インタビュー時年齢:79歳(2015年4月)
C型肝炎の治療薬の治験(詳細不明)に参加したが、副作用が出て中止。

北海道在住。C型肝炎でインターフェロン治療を受けていたが、2000年ごろ、主治医から治験参加を勧められた。娘や友人にも反対されたが、当たり前のように飲んでいる薬も誰かが治験をやったものなのだから、自分で役に立つのならと受けることに決めた。しかし、試験期間の半ばほどで、副作用と思われるサルコイドーシス(「肉芽腫」という結節が皮膚や目、肺など、全身の臓器にできる病気)になり、中止となった。

プロフィール詳細

牛島さん(仮名)は1997年、たまたま献血をした際にC型肝炎であることが判明した。自分の血液型の血液が足りないと言っていたのを聞いて立ち寄っただけだったので、それで病気が判ってよかったと思っている。それから入院してインターフェロン治療を受けていた。

治療を続けるなかで主治医から、治験参加を勧められた。いま使っている薬もどこかの誰かが試したものだから、自分も役に立てればいいと思った。主治医は家に持ち帰って家族とよく相談するようにいったので帰宅して息子と娘に電話して相談した。息子は「したいようにすればいい。嫌だったらやめてもいいんだし」と言ってくれたが、娘は「どうしてそんなことをお母さんがするのか」と涙を流して反対した。そこで、友人にも相談してみたが「モルモット代わり」「試験材料にされる」と誰一人賛成してくれなかった。しかし、自分は決めたことは実行するタイプなので「殺すために治験はあるのではない。治すためにやるんだから」と言って意見を聞かずに参加することに決めた。

毎週1回病院に行って注射をしてもらうタイプの治験で、月に1度の血液検査の結果では数値がよくなっていると言われた。予定では9ヶ月続くはずだったが、4,5ヶ月目にサルコイドーシスになってしまった。皮膚に水ぶくれができたり、傷ができたり、咳が止まらなくなったりするもので、医師から治験薬の副作用であることを告げられ、治験は中止になった。医師とは信頼関係が築けていたので、自分としてはこのまま続けてもらってもよかったが、医師は治験の規定違反になるから無理だと言った。最初は反対していた娘も、通院の際に付き添ってくれたりして、治験が中止になったときは残念そうにしていた。

現在その薬は市販されたかどうかわからないが、自分は副作用が出てしまったので、もし販売されたとしても怖くて使えない。自分は中止になってしまったので、役に立てたのかどうかわからない。しかし、副作用が出たことについては、自分はたまたまなってしまっただけなので仕方がない、誰が悪いわけでもないと思っている。

私は: です。

(アンケート結果の扱いについては個人情報の取り扱いについてをご覧ください。)

認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

ご支援
ご協力ください

モジュール一覧