診断時:20歳
インタビュー時:48歳(2017年10月)

東北地方在住の男性。妻と子ども二人。15~16歳のころから腹痛でトイレに頻回に行っていたりして症状はあったが、確定診断がついたのは20歳の頃。中学2年の頃父親が倒れ、その看病で母親も病気になり、その後も病気を抱えながら仕事を続け、結婚して2男をもうけた。内科治療はペンタサ、ステロイドから免疫調整剤、その後レミケード、ヒュミラそして最近出たステラーラまで経験しているが、狭窄がないので手術はしていない。

プロフィール詳細

 中学2年の時父親がモヤモヤ病で倒れた。母親もその看病中に持病の糖尿病が悪化して入院してしまった。最初は親せきの家に預けられていたが、多感なころだったので、弟と二人で実家に戻って暮らすことを選んだ。そのころから腹痛や下痢の症状が出ていたが、夜は母親の看病で病院に泊まり込むような生活だった。

 クローン病の確定診断がついたのは20歳の頃で、丁度父親が他界した時だった。確定診断が出たあと数年は、毎年2~3回入院して半分は病院で、半分は家で暮らしているような状況だった。さらに弟もクローン病と診断され、二人で同じ病院に入院したこともあったりして、生活はめちゃくちゃな状態だった。当時薬はステロイド(*1)がメインで、あとは食事療法とエレンタール(成分栄養剤)でなんとか過ごしていた。

 診断されてから次の入院までは同じ会社に勤めていたが、2度目の入院でその会社は辞めざるを得なくなった。その後は開き直った気持ちで病気のことはオープンにして今の会社で仕事をしている。今の会社に転職してからも何回か入院はしたがそれほど頻繁ではなく、調子が悪い時もあるが色々な薬を試しながら仕事を続けている。使った薬は、プレドニン(*2)、ペンタサ(*3)、免疫調整剤、胃薬。そして生物学的製剤(*4)が出てから、最初はレミケード(*5)を使っていたが副作用が出てヒュミラ(*6)に変えた。しかしこれも皮膚炎や関節痛などの副作用がでたので、今はステラーラ(*7)を試している。

 これだけ状態が悪いにもかかわらず、腸の狭窄は起こさずに済んでいるので、まだ手術はしていない。また、狭窄がないため生物学的製剤も使えるので助かっている。

 私生活では結婚して平成10年と11年に年子で子どもができたこともあり、家族の生活を支えないといけないので、自分の体にむち打って、薬漬けになっても仕事をしてきた感じがある。子ども達は未成年だが二人とも就職しているので、これからは少し楽になるかなと思っている。

*1 ステロイド:副腎皮質ホルモンの1つで体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われている。副作用も多いため、IBDでは一般的には寛解導入に使われるが寛解維持には使わない。
*2 プレドニン:(一般名:プレドニゾロン)一般的なステロイドで点滴、内服、坐薬がある
*3 ペンタサ:(一般名:メサラジン)クローン病の基本薬
*4 生物学的製剤:レミケード、ヒュミラなどの抗TNFα製剤
*5 レミケード:(一般名:インフリキシマブ)生物学的製剤(抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*6 ヒュミラ:(一般名アダリムマブ)生物学的製剤(ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*7 ステラーラ:(一般名:ウステキヌマブ)生物学的製剤(ヒト型ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤)

私は: です。

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