インタビュー時年齢:58歳(2015年4月)
過活動膀胱の治療薬の治験(第何相かは不明・プラセボ対照試験)に2回参加。
中国地方在住。2004~5年ごろ、1度目は、過活動膀胱で通院していたときに新聞広告を見て電話で問い合わせた。指定の病院で治験コーディネーターが大変詳しく説明してくれたのでその場で同意した(【1】)。2度目は、院内掲示を見て参加した(【2】)。そのとき1度目の治験の薬が承認されたと聞き、とても嬉しく思った。

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プロフィール詳細

吉田さん(仮名)は、40代半ばごろから急に激しい尿意を感じてトイレに間に合わないという症状が出るようになり、受診して「過活動膀胱」と診断された。治療のため病院に通っていたところ、新聞広告で治験の参加者を募集しているのを目にした。治験という言葉はなんとなく知っていたが、うさんくさいイメージを持っていた。そう思いながらも電話で問い合わせたところ、大きな病院でやるもので、嫌だったらいつでも断ってよいとのことだったので、話だけ聞こうと思い、指定の病院に行った。病院では、治験コーディネーター(CRC)の女性が治験について大変細かく説明をしてくれた。その薬は開発の最終段階で飲んでも害になるものではないことや、いったん持ち帰って参加の可否を検討してもよいことなどを聞き、そこまで言うならやってみようと考え、すぐその場で同意した(治験①)。

にせ薬が含まれる治験であることも聞いたが、命に別状があるような危機感のある病気ではなく、症状が少し和らいでくれたらよいと思っていたので気にはしなかった。むしろ、それがにせ薬か本物の薬かは自分の体で試せるのだと思った。「その薬を飲んでもし具合が悪くなったら無料で対応する」と言われたときは、「そういうこともあるのか」と少し不安にも感じ、「起こる確率がとても低い副作用であれば特に知らせてくれなくてもよいのに」とも思った。CRCとは治験以外のことも話すことができて、とても楽しかった。また、検査のときもCRCがついてくれたので、順番などで待たされることはなく、VIP待遇を受けているような気分にもなった。

2度目の治験(②)は、病院の院内掲示で同じ病気の治験参加者を募集していたので、参加を希望した。1度目の治験に参加した旨をCRCに伝えたところ、その薬は承認されたと聞き、開発の一端を担ったのだととても嬉しく思った。治験の内容は1度目の治験とほぼ同じだったが、2度目の治験が終わってからは病院に行くこともなくなったので、治験の結果はわからない。薬がどうなったのかぜひ知りたいと思うが、こちらから尋ねるのもおかしいので聞いていない。住所も伝えているのだし、参加したことは何年経っても忘れていないのだから、はがきなどで治験の結果がどうなったのか、薬になったのかどうかを教えてもらえればとても嬉しい。

もし、医師から個人的に誘われていたとしたら治験には参加しなかったかもしれない。医師と製薬会社のつながりがあるのだろうかなどと勘ぐってしまう。医師から直接誘われるよりも、掲示板や新聞広告など公の形で募集する方がよいのではないか。今回は2回とも開発の最終段階ということだったので協力したが、もしもう少し開発段階が手前のものだったら怖くてやらなかっただろう。

もともと献血が好きで、これまでに200回以上していて、その話は人にもよくする。しかし、治験は高額アルバイトとか危険なことだとか悪いイメージが広まっているので、自分としては正しいことをしたのだという自負があるが、あまりほかの人には言いたくない。それでも、新しい薬の開発には治験でデータを集める必要があるとCRCに教わったので、ほかの人にもぜひやってほしいとも思う。

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