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大腸がん検診の語り

視覚障害者のため、血便が出ているかどうか確認できない。そこで痔なのか、それとも他に悪いものがあるのかはっきりしたいと思い精密検査を受けた

ええ、あのー、やっぱり、視覚障害のためにですね、あの、血便が出てるかどうか、まったく見えなかったんですね。で、やっぱり、あのー、人間ドックでは、色んなところ、例えば、肺であるとか、胃であるとか、そういうのは、全部、調べるんですけれども、まぁ、大腸に関しては、検便の検査だけだったんでね。あの、まぁ、痔なのか、あの、ほかに悪いものがあるのか、はっきりしたいと思いましたので、それで専門のクリニックに行ってですね、えー、受診しました。

大腸がん検診の語り

心配性で臆病なため、要再検査と書いてあってすぐに検査を受けた。検査も手術もなるべく早くやってもらった

―― 市とか区の検診で、そういうふうに陽性って出ても、内視鏡検査受けないっていう方が、まあ、ときどきいらっしゃって。で、そういう方は、あまり、こう強く言われてないっていうね、その結果は返ってくるけれどもっていうこともおっしゃる方もいるんですけども、そのインターネットのその結果がもうすぐ行ったほうがいいですよっていう感じでした?

いや、いや、いや、自分でそう思ったんですよね。

―― あ、はい。

ああー、その、うん、どうしても行けと書いてないのかな。何か、ただ、あのー、要再検査と書いてありました。あのー、…うん、だけども、あ、その市の検査なんかで、それは、駄目だと言われて、次行かない人もあるんですか。

―― ……あ、それこそ、痔だと思ったから痔なんじゃないかっていうことで行かない方いらっしゃいます。

あのー、ああ、そうか、そうかも分からないとはちょっと書いてありますね。うん、確か書いてあったかも分からない、うん。でも、心配症なんですね、じゃあね(笑)。でも、行ったほうが、行ってよかったとは思っていますけどね。うん、で、すぐに、もう、次の週の頭には、あのー、総合病院へ紹介状書いてもらって行って。すぐに、そこで一番早く検査できるのはいつだって。で、もう、12月にはお店休んでいましたからね。もう、全部、検査のほうに、…検査がない日でももう仕事している気がしなくて、うん。…それで、内視鏡で取れて、で、「よかったなあ」とは言っていたんですけども。まあ、ぎりぎり、その(大腸の壁の)、一番、内の(粘膜下層)、を突きぬけているか突きぬけてないかのとこ(※)だから、「どうしますか」って言われたときも、もう「すぐ切ってください。年内に切ってください。できたら、もう早くしてください」っていうことで、年末、19日かなんかには、手術をしたんです。……。

―― ああ、じゃ、まあ、普段から、結構、…早目、早目にやっている。

怖がりなんですね(笑)。あのー、えー、臆病なのかな。たいそうにか、あのー、最悪を考えるというか、ああ、何かあったときに、もし、自分あかんかったらどうなるんやろうとかいうのを、よく、先、考えるタイプなんかも分かりませんね、はい。

※大腸壁は内側から、粘膜、粘膜下層、固有筋層、奬膜(しょうまく)とあり、腫瘍が粘膜下層までに留まっていれば早期がん、固有筋層までに留まっていれば進行がんとなります。

大腸がん検診の語り

便潜血検査で陽性反応が出れば内視鏡検査を受けるというのが方程式のようにあった

2010年の9月の職場の人間ドックで便潜血検査が、ま、初めて陽性に出たんですね。で、あの、もともと、痔とかを持っていたので、そのせいじゃないかなと思っていたんですけれども、便潜血で陽性が出れば、大腸の内視鏡検査っていうのが、こう頭の中に、こう、ルーティンっていうか、方程式のようにあったので、近くの、あの、ま、内視鏡を専門にしている個人のクリニックをインターネットで探して、で、あの、そこで、あのー、…内視鏡、大腸の内視鏡の検査を受けました。

大腸がん検診の語り

検便で陽性になって、かつて父親が大腸がんになったこともあり、やったほうが良いと思った

最初に、大腸の、えーっと内視鏡検査を受けることになったのは、あの、当時は、えー、東京に住んでいて、たまたま実家に戻って来た時に、胃が調子が悪かったんで、あの、えーっと、胃の検査をしようってことで、バリウム検査したんですね。で、その時に、「じゃあついでだから、大腸がんの検査も、まあ、検便で済むからやってみたら」と言われてやりました。あ、いいですか。で、えー、その時にたまたま、えーっと、陽性になってしまったので、まあ、医師からは、「こちらで内視鏡検査をする時間がないので、まあ、あの、東京に戻ってから、内視鏡検査受けてね」って言われて。うーん、その時は…うーん、やっぱり受けようと思ったのは、うーん、父が大腸がんの手術を、えーっと、その…うーん…15年ぐらい前に大腸がんの手術をしていたので、やっぱり受けたほうがいいかな、ということもあって受けました。

大腸がん検診の語り

内視鏡を勧められたらやると思う。胃カメラを飲んだ時も、眠っている間にやったと思うので、そうすれば大丈夫だと思う

―― まあ、あの、今までずっと順調にこられてきてよかったと思うんですけども、まあ何か所見が出て、内視鏡検査受けたらどうですかと言われたらもう。

それはやります。嫌だけどやります。実は私も胃、えーと、十二指腸潰瘍は結構何度もあって、本当は人間ドックはバリウムだけで終わるんですけれども、バリウムが、あの、バリウムをやってすぐいっつもその後に、あのー、えーと、胃カメラという形になってしまうので、もうここ、そうですね、10年になるか分からないんですけども、胃カメラをさんざんのむのが下手なので、もうバリウムは飲まないで胃カメラを、あの、やっていただくように別途、あの、私のほうでその人間ドックのときにしてもらっているんですね。二度やるのが嫌なので、もう胃カメラ、胃カメラで済むんだったらもう、それでも胃カメラものむのが結構つらいほうなので、あのー、麻酔というかちょっと精神安定剤みたいなもの、ちょっと眠ってる間にみたいなものをやったの、やるようになったので、すごく今は楽になって。だけど、ちゃんとやってもらえるからいいかなとは思っているんですね。だから、注腸じゃなくって今は、あの……、なん、注腸じゃなくて。

―― 内視鏡。

内視鏡でやるという。

―― 胃と同じですね。

同じですよね。そしたら、きっと内視鏡やることにするのは同意すると思います。はっきりさせたほうがやはり自分、あの、時間を置くのって良くないとは思うので、なるべく早く結果を。どきどきしてる間がもう、自分としては健康に良くないし、ということで割とその、言われたらすぐやる。心配なのは嫌じゃないですか。なので、それはやると思います。

大腸がん検診の語り

血便が出たので看護師の姉に相談したところ精密検査を受けるように言われて内視鏡検査を受けた。一度経験しているので、その後受けるのに抵抗がなかった(音声のみ)

今までこう、や…まあ生活してて、あのー、そういう、トイレに血便が出るっていうことが基本的になかったもんで、あのー、初めてそれが出た時はやっぱりびっくりして。で、まあ、自分の姉が看護婦を、看護師やってますので、で、ぜひとも行けということになって。まあ、姉に付き添われて行ったっていうことなんですけども。そこでやっぱり、まあ、痔かどうかはっきりわかんないという診断もありましたので、一回、こう、検査してみようか、ということになりました。はい。

―― 実際に、その時は、その時の内視鏡とずいぶん前じゃないですか。その時も、そんなに痛くもなんともない、という感じでしたか。

そうですね。その時も、あの、まあ、その、昨年やった検査も基本的にはやり方すべて一緒で。あのー…そうですね、やっぱり、最初はやっぱり違和感は当然あったんですけども、まあ、一度そういう経験をしたので、そんなに、まああの、嫌ではない感じでしたね。2回目、3回目やった時は。

―― あ、3回目も。

ええ。えっと、定期的に、やっぱり1年に1度ぐらいは、あの、検査しなさい、というように、当初、始めやった時に先生から言われたので、1年後ぐらいに1度、そういう同じような検査をしました。その時は何も、ポリープも何も見つからなかったということでした。はい。

大腸がん検診の語り

1回の内視鏡で腸の全部は見られなかったが、1週間後に行くとがんだと言われた。早期のがんで命は助かるというので、まず考えたのがお金のことだった

で、そのときに初めて、あのー、内視鏡…ということで、あのー、経験したんですけども。ただ、1回目のときには、ちょっと、あのー、何ていうんですか、入りが悪かったみたいで、えーと、全部見れなかった。で、えーと、そのときは、ひとつちょっとがんがあったのは見つけたんですけども。で、もう1回ちょっとお医者さんのほうで来てくださいということで、でー、1週間後ぐらいかな、行きましたら、やっぱりあのー、「がんです」と。で、そのときに、ま、わたしはちょっと分からないんですけども、あの、色着く何か薬を中入れて、もう完全に「がん細胞です」ということを言われて、で、そこでもう…なんですか、手術しないと駄目だっていうことを、もうそのときに言われて、でー、ま、……自分の中では、要するに予定外、…のふうにはなったんですけども。……で、そこからは、やっぱりそのー、手術に向かって、ま、いろんなことをしなきゃいけないということで、まず、やっぱり、考えたのが、…あのー、要するに、手術のお金が一番かかるのは聞いていましたんで、それで、まあ、あのー、会社の、っていうか社長のほうへ相談したら、「先に、あの、あのー、手続きすれば、それは何とかなる」と言われて、そちらの手続きには、しに行ったんですけども。

―― あ、そうか、もう最初からもう早期ですっていうことで。

もう、うん、もう…言われたもんで。だから、手術的には、要するに、それほどの、要するに不安はもう…ないわけなんですよ。ええ、だから、その…あとで、結局、じゃ、次はっていうと、やっぱり、命は、要するに、まず、…まず、普通はOKだっていうことだったもんで、じゃ、次はというと、やっぱり、…お金になっちゃうわけじゃないですか、ええ。で、あとは、保険の見直しやら、そういうのを、こう、次の段階になっちゃう。要するに、ね、命が助かるってなれば、次は、そっちになっちゃうわけですよね。うーん、で、あと、やっぱり、子どもの、その費用やら何やらの頭も、授業料やらね、生活費やらの頭も、やっぱ、あるもんで。だから、そういう保険の、全部見なおしたっていうのが実情ですよね。

大腸がん検診の語り

目が見えなくても死にはしないが、がんと聞くとやはり死を意識せざるをえない。これをきっかけにやれることはできるうちにやっておこうと思い、マラソンを始めた

―― その間の、あのー、待たれてる間のお気持ちっていうんですかね、それはどういうものがあったんですか?

そうですね。あのー、まぁ、まず、専門医のクリニックでしたから、「もう、形からして悪性だと思いますんで」ということを言われてましたから、実際、結果が来た時もですね、ああ、やはりそうだったのかと。あの、痔だと思って受診したのがですね、悪性。まぁ、それを聞いた時には、やっぱり、あの、まぁ、見えなくなっても死なないですけれどもね、やっぱり、がんということを聞くとですね、やっぱり、少し、死ということをね、考えてしまいましたね。はい。
僕の場合、本当に早期の発見でしたんで、そういう、あの、仕事に関する影響もほとんどなかったですね。ただ、あのー、気持ち的には、あのー、先ほど言った、死をちょっと、考えることになったということで。いつ、死ぬかもわからないなというね。やり残してしまうようなこと、あとに回してるようなことを、あの、できる時にやっておこうという風に気持ちが変わりましてですね。それで、あのー、マラソンとかですね、あのー、身体に良いこと、そういうのを始めるきっかけにはなりましたね。はい。
見えなくなって失明して、えー、2、3年で、今度はがんだと言われたんで、まぁ、ダブルパンチのような感じでしたけどね。でも、開き直りましたね。

―― ああ、そうですか。

もう、これ以上、悪くなることないだろうと。それだったら、いつ死んでもいいように、やりたいことをやろうというようにね、こう、開き直りましたね。はい。

大腸がん検診の語り

大丈夫、取れば治ると思っていたので悲壮感は全くなかった。盲腸の手術と一緒、というぐらいの気持ちだった

ただ、……その、これは、たい、ま、大変というか、うん、もう…「そうとう進んでいるぞ」と言われたんで。まあ、やっぱり、がんというのはおっかないイメージはあったんですね、自分には関係ないとは思ったんですけども。で、さらにはああいうのを見せられると、あ、これは、……うーん、命の保証はないのかなって自分で思いながらも、でも、なるもんはなったから、今は痛くもかゆくないし、まあ、なるようにしかならないと。手術して取ってしまえば終わりだと。盲腸の手術だと思ってやろうと。…手術そのものも全然したことないし、そんなものは絶対に縁はないもんだと思っていたんですけども、もうどうにでもなれと、やってくれ…というような気持ちでおりましたけどね。
わたしはこのとおり、まあ、あんまり心配しないもんだから、あー、がんかもしれないというような話と、あのー、大きいの見せられても、「大丈夫、取れば治る」というようなことで、あのー、悲観的なことは、わたしは一切思わなかったし言わなかったしですね、取れば治るんだと。それこそ、だから、盲腸の手術と同じだと。逆に盲腸なら痛くなって手術するわけだけども、わたしの場合は、あのー、痛くもかゆくもなくて手術で取っただけだから、あー、幸せだなと思いましたけどね。

大腸がん検診の語り

体調もよかったので、がんの診断は青天の霹靂だった。当初は受けるつもりはなかったが、社長に勧められて精密検査を受けて早期にがんが発見できたのは運がよかったと思う

はい、えーと、一番最初、えーと、見つかったのは、えー、会社の定期的な健康診断で。で、そのときに、検便を、えーと、2日分採るということで、えー、採って検査のほうへ出したんですけども、その、えーと、どっちかのほうに、えー、血が混ざっていたということで、連絡が入りまして。でー、再検査…の通知をいただきました。でー、本来であれば、実際問題、1回ですんで、はっきり言えば行ってね、うん、あのー、よく周りから聞けば、痔だったり、ええ、ポリープ程度だったっていうのは、よく聞きましたので。うーん、自分としては、それほど重要視していなかったんですけども。でー、まあ、会社の社長のほうからは、もう再三、再検査…行けということを言われましたんで。

―― じゃ、まさに、晴天の霹靂というか。

そう…ですね。

―― ぜん、体の体調とか、そういうのも大丈夫だった。

そうです、ええ。

―― ああ…。

だから、うん、いや、ほんと、運だけですよ。で、あとは、社長の…要するに……言葉というか、命令というか(笑)、とにかく行けっていう…ねえ。

―― じゃ、ほんとに、ま、運がよかったって。

そうですね、ええ。社長の多分…経験上、やっぱり必要だということなんでしょうね、ええ。