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大腸がん検診の語り

手術が決まってから、注腸検査、エコー、CTなどたくさんの検査を受けたが、CTでは造影剤でアレルギー反応が出た

バリウム、注腸っていうやつですか。それから、あのー、このエコー、CT、そんだけかな、レントゲンも2回か、何か心電図も撮ったり、あ、それは、もうあれかな、あの、手術のための、あれかな、あのー、準備のためやったか…です。

―― はい。

あのー、注腸いうのもつらかったですね。あのー、後ろ・・・下から入れて、ゴロゴロゴロゴロ鳴っているの我慢さされて、「もういいですよ」言うたら、もうトイレまでが、そこだけど、なかなかつらかった。ほんとに苦しかったですね、あれもね、うん。

―― 注腸検査っていうのは、下から入れて。

何か、バリウムを入れる。で、まだ、足らんからもうちょっと入れましょうかって、ゴボコボって、こう、中へ入れられる。で、横向けたり、こう、何か、胃カメラ(正しくはバリウム検査)の、あのー、大腸版みたいなやつ。あれも、結構苦しかったですね。で、逆さにはならないけど、斜めになって、逆さにもなったん違うかな。こう、あちこち診るためにね。あれもきつかったし。それで、その、CTでは、今度、あのー、アレルギーというか、あのー、ちょっと、こう、むかっと吐き気がして、その…終わりかけに。で、出てから「大丈夫ですか」と言われて、「ちょっとしんどいね」言うて、ほんな、「しばらく、そこで休んでいなさい」言われて、休んでましたけどね。ほんなら、今度、あのー、かゆくなってきて。あのー、…肌に湿疹みたいなのが出て、ほんで、で、そ、それで、どこやったかな、あ、そうだ、採血するとこに、あのー、ベットみたいなんがあるんですよね。そこでしばらく、あのー、寝ていました。1時間ほど寝てたかな。で、それすんでから、気分が、まあ、ましになったんで、帰りましたけどね。あ、それは、まだ、だから入院前ですね。うん、そのCTの検査は。だから帰ってから、また、夜、…こう、もう1回かゆくなって、うん、ちょっとアレルギーがあることは分かりました。

―― うん、それまでに、何かお薬飲んだりアレルギーになったっていうことはなかった。

なかったですね、うん、今回初めて。

―― じゃ、驚かれましたよね、どうですか。

いやあ、それも軽かったんですね。ただ、あのー、そういうアレルギーが出る、1回出ると、次は何かんときに、あのー、こう、大変なことになるかも分からないから、例えば、交通事故で、どっかへ運ばれても、そういう造影剤はやめてくれって自分で言わなあかんと、あのー、お医者さんに、医者というか、技師、あのー、現場、技師の人には言われましたけどね、うん。

大腸がん検診の語り

入院してCT検査と内視鏡検査を受けたが、CTを撮った時点で肝臓にも転移していたことがわかり、医療スタッフの空気が変わって避けられているように感じた

「入院をしてください」と言われて、あのー、そうですね、すぐ、入院をしましたね。すぐって、まあ、ベットの調整とかいうのあったらしいですけども、まあ、比較的早目に入院をして、とりあえず、えー、CT、えー、もちろん腸の内視鏡、上部消化管もそうですね。だから、えーと、胃腸の検査、胃腸の検査を全部やりましたね、はい。もちろん、あのー、腫瘍マーカーもやっているはずですが、わたし、わたしは、そのマーカーはあまり上がってなかったということでして、はい、ええ。

―― じゃ、えーと、確定診断が出たのが、やっぱり内視鏡ですね。

そうですね、あのー、そうですね、内視鏡とCTですね。もう、先生は、CT、もう転移していましたから、CTを撮った時点で、もう肝臓にも転移していたんで、あ、これはもう…。あのー、わたしはその、要するに医療スタッフがですね、わたしに対して、何か、何か「しらー」としているんですね。わたしが何を聞こうも、何か避けられているような感じがあって、入院しても。何なんだろう、この空気はと思ったんですが。そしたら、先生が――あ、もう、非常に、こう、おっとりして…とりみださない先生なんですけども――その先生が、あのー、口で、「なるべく早く家族を呼んでください」と言ったんで、ひょっとしたら、じゃ、これ、危ない病気なのかなと思った程度ですよね。
だから、あのー、全部総合的に、その内視鏡、うえ、上部、上部、下部、あのー、上も下も、あのー、胃腸も、胃も腸も検査をしてCTを撮って。ま、CTが、わたしはそれが決め手だったですよね。まあ、もちろん、その腸の内視鏡で、あのー、そうですね、腸の内視鏡で、その腫瘍があること、ことは見してもらいましたし。それから、あのー、肝臓、あのー、CTで、その肝臓にかなり転移していることも見せてもらいましたし。まあ、内科の先生ですが、ま、そういった段階ですかね、ええ。

大腸がん検診の語り

内視鏡検査の後は、他に転移がないかをCT検査で調べ、血液検査(腫瘍マーカー)も受けて、局所的ながんと分かって手術に踏み切った

大腸のほうが怪しいっていうか、どっかから出血していることは間違いないっていうことで。それで、あのー、内視鏡の結果、あのー、まあ、便検査のほう先、じゃ、あのー、何ですか、大腸のほうの内視鏡のほうが先でしたから、そうですよね。

―― ああ。

そして、それから、念のため手術に入るのに、ほかに転移がないかということで、いろんなところを検査して。もちろん膵臓とか肝臓とかそっちもやっているはずですよね。

―― それはCTで。

CTで、やってるんですよね。だから、そういうことも全部やって、あといわゆる何ですか、血液の中に、ほら、あのー、ありますよね、そのー、がんの。

―― あ、腫瘍マーカー。

ええ、腫瘍マーカーっていうんですか。あれが、結局どこまでね、あれになっているかっていうこともずいぶんやっていましたからね、先生方がね。で、それが大丈夫だっていうこと、ほかは大丈夫で、こう、局所的なものっていうのが分かって手術にふみきったんですよね。

大腸がん検診の語り

内視鏡で組織検査をしたあと、手術の前にPET※もやって他に転移がないかもチェックした(音声のみ)

―― そのあと、何か、検査されましたか?その内視鏡と手術の間に何か、別の検査されたってことありますか?

MRIじゃない。もうちょっと大仕掛けで。あのー、何ですか。えー、PET。PETをね。

―― あ、PET。

PET入れましたね。そう、そう。それを思い出しました。(笑)

―― ああ。あ、そのあとに、PETされたんですね。

ええ。手術の(ための)検査の組織検査のあと、手術の前にPETもやって、それで、手術に入りましたけどね。

―― ああ。PETってね、ご存知じゃない方もいらっしゃると思うんですけども、どういう検査だったかちょっと教えていただけますかね。思い出せる範囲でいいですが。

何か、確かに、CTとか、あれを色々組み合わせたようなことで。えー、ちょっと、やる前の記憶があれですけど(笑)、うん、何か、大仕掛けな検査だという感じはしましたけど。

―― それは、何、まぁ、組織検査は内視鏡でもう終わってるわけですけども、PETは、えーと、何の目的でされたんだと思いますか?

うん、そこの、あのー、説明はして(もらって)、納得してやったつもりなんですけど。えー、まぁ、あの、胃の問題もね、ありましたし、それから、今度は大腸ということなんで、まぁ、総合的に、ほかにないかどうかもですね、チェックしたんじゃないかなと思いますけれどね。

―― なるほど。じゃ、ほかに、例えば、転移してないかとか、ほかにガンがないかっていうようなことを確認したっていう感じなんですかね。

そうですね。

―― ああ。で、まぁ、そこで、場所はもうわかってたんですかね。内視鏡で。どこに…。

あ、S字結腸っていうのは、もうね、やってましたからね。この検査の時に。

※ブドウ糖とポジトロンという放射性同位元素を合成した薬剤を注射し、その後、CTで全身を撮影します。がん細胞がある箇所は薬剤が集中し、その箇所が光って映るため、がんの部位を特定することができます。光の度合いによってがんの進行度もある程度判断ができます。

大腸がん検診の語り

血便が出て受診したところ、直腸指診が行われたが、何も見つからず、翌月再び血便が出たときは内視鏡検査を行った

そのときは、あのー、先生が診てもそんなたいしたことないと思ったのに、やっぱりその、疲れがずっとたまっていたのかなんかね、あのー、2度目のその出血で、ただごとじゃないなと思って、もういっぺん先生が(検査に)出されたんですよね。うーん、だから、その見つかっただけでもね。それは、前は見つからなかったんですからね。先生が指を入れられてもね、そのー、ビニールの、こう、(手袋を使って)、入れるんですよね。で、そのときに、何も当たらなかったということで、先生が安心されたんだけど、大体わたしは、直腸のほうが今までなってないんですよね。奥のほうばっかりだったから、先生がちょっとそんとき油断なさったんですよね。だけど、その翌月にまた出血したから、今度は絶対何かあると思って、わたしも、すぐに飛んで行ったでしょう。で、それを、先生が取って、そのときは、その前は取らなかったんですよね。何も当たらなかったら、手に当たらなかったからって言って。でも、それが、ま、間違いだったんだけど、うん。

大腸がん検診の語り

血便が続いたため総合病院の救急外来に行ったところ、肛門の触診と血液検査で入院するように言われ、入院後の検査でがんが確定した

わたしはですね、あのー、トイレで排泄が終わったあとに、あのー、まあ、ティシュペーパーに、そのお尻を拭いたときにテッシュペーパーに、ちょっと茶褐色のものが付いたんで、これは尋常なのかな尋常じゃないのかなっていうふうに思ったんですが、とりあえず、でも、何か、あのー、要するに排便があるたびにそういうことが、その当日1日ですけども、その繰り返されていたんで、やっぱり不安に思ってかかりつけ医を受診しました。で、かかりつけ医に、病、状態を話し、えー、まあ、「黒褐色の、あのー、ものが付きますよ」と言ったらば、じゃ、その足で、あのー、「総合病院を紹介しますから、そこに行ってください」というとで、総合病院の救急外来を、に行って。
で、あのー、まあ、肛門から、手を、触診ですね、触診を、こう…して。で、まあ、貧血も、血液全部調べました。で、貧血はなくて、触診をして、何か先生方が、こう、何か、2人の先生、研修医とあと普通の先生だったと思うんですけども、その方々が何か不穏なような空気で、こう、ちょっとはじっこに寄って小声で話していたんで、「これはいったい何があるんだろう」という疑問はあったんですが、ま、それが、もう病気の始めで。もうあとは「もう、早くに入院してくださいね」っていうことで。で、早目に入院をしまして、検査をしたらば、ま、あー、ま、がんであったと。

大腸がん検診の語り

お尻に激しい痛みがあり、肛門科を受診したところ、直腸指診ですぐにがんが見つかったが、自分ではそんなものがあるとは思ってもいなかった

―― その肛門科に行くきっかけっていうのは、何かあったんですか。

激痛ですね(笑)。

―― あ、激痛。

え、あのー、わたしの場合は、あの、血が出たとかっていうのはないんですよ。

―― はい、ああ。

ええ、要するに、便を出すときにもそうですけども、その便が細くなってきたのとか、あのー、激痛で耐えられなかったという。

―― ああ、じゃ、その激痛というのは、もう結局は、そのがんの仕業だったっていうことで。

ええ、だと思います。

―― いたんですね。ああー、で、あのー、出口付近で、すぐ、その、もう、あの、触診で分かったということなんですけども、ご自分では、何か普通にこう素人考えだと、指入れて触れるぐらいだったら、自分で分からないかなって、それは分からないものなんでしょうか。

自分でも入れても分かったですね(笑)。正直言ってね、そんなのがあるとは思っていません。

―― あ、そういって診察方法があることすら、知らなかった。

そうです。

―― ご存知なかった。…ああー。

で、肛門科へ行っちゃったら、指1本で、分かられちゃったんです。分かられちゃったって言ったら変ですけどね。

―― そうですよね。

ええ、ですから、かなり、あのー、近い位置だったと思いますね、あの、括約筋の。

―― うーん、じゃ、やっぱりそのぐらい近い括約筋のすぐそばであった、あ、あるけど、なかなか分かることは難しいというところが、ひとつ驚きといえば驚きですね。

ええ、そうですね。なんと鈍感なのかと、自分自身が(笑)。

大腸がん検診の語り

注腸検査は肛門から空気を入れ、横になったり、斜めになったり、検査スタッフが二人がかりで体の向きを変えるなどして大変だった

―― あの、そのバリウムの検査というのは、たぶんされてる方それほど多くないと思うんですけれども、あの、どんな感じでしたか。

ああ、大変でしたよ。あのー、私の前に、あの、ちょっと高齢の男性の方がやっぱりバリウムの検査してたんですけれども、あの、途中で気分が悪くなって、もう途中でやめられたんですね。で、まあ、そんなものかなと思って、自分の番になったんですけれども、あのー、肛門からこう空気を入れるんですけれども、腸というのはこうぐにゃぐにゃ曲がっているので、エックス線のカメラとかと合わないわけですね。で、それで、あのー、補助の先生が、男の先生が二人がかりで私を支えていろんな体形にならなきゃなんないんですね。横になったり、斜めになったりで。それで何かやっとという感じで、たぶん私は、あの、体力があったので、そういう体形をつくることできたんですけど、たぶん体力のない方だったらもうほとんどできないんじゃないかなと思いました。はい。

―― それは何かこう、専門の台みたいな所に乗るんですか。

いや、普通の本当に、あのー、普通のベッドなんですね。ベッドだけで、それで、あのー、真横になんなきゃなんないんですよね。だから、自分では、一人ではなれないので、前と後ろを、あの、おなか側と背中側を2人の先生が支えてるっていう感じですね。だから、すごく、あのー、大変だったと言ったら、後で先生に言ったわけですね。主治医に言ったら、「うん、大変だよ」とかって言ってましたので、はい。

大腸がん検診の語り

注腸検査ではお腹がぱんぱんに張って苦しかったので二度とやりたくない。機械が上になったり下になったり逆さになったりして、1時間ほどかかった

あの検査ね、おしりから入れる検査はね、二度とやりたくないね、もうね。苦しいよ。空気が、こんなにおなかがぱんぱん張っちゃってさ。ねえ、我慢するのよ、我慢するっていうけど、もうあれだけは二度とやりたいなと思わないね。CTとかさ、いろんな検査とかそうでしょう、採血なんてのは、もう簡単に「はい」っていうけど、あれだけ、あれだけはやりたくないなと思った。
だから、あの、検査だけがきつかったね。ねえ。みんなああやって検査するんだろうかなと思って。だからみんなやらないのかねと思うけど、きつかったよ、あの検査。すっごいね。

―― それは、おなかが痛くなって病院に行ってからやった検査だったからつらかったんでしょうかね。

ねえ。それがつら…ねえ。それで、ほら、下剤かけて、なってから何にもおなかにないって言われてね、やったからね、検査はね。だから、あの検査はきつかったね。みんな、あれ、検査のときに、みんな検査するのにみんなああやってやってるのかなと思うけど、やってるんですかね? おれ、私だけかな? 特別になったのかなと思う。

―― 多分、腸の検査っていったら、そういう幾つかの検査をやると思いますよ。

あるんですかね。すごいよ、こう、機械が、自分が動くんじゃなく、機械がさ、上になったり下になったりさ、逆さになったりさ、ねえ、全然ね。でも、ほら、レントゲン、何も、ほら、あれよ、ちゃんと分かるもの、こうやって意識してね、右手、「はい、空気止めて」ってね。我慢、「そこを我慢するのよ」なんて言われてね、「はい、分かりました」っつって。あれはもう、1時間ぐらいやったもんね。あれ、きつかったよ。どこの病院でもやるのかね、ああやって。

―― あの、まあ、や、やる、どこの病院でもというか、ま、その人の状態によってはやるのかなというふうに思いますけどね。

大腸がん検診の語り

内視鏡はカメラが進んでいくだけなので、病変がどこにあるかがわかりにくいが、注腸検査ではその場所や広がりがどうなっているかわかる

―― あともう一つね、教えていただきたいと思ったのは、その注腸検査をするのは、がんの場所を、その、同定するのに注腸検査をした。つまり、内視鏡ではどこにあるかは分からないっていうことですよね。

そうですね。だから、あの、たぶん直腸とかS状結腸とか、下行結腸ぐらいまでだったら分かると思うんですね。ただ、それより奥になると…(わかりにくい)。たぶん上行結腸の下のほう、盲腸の付近だったら、最後の所なので、それも分かると思うんですよ。ただ、私の場合は、横行結腸なのか上行結腸なのかちょっと分かりにくい(ところにあった)。だから、あのー、ぐにゃぐにゃこう、内視鏡は進んでいくだけなので、今どこにあるかって分かんないんですよね。だから場所的に、あのー、分からないし。あと、注腸が必要なのは、外から見てどれぐらい…。特に内視鏡だけだったら、ひだひだの中に隠れてるときあるんですよね。だから、あの、全部、膨らませることがたぶんできないと思うので、注腸してレントゲン撮って外から見て、どれぐらい広がっているかというのを見られた…見られるんじゃないかなと。何か、あの、写真を、エックス線の写真というか注腸の写真見て、「ふーん、こんなになっているのか」という感じで分かりました。

―― じゃ、やっぱり全然、その、得られる情報が違うわけですよね。

違います。はい。だから、あのー、注腸だと大きさは分かるんですけど、例えば内視鏡みたいに、あの、細胞を取るとか、例えば根っこがあるポリープだったら根っこから切るとか、そういうのはもうやっぱり内視鏡じゃないとできないので。