診断時:23歳
インタビュー時:27歳(2017年12月)

関東地方在住の男性。両親と祖母の四人暮らし。薬学部6年生の夏に突然の下血で発症し、そのまま入院となりすぐにクローン病の診断が出た。その時は絶食とステロイドの投与で、2週間で退院。その後病院の薬剤師として就職し現在も勤務している。就職してからもたまに腹痛の症状が出て仕事を休むこともあるが、重症化はしていない。また職場にも病気のことは開示してあり職場の理解もあるので安心して働くことができている。

プロフィール詳細

 薬学部6年の夏、ある朝トイレに行ったら下血していた。その半年くらい前から、パンツに何かつくようになったが腹痛などの症状はなかったので、痔かなと思った程度でそのままにしていた。その日は5~6回トイレに行ってそのたびに下血していたので、夕方になるとさすがにおかしいと思い、夜間診療している近くの診療所に一人で行った。

 そこで診察をしてもらい、もう一度トイレに行ったあと貧血で失神してしまい、そのまま入院となった。当初下血が鮮血だったため潰瘍性大腸炎を疑われたが、内視鏡検査などでクローン病の診断がついた。その病院では絶食でステロイドの点滴と内服の治療で、2週間ほどで退院した。
 
 発症した時は薬剤師の就職活動中で、二つの病院の面接を受け、どちらも病気のことを話した。一つの病院(大きな病院)では先月まで入院していたと言ったら、一瞬しーんとなって気まずい雰囲気になってしまったが、現在働いている病院(中小規模の総合病院)では「まったく問題ない」と受け入れてくれた。その職場では、たまに調子が悪くなって急に休まなければならない時もちゃんと理解してくれているので安心して働くことができている。

 薬剤師という仕事の上でも、入院している患者がどういう気持ちになるのか、自分が経験していることなので、心のケアも含めて、患者の気持ちに寄り沿った話ができるかなと思っている。病気に関する情報収集としては、インターネットでクローン病を検索するだけで、概要は分かる。しかしそこには正しいことも正しくないことも書かれているので、1つの情報を過度に信頼し過ぎることなく、全体的に見て、概要がつかめたら、あとは医療者と話をするのがいいと思う。

 一方、権威というのが医療者側にはあって、患者には言えないことが多いということを医療者は理解して、患者と医療者という目線じゃなく、人と人としてコミュニケーションを取るということに気を付けないと、本当の意味で患者のケアは難しいんじゃないかと思う。

私は: です。

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