診断時:55歳
インタビュー時:56歳

1999年に診断を受け、同年前立腺切除

語りの内容

手術に向けて、私はとにかく早く受けてしまいたい、もう1時間も無駄にしたくない、と思っていました。はっきり覚えていませんが、4時頃だったと思います。次に気がついた時には、私の体に色々な働きをする10本ほどの管がつながれていました。その10本の管が入った状態で2日間、いわゆる集中治療室に入っていました。そこでは1対1でモニターされており、安心できました。痛み止めを十分に処方されていたので、時には不快なこともありましたが、まったく痛みはありませんでした。
ものすごく辛いと言うわけではなく、術後2日目の朝、清拭をして欲しいかどうか聞かれました。看護師は中年の女性の方で軍の看護師をされていた方ですが、「ほんとにしっかりと清拭がしてほしい?」と聞かれたので、「汚れている感じがするので、是非しっかりと」とお願いしました。クリスマスの数日前の朝の5時に人生で最高のお風呂に入った気分でした!(笑い)本当に気持ちが良かったです。数時間後、集中治療室から一般病室に移りました。そこでも私担当の看護師がいました。日が経つにつれ、管が抜けて行き、少しずつ快適な暮らしができるようになりました。入院して1週間ほど経ったクリスマスイブの日には、最初の晩は身体から10本もの管があったのが、カテーテルと1本の管だけ、——— 何と言いましたっけ?廃棄袋に連なっているあれ、名前を忘れちゃったけど・・・それだけになったのです.

――ドレーンですか?

そうドレーンです。術後の創部からいらない液を出すのですよね?

――では、入院生活は快適だったのですね?

はい、皆さん親切でした。主治医が5日目か6日目の夜に来て、「前立腺はちゃんと取れましたよ」と言われました。癌は切除して、外層には達しておらず、断端部も陰性で中心に集まっていたそうです。骨に転移はしていなく、前立腺周辺のリンパ節は郭清したけれども転移はなく、前立腺内に留まっていたと言われ、術後の不快感はあったものの、安心しました。手術は成功であり、その後の問題はないであろうと医師も喜んでいました。もちろん、最初の一ヶ月は非常に辛く、特にカテーテルが嫌でした。創部と膀胱に感染症が起きましたが、他に問題がなくてよかったです。麻酔科の医師がとてもよく診てくれましたし、硬膜外麻酔はよく効き、快適でした。術後は硬膜外麻酔をしなくなったので、少し辛かったです。

――では手術の前に硬膜外麻酔を受けたのですか?

いいえ、多分違うと思います。全身麻酔を受けたのでしょう。手術に入った時に硬膜外麻酔とか管数本が入れられたのだと思います。普通は看護師が剃毛をするのでしょうが、私の場合は、主治医でした。きっと自分のやりたいようにしたかったのでしょう。(笑い)9ヶ月経った今は傷跡が消えかかっていますのでお見せできません。とにかく最初の1ヶ月が辛かったのですが、看護師はとてもいい方でした。創部とドレーンの入っていたあとを丁寧に消毒してくださいました。

――少し戻ってお聞きしたいのですが、硬膜外麻酔は術後の痛みを消すためにしたのですか?

はい、術後に痛みはありませんでしたので、とても良かったです。

私は: です。

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