでストーマをしていても問題なくダイビングができる。

 ですから、若い患者さんには、クローン病があってもスポーツも仕事もできるのだから落ち込まずに希望をもってやってほしいということを伝えたい。

*1 腸管皮膚瘻(ろう):腸壁が皮膚の内側に癒着し、そこに小さな穴が開いて皮膚の表面にまで貫通し、そこから膿が出てくるという症状。

私は: です。

(アンケート結果の扱いについては個人情報の取り扱いについてをご覧ください。)

認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

ご支援
ご協力ください

モジュール一覧