診断時:68歳
インタビュー時:70歳(2008年6月)
北関東在住。2006年1月、一人息子が脳腫瘍で闘病中に、尿の出が悪いことに気づいて受診し、前立腺がんが発覚。転移はない、という診断を受けて一安心し、すぐにホルモン療法を開始。5月に一人息子を看取ってから、10月に入院と通院で放射線療法を受けた。今はホルモン療法のみで、6週間に1度飲み薬を処方してもらい、3ヵ月に1回注射を受けているが、PSAの値も安定している。現在は妻と2人で年金生活。

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プロフィール詳細

かつて繊維産業で栄えた北関東の町で、長年町工場を営んできたK.Dさんは、2006年1月に前立腺がんの診断を受けた。少し前から尿の出が悪いことに気づいていたものの、前年に一人息子が脳腫瘍の診断を受けて闘病中だったため、1日延ばし2日延ばしで受診を遅らせていた。前立腺肥大だろうと思っていたが、1晩に5回も6回もトイレに起きるようになってしまったので、やむなく受診したところ、PSAが23でがんの恐れがあると言われた。2度の検査入院の末、前立腺がんだが転移はないので、当面はホルモン療法をしながら様子をみて、半年くらい経ったところで放射線療法をしましょうと言われた。

5月に一人息子が亡くなり、10月に放射線治療を開始。最初は様子見で、10日間入院して治療を受けたが、問題がなかったので、その後は1日おきの通院に切替えて、合計で23回の放射線照射を受けた。その後は、6週間に1度の通院でホルモン薬の飲み薬を処方してもらい、3ヵ月に1回ホルモン注射を受けている。特につらい副作用はなかったが、胸が少し膨らんで下がってきたような気がしたので、腹筋トレーニングやダンベルで筋肉をつけるようにした。

今ではPSAの値は0.008まで下がり、数字を見る限り前立腺がんの転移はないと言われて、もう治ってしまったような気持ちでいる。C型肝炎や高血圧などの持病もあるが、なってしまったものはなってしまったんだから、くよくよしたって仕方がない。あとは、この先どういう風に病気とともに生きていくかを考えるだけだ。よく医者を選べと言うが、患者には医学知識はないのだから、医者は神様のような存在。「お任せします」というしかないが、「病いは気から」、やっぱり自分から治すという気持ちに持っていかないと、病気は治らないと思う。

前立腺がんはこれから増える病気だと思うが、年寄りは尿が出にくいと言っても、恥ずかしいとかおっくうだとか後期高齢者の医療費の問題だとかで、なかなか医者に行こうとしない。早いうちに見つければ命を落とすようなこともないと思うので、市や福祉の担当者が一人暮らしのお年寄りの家などを巡回して、早期発見を指導するようにしてもらいたい。自分自身は85歳までは生きるつもり。4月から年金が出るようになったので、お客さんに頼まれて細々と続けてきた工場も閉めた。これからは妻と2人で国内旅行を楽しもうと思っている。

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