インタビュー時年齢:60代(2015年4月)・男性
通年性アレルギー性鼻炎の治療薬の治験(第3相・プラセボ対照盲検試験)に参加。

首都圏在住。新薬の研究開発に携わった後、知り合いから治験を紹介され、被験者の立場を経験したいと治験に参加。概要を知っている薬剤の治験だったので、快諾した。治験に参加して金銭的なメリットも感じた一方、もっと詳しい情報と、実薬だったか、プラセボだったかは知らされてもよいのではないかとも思った。医師が過剰な負担なく治験ができるようになるとよいと思っている。

語りの内容

あの、GCPというのが、ま、法制化、いわゆる、その、厚生労働省省令でから出たことによって、ま、いい面と悪い面があって。非常に、その何て言うんでしょうか、企業としては、やっぱり、その、ドキュメント(書類)作りとかそういったことがもう大変になってしまって、結構、その、本質が見失われているっていうか、いうことが一つですね。それから、まあ、今回の治験もそうですけども、この、アレルギーの治験薬もそうですけども、以前は、先生が、症状、やっぱり、自分なりに追っていたんですね。ところが、こういうかたちで、今、コーディネーターがいて、患者日記で書いていくと、患者日記が資料なので、患者日記のもれがあるかどうかをコーディネーターが見て。先生がそれを見て、「いいね」って言うだけで、あんまり先生が、その症状のことを細かく聞かなくなって、まあ、ある意味で企業任せみたいになってしまって。本当は、その先生が見た目で、この症状がこうとか、これがこういうところに効いているよとかいうことを知りたいんですけども、もう、ほんとに、その日記がベースなんで、日記がきちっと出ているかどうかだけを追っている感じになってしまって。ま、先生も、そういう、集計とか評価に関したら、もう、コーディネーターに任せきりっていう感じになってしまって。ちょっともったいないなっていう感じはしましたね。

―― じゃ、その週1回通院されたとおっしゃっていましたけども、通院して、行って何をするんですか。その、日記のチェック。

先生は、ほとんど、オブザーブ(観察)しているだけですね。

―― ああ、そうなんですか。

ま、その鼻を診て、あのー、要するに、ふうーんと診て、あとはコーディネーターの人が日記とか見て、「あ、きちっと書けていますね」っていうかたちですね。ま、ほんとは、もう――あ、それから「何か異常がありますか」ぐらいですかね。もっとほんとはそこで、あのー、いろんな、あの患者から見た印象、それから、先生がいろいろ、患者を診た立ち場からの質問があってもいいんでしょうけれども、ま、あんまりなくなってしまって。ま、少なくとも、わたしが参加した場合のクリニックでは、そんな感じで、全部、コーディネーターにお任せきりで。ま、自分は、それを、まあ、オブザーブしているという感じでしたね。

―― じゃ、まあ、通院行ったからといって、特に、そこで、その主治医の、主治医というか、ま、治験の医師と、こう何か、いろんなやりとりがあるわけでもなく。

あまりなかったですね。もちん、あの、耳鼻科の先生ですから、一般的な医学的な目は診て、もちろん、異常があれば診ていたんでしょうけれども。ま、特に、副作用もなかったし、なかったですね。はい。

私は: です。

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