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大腸がん検診の語り

ポリープを切除するのに、保険がきく従来の方法でやるか、取り残しが少ないといわれる新しい方法でやるか迷ったが、確定診断ができるというので後者にした

―― じゃあ、あの、先ほど、手術をした時に、まあ、先進医療(※)と従来の方法について、あの、説明を受けたというお話だったんですが、ちょっとそこのところ、もう一回、お聞かせ願えますか。

はい。あの、従来の方法というのは、えーっと、ポリープを分割して、切除する方法なんですけど。まあ、保険がきくので入院費込みで6~7万円ぐらいってことと。あとは、あの…まあ、腸に穴が開く可能性っていうのは、えっと、先進医療よりは低いんですが、ただ、分割して取ると、どうしても取り残す、あの、確率が、先進医療よりは高くって。で、取り残した部分に、あの、もし、えーっと、がん細胞があっても確定診断ができない。それは、従来の方法は確定診断ができないってことですね。で、先進医療のほうは、あの、まあ、えーっと、一括切除できるので、確定診断ができるということと。あと、ただ、あの、腸に穴が開く可能性は、従来の方法より高くなるんですけれども、まあ、開いたとしても、えー、従来の方法よりは、あの、えーっと、穴の大きさが小さい。で、しかも、もし開いた場合でも、内視鏡的に、穴を修復できるっていうことを言われてました。
えっと、その、手術を始める、始めてから、あの、急に、先進医療ができると言われて、どうするか。で、あの、一瞬、どちらにしようか、すぐに返事しなくちゃいけなくて迷ったんですけれど。まあ、事前に調べたことで、えっと、先進医療のほうは、まあ、従来の方法に比べると、えっと、一括切除できるので、一括切除できるから、あの、がんであるかどうかの確定診断ができるということと。万が一、穴の開く確率は、先進医療のほうが高いんですけれども、開いたとしても、従来の方法よりは小さくて、しかも、内視鏡的に、えっと、対応できるということで、まあ、それが決め手で、あの、先進医療を選ぶことになりました。

※ここでいう先進医療とは、保険適用になっていない先進的な医療技術を扱う施設が、厚生労働大臣に申請・承認を受け、通常の保険診療と併用できるようにした、特定の医療技術のことをさしています。この場合、検査や診察、投薬や入院費用などの通常の治療と共通する部分については、健康保険が適用されますが、先進医療にかかる分(技術料)は全額自己負担となります。

大腸がん検診の語り

ポリープがまたできるのではないかと思い、継続的に内視鏡検査を受けたところ、3回目のときはポリープの他に憩室が見つかり、便秘をしないように言われた

ポリープの、ま、摘出をやったと。ひょっとしてまたできるんちがうかなということで、それから、継続的に(内視鏡検査を)やったと。ま、それが一番の自分の安心にもつながりますから。……。受けてみた結果ね、そんなん全然怖くもないし、痛くもないし。ただ、カメラを入れているときに、このおなかがね、つっぱるような感じはしますけども。もう、それも、慣れちゃったら全然大丈夫ですからね。ええ。で、2度目がね、2年くらいしてから、また2度目を受けて。で、ファイバー検診受けたのは全部で3回ありますかね。……で、3回目のときに、また、一つ小さなのがあって、それも摘出した。そのときに分かったのが、もう一つ憩室ちいうやつがね、こう、ポリープというのは上にむくってきてんですけども、腸の中で、こう、へ、へこむ部分があるのよね。それが、少しありますよと…いうことやったんで、「じゃ、何をしたらいいの」って聞いたら、あのー、「便秘しないようにしなさい」と、「そしたら、全然問題ないですよ」と……それ言うて、あれね、便秘しないためには、どう、どういう食事したらいいやとかね、自分が気を付けるようになったっていうんかね。それから、野菜系統を……よく摂ると、摂取すると。いまだに、それは、続けていますね。うーん。

大腸がん検診の語り

腸の中はピンク色できれいだったが、ポリープは白い粒のように見えた。手術の方法など詳しく聞いた上で、別の日に改めて内視鏡で切ってもらった

大丈夫ですよと。……ま、一番いいのは、あの、「自分のね、いっぺん、おなかの中をね、その画面で見るのもいいんじゃないの」って、先生、言ったからね、「そうですね」と。

―― 実際に見てどうでしたか。

いやあ、自分で見とってね、意外ときれいなんやなあと(笑)。……。

―― ポリープがあるの分かりました?あのー、二つ。

ポリープあるの分かりましたよ。えーとね、そこだけ、普通ね、みなね、中はずうっと何かピンク色みたいなんですよね、見ていると、画面で。そんで、そこだけね、白いつぶみたいなものがね、ぷくっと、こう、白い、白っぽく見えるですよ。
で、「これです、これです」って先生言うから、…で、そのあと、見つかった時に、「摘出しますか」と。後日なんですけどね、「しますよ」と。「どうして、それ切るの、おなかね、切開するの?」「いやいや違う、また中から入れて、何かファイ、あれは、針金みたいなやつでね、ぷちっと切るだけや」と。「ああ、そうですか」「切ったやつどうすんの」と全部質問したんです。「それずっとつまんで出しますから大丈夫です」なんて。

―― いうことは、その内視鏡検査をしたあとに、その説明を受けて「どうしますか」と言われて「切ります」と。

うん、取りますよと。

―― 再度また。

ええ。

―― えー、腸の中を空にして行ったわけですか。

そう、そう、そう。

―― はい、切るときとか痛かったですか。

いや、全然感じないですね。だから、もう全然心配いらない、何も、ええ。……ただ、お酒の好きな人は、「2日ほど酒飲んだら駄目だよ」って言われるから(笑)。

大腸がん検診の語り

テレビ画面で説明を受けながら、ポリープを切除した。取るのは簡単で痛みもなく、むしろ検査のための準備の方が大変だった(音声のみ)

その結果は、結局、あの、ポリープが見つかったんですけども、えー、そういった、出血、検便の時に出血が見られたということで検査になったんですけども、結局その原因としては、あの、痔、痔ということで。えー、診断されまして。まあ、せっかくなんで、えー、一応ポリープもありますけど切りましょう、ということで切除しました。はい。

―― それは、その、やってる最中に取りましょう、という話で。

そう、そうですね、はい。で、もう取るのも簡単に取れまして。まあ、取れるって言っても、あの、具体的に言いますと、あの、針金の輪っかみたいのを、そのポリープにかぶせてレーザーで、スッと切る、ということなので。まあ、入院もないですし、まあ、簡単に取れるということですね。はい。

―― その、「取りますか」っていうのは、あの、その場で、なんか先生と。

そうですね。えっとー、一応、テレビ画面、カメラが付いてまして、えー、それで一緒にテレビ画面を見ながら「ここです」ということで、説明を受けながらやる検査だったんで。そこで先生と話してやりました。はい。

―― それは、あの、例えば、その、痛みとかそういうのは。

えっと、痛みはないです。はい。えーっと、麻酔みたいのも、基本的にはなかったと思います。ただ、うーん、始める、まあ、一応検査をするにあたって、えー……数日前からですね、一応、やっぱり腸を奇麗にしなきゃいけないんで。えー…なんていうんですか。あの、スポーツドリンクの、なんか似たような味のする水を、かなりの量飲まなきゃいけなくて。あれが、それが一番つらい感じですね。で、えーと、当然その中にも下剤も入ってまして。で、それで腸を奇麗にした後に検査する、ということになってまして。その飲む量が結構な量なので、結構つらいですかね。そのくらいですかね。はい。

―― じゃあ、その、カメラを入れる時とか、さっきおっしゃったポリープを取るとか、そういう時っていうのはなんにも感じない。

そうですね。そんなに、まあ、最初は当然抵抗感はあるんですけども、その、当然、なんていうんですか。今はもう、医学が進歩してるんで、そんなに痛いとか、そこまではなかったんですけども。ただ、唯一、そうですね、あの、カメラを入れる時に、腸をこう、広げないと当然カメラが通らないし、しっかり見れないということで、カメラの先に、その…エアーを、こう、出すのがありまして、腸をそこで膨らませるんですね。で、それで、あの、中をこう見ていくというやり方をされると思うんで。その、なんていうかな、痛くはないんですけど気持ち悪いというか。そういうのは感じました。はい。

大腸がん検診の語り

内視鏡検査ではポリープが三つみつかったが、検査と同時に電気メスで切除したため、開腹手術は行わなかった

えーと、ポリープが3つほどありましてですね。S字結腸と直腸にあったんですね。それで、S字結腸のところが悪性だったと思います。はい。

―― そのあと、あのー、の、プロセスとしては、診断が確定して、えー、手術をされたんでしょうか。

いえ、あのー、要するに、早期に発見できましたから。あの、電気メスでですね、内視鏡検査の時に、同時に取り除くことができましたので。あのー、半年後、もう一度、検査しましょうということで、実際、開腹手術とか、そういうことはしておりません。

―― 内視鏡検査の段階で、もう切り取ったと。

はい。そうです。

大腸がん検診の語り

実際に腸の中を自分の目で見れば、どこかでポリープががん化しているんじゃないかという不安を心の隅に残さずに済むと思う

―― あの、陽性反応が出た後に精密検査を受けない、例えばあの、自分は痔だからとか、それから、ちょっと腸にカメラを入れるのが怖いとか、あるいはちょっと恥ずかしいとか、まあいろんな理由があって受けない人がいるんですけども、それについてはどうお考えですか。

僕はね、まあ人それぞれでしょうけど、私はやっぱり、あの、潜血で陽性になった方には、一度受けたほうがいいんじゃないかと思いますね。その、ちょっと気持ちが悪くても。それで、もしなければ、何もなければそれで安心するわけです。不安じゃないですか、なんか言われて。どっかにポリープが1個や2個、がん化してるんじゃないか、というようなことが、やっぱり心の隅に残るじゃないですか。それが消え去るのが、やっぱり内視鏡の、こう、実際に目に見えて、腸の中の様子が見えるじゃないですか。

大腸がん検診の語り

検査の最中に「大きなポリープですよ」と言われて、画面で見たら、全体は見えなかったが、わかるくらい大きくて「やだわ」と思った

―― お医者さんが、まあ「大きなポリープですよ」って言われたって、そのときの様子っていうか、実際にご覧になりましたかね?

いえ。見せていただいてないです。

―― 画面見たってこともないです?

画面、見ました、見ました。あの、最中にですね。

―― 最中の。

最中に画面が出てたので、見ました。

―― 撮られていたと思うんですけど。

うん。「あ、やだわ」って思いました。

―― 分かりました? それを見て、「あ、これだ」っていう。

あ、分かりました。分かりました。分かるぐらいちゃんと大きくありました。うん。でも、全体は見えてなかったんです。曲がってるし、大きいしで。あの、一部分しか見えてなかったですけど。

―― もう明らかにやっぱり、その、腸に何かが、こう、できてるっていう。

はい、はい。

―― 何センチとかって言われました?

7×9センチ。大きかったですよね。

―― それお聞きになってどう思われました?

どう思われました?

―― うん。やっぱり大きいなと。

あ、そう、そうですね。そんなに育てちゃったのかしら。

―― 7×9ってかなりやっぱり大きいですね。

そうですよね。

―― これぐらいかな。うん。と、それがまあ、直腸の、しかも入口に近いところにあった。

あ、ポリープ全体が7×9で、で、がんはその中のちょっと、ちょっとちっちゃい、1センチとか2センチとかっておっしゃってたと思うんですけど。

―― あ、なるほど。

うん。がん自体はね。うん。

大腸がん検診の語り

目の前にモニターがあって、今こうして腸の中をカメラが通っているというのを見られるのは安心につながったと思う(音声のみ)

あのー、目の前にモニターがあって、今、ここをこうしてカメラが通っていますよっていうのを見られるっていうのも安心につながったんじゃないかなと今になっては考えたりします。

―― 中にはね、あのー、映像を見るのが怖いっておっしゃる方もいるんですが、まあ、むしろ、安心っていう感じ。

そうですね、何かあったら、じゃ、それはどんなのだろうって、やっぱり、見たくなるたちなので。あんまりいないかもしれないんですけど、こういう人間が、はい。

―― 見てどう思われました。

ああ、腸の中って、あのー、赤いようなイメージがあったんですが、肌色をしているんだなって思いました、はい。

―― 何分ぐらいかかるんでしょうね、あれ。

えーとですね、そんな、10分はかかっていなかったと思います。わりあい、あっさり、でも、別に、こう死角があったわけでもないと思うので、ほんとに何か平で何かぽこっとあるとかいうことではなくて。ま、入口近くですかね、あ、これが切れ痔なのかなと思ったら、もう、終わっちゃったので、はい、あのー、なかなか見られないもの見られたかなあって、すみません、こんな話で、もう。

―― なるほど、じゃ、これもしも何かがあったら、自分で分かるなあと思いました?

えーと、それは、あのー、その画像を見ていたらっていうことですか。

―― そうですね。

うん、これは何か変っていう感覚はあると思います。まあ、よく、あのー、テレビの医療番組とか、あとは、…インターネットでも、そういう病理的な写真とかよく目にするので、そういうのに近いものがあるかなっていう…のに照らし合わせてみることはできるんじゃないかなあと思います。ま、素人判断になっちゃうんで。あのー、あくまで、医師の判断がないと確定じゃないでしょうけど。

大腸がん検診の語り

2度も同じ検査を受けたくないと思ったが、受けてみて内視鏡の技術は医師によって天と地ほどの差があると感じた

…で、あの、まあ、がんセンターに行って、えっと、データ持って行ったんですけど、あの、そのまま、まあ、手術の日にちを決めるのかと思ったら、あの、「もう1回検査を行います」って言われました。で、2回も同じことしたくないな、と思ったんですけど、「僕の目で確かめたいからやります」と言われて、あの、内視鏡検査をしました。
でも、あの、うーん、その時感じたのは、内視鏡検査の技術というのは医師によって天と地と…地ほどの差もあるんだ、ということを、あの、うーん、改めて認識しました。あの、全然痛くなくて、あの…えーっとカーブがありますね、腸の。腸が曲がってるところも、なんかスイスイと入っていって、あの、先生とお喋りしながら。あと、あの、モニター見せてほしかったので、あの、ドクターには麻酔をかけないでくれ、と頼んで、あの、モニターの画像を見てました。
で、はっきりと自分の目で、えーっと、どこにあるか、あの、えー、うーん、ポリープが。で、一番奥にあって。あの、結構平べったくてぺちゃっとしてるのがわかりました。で、ドクターも、これは盲腸の部分で、一番、あの、小腸と大腸の境目のところ、大腸の突き当たりの部分で4センチぐらいあるよ、って言われて。前の先生は2センチだと言ったのに、ずいぶん大きさが違うんだなって思いました。

大腸がん検診の語り

これまで何度も麻酔なしで大腸内視鏡検査を受けたが、ベテランの医師はうまくて痛みもないが、研修医がやると痛い

―― それは、あのー、麻酔とかかけますか、ではなくて。麻酔なしでも。

麻酔、だって、ない、大腸内視鏡検査、麻酔しないでしょう。

―― あの、する病院もあります。

いや、しないです、僕は、1ぺんもしたことない。

―― 麻酔なしでした。

はあ。でも、最初だけなんですよ、あのー、内視鏡入れるときだけ、ちょっと、あのー、気まずい気分なのは。あと、入れちゃえば、先生によってですね、上手な先生と、やっぱし、まだ、先生、そのー、内視鏡、大腸肛門科になりたての、まあ、僕、大学病院ですから、研修医さんたまに当たるんですよ。そうすると痛いですね。あの、小腸まで入れるんですけどね、まあ、曲がり角、曲がり角で、痛いです。ベテラン先生だと、なんども痛くないです。まあ、幸い、その研修医さんみたいな、まだ経験の浅い人にやってもらったのが、そんなに数はないんです。1回か2回ぐらい。……大体、経験豊富な先生に診てもらってて、そんなに苦しみはないですね、僕はね。だから、それやって、まあ、あんな、ま、「多分、ポリープあるだろうな」って言って、ポリープ1個2個取っても、まあ、生活は別に何も…支障がないですからね、その場でポリープ取って。入院するわけでないし。取ってから30分、1時間は、食べ物は摂らないけども、あとは何食べてもいいし。だから、内視鏡検査したほうがずうっと楽です、精神的に……。