投稿者「dipex-j」のアーカイブ

大腸がん検診の語り

トイレで紙に血が付くのが気になったが、マラソン大会が終わるのを待ってからインターネットの検査キットを申し込んだ。同封の問診票に該当する項目が多かったので不安になった

去年の春、…マラソンを始めようと思ってトレーニングをしだしたときに、ちょっと、トイレへ行ったときに、紙に血が付くようなことがあって気になっていたんですが、しばらくほっておいたんです。それで、秋くちに、マラソン走る日にちが決まったんで、それをすむまで、ちょっと検査しないでおいたんですけども、で、10月に走ったんかな。で、そのあと、その検査をした、用紙を送って返ってきたら、要再検査ということになってて、近所のお医者さんへ駈け込んで。 うん、ただ、あのー、仕事で、休めないというのが…あったんで。……それをね、きっと。うーん、そんなに真剣に考えていなかったのかも分からないけど。ただ、やっぱ、症状が、その検査キットのアンケートのところに書いてあって、何か、便が細くなってないですかとか。なってたんでね、ちょうど、そんときに。で、あ、こりゃ、いかんなとは思いましたけどねえ。うーん、で。

大腸がん検診の語り

組合と自治体の検診のふたつを受けていたので1年に2回便潜血検査をしていた。結果はプラスやマイナスと色々だったが、出血は痔のせいだと思って精密検査は受けなかった

―― それは、あの、毎年受けてらしたんですか。

はい、そうですね、毎年、検便検査は毎年。

―― は、ということは、1年に2回受けていたんですね。

そうですね。

―― 区と、えーと、組合と。

組合のほうは、ときどき抜いたり、ま、区のほうは、あのー、無料で、健康診断のね、あ、いくらか追加料金、オプションでとられるんですけども、あのー、ま、それを受けていましたね。……。

―― その検便をやってらっしゃったというのは、えー、どういったところでやっていましたか、市の検診、区の検診。

あ、区の、区の検診と組合の検診、両方です。で、区の検診は2度やるんです。1日おいて、次の日。組合、麺業組合ですね、の検診は1度だけなんです。両方やりました。で、同じように両方プラスになったりマイナスになったりの繰り返しだったんです…。だから、7年前に、がんの診断された7年前に、その区の検診のときに、そのかかりつけの先生に、「これは精密検査しろ」って言われたんです。プラスだ、なったから。だけど、自分は痔だと思って、…それを受けなかったんです。だから、あとになって、その先生にすごくお叱りを受けました。「あんときに、自分の言うことを聞いていれば、精密検査をしてれば、こんな大きくならずにすんだ」と。まあ、それは、結果論になっちゃうんだけども、まあ、今、こうして、転移していなかったことがね、思えば、まあ、笑い話ですんでるかなあ。自分は、まあ、ね、救われているから、すごく、幸せな身だなと思いますね。

大腸がん検診の語り

勤務先の健康診断に入っていれば負担なく受けられる。普通の企業は実施しているのではないか

―― 会社の検便というのは、ただ、ずうっと毎年ですね。

あ、毎年の、あの、うーんと、普通の定期的な、ええ、健康診断のときにそうなっただけで。

―― それは、まあ、入っていれば、皆さんやられるから。

あ、普通の会社であれば、多分、1年に1回必ず…やっているとは思うんですけどもね。普通の会社であれば、ええ。

―― ま、やっていない会社も、ありますけど。

あるとは、思うんだけど。

―― ああ。

ただ、普通であれば。

―― それ自体は、そんなに負担ではないですか。

あ、それは負担じゃないですよね。

大腸がん検診の語り

自分は検診で大腸がんを早く発見したおかけで日常生活が支障なく送れているし、父の場合も内視鏡手術でがんを取り除くことができた

病気というのは、まったく経験したことのないことから、病気になりますから。病気の体験とかないんで、えー、全然、その、自覚症状がない、そういう時にですね、健診を受けて、まぁ、データ、数値が、ちょっと正常値よりも違ってるとかね。症状が出る前にわかる。それで、早期に発見できれば、私のように、日常生活、全然、不自由なくですね、あのー、完治できるというね、ことが、やっぱり、メリットだと思いますけども。はい。

―― やっぱり、こう、ご自身が、その、定期健診で、あの、がんを早期に発見することができたっていうことで、こう、周りの人に、あの、健診、受けたほうがいいよとか、そういうことを勧めたりとかっていうことはございますか?

ええ。それは勧めてますね。で、一番、良かったのはですね、私の父が、あのー、医者、嫌いだったんですけど、僕が大腸がんになったっていうことを言いましてですね。で、父も、私がなってから、5年目ぐらいにですね、あの、便の出方がちょっとおかしいと、そういうことを言ってましたんで、それは、一度、診察を受けてみるべきだということで勧めましてですね。で、調べた結果ですね、僕より大きいがんが見つかったんですよ。

―― …なるほど。

それで、あの、父も、あのー、もう、開腹手術するか、内視鏡手術するかというギリギリのところだったんですけども、うまくですね、内視鏡で取り除くことができてですね。ええ、助かったという事実はあります。はい。

大腸がん検診の語り

春と秋に会社が実施する健診に加え、35歳からは人間ドックを受けるように推奨されており、勤務中に堂々と行っていた(音声のみ)

―― あの、細かい話ですけれども、人間ドックをお受けになるというのは、会社がお休みの日に受けられてましたか?それとも、休暇、お休み取られると、それは補填されるとか、何か、そういったことあるんでしょうか。

えーと、日帰りの人間ドックですから、あの、それは、あの、会社で、あの、勤務中、時間でも、あの、可能なルールになってますので、それで行ってました。現役時代はね。

―― じゃ、それは、じゃ、今日は人間ドックですからっていうのは、特に、その、私用でのお休みとは区別されて。

そうですね。やっぱり、勧められてましたから。それは、あの、堂々と勤務内に行きましたけど。

―― あの、先ほどね、ちょっと、気になったんです。35歳から人間ドックっていう風に、あの、おっしゃってたんですけれども、35歳までの人っていうのは、どういう形で健康診断されてるんですか?

それは、随時、あの、いわゆる、春と秋の、別な、あの、会社としての検査、もちろん、その、ありますけど。それに加えて、35歳から人間ドックに。えーと、これはね、泊まりがけだったと思いますけどね。現役時代の、その人間ドックっていうのは。

大腸がん検診の語り

早期に発見したおかげでダメージが少なく医療費も安く済んだ。周囲にも受けるように勧めているが、受けるかどうかは自己責任だと思う

―― まあ、ほかのがんの検診も受けたほうがいいというふうにお考えですか。

そう、そうですね。やはり、あの、早期発見、早期治療にこしたことはないので、はい。今回も本当に早期だったので、あの、ダメージも少なくて、あと、医療費もね、少なくて済んだ。少なくてというか、あのー、ま、そんなにかからなくて済んだというのはあると思います。はい。

―― じゃあ、ま、特にあまりそういうことについては思い悩んだりとか。

あ、もう、なっちゃったら仕方ないので、まあ、後は、もうなるべく定期的に検査受けて、見つかったら、まあそれなりに対処するってことしかないですね。ただ、もう本当に早期に見つかれば、本当に切っておしまいになることが多いので、あの、なるべく早期に見つけることが大切だなっていうのは、本当につくづく今回感じました。

―― ああ。自分、あの、ご自身のそういったご経験を誰かにこう話すことはありますか。

あ、それは、あの、まあ、親しい友達には話してます。はい。

―― 皆さん、じゃあ、検診受けてみようかしらっていうふうに。

あ、妹にもね、まあ、「検診受けたら」って言ったら、「うーん、時間かかるしな、めんどくさいな」という感じですね。まあ、後は自己責任なので。

大腸がん検診の語り

健診の中で便潜血検査は標準的に受けてきたが、45歳になった時に内視鏡検査を受けるよう案内が来て安価で受けることができた

―― その会社時代に、えーと、最初は、検便はやってらっしゃいました?

最初検便はしていないですよ、いきなり大腸ファイバー。

―― で、やって。

やって。

―― それまでも、健診の中では、検便は。

検便はしていましたよ。ええ。

―― あ、……それで。

そのときの検便って、何のための検便か、気もないから(笑)。……。

―― じゃ、もう、ずっと、じゃ、健康診断の中に検便は入っていた。

そう、そう、入っていた。ええ。

―― それとは別に内視鏡検査を。

検査を。

―― しませんかっていうな。

そう、そう、そう。

―― じゃ、全く症状がない人とか、その検便でプラスになってない人でも。

もう、そう、そう、そう。

―― それを受けたらどうですかっていうがあったわけですか。

どういうこと、ええ、確かね、45歳以上の人だったと思うんですよ。で、会社の同僚も誘ってね。「お前も行け」と「いやや、いいや」って言うた人もおりましたけどね(笑)。……で、自分がやってからは、まあ、そういうので見つかって問題なかったよなんかから、自分の、まあ、会社でね、えー、ま、今で言うたら部下になるんですか。あのー、「お前も、受けろ、受けろ」って(笑)。

―― 大体、おいくらぐらいでしたか。

あのとき、いくらだったかな。そんなたいした金じゃなかったと思いますよ。3000円ほどやったと思う。だから、さらに会社が何か負担していたと思いますよ。ええ。

大腸がん検診の語り

みんな自分は健康だと思いこませているが、何も見つからなければそれは自分のご褒美になるし、これで良いと自信も持てる

何も見つからなければね、逆に言ったら自分へのご褒美ですよ。自信につながる。おれはこういうふうに食事も気を付けているし、こうしているからいいんやと。じゃ、これ続けていこうかと。

―― そうか。……何か、こう検診をね、受けることの、あえて、もしデメリットがあるとすれば、まもいくつか今おっしゃっていただいた。ま、怖いとか、人に知られてしまうことがあるかもしれないとか。その何か、検診を受けることのデメリットって何かあると思いますか。

デメリットっていうのは、ない、特にあるとは思わないけれども、えー、分かってそれなんかが見つかったときに、それに対するその…対処いうんですか、処置…せんなんなったらどうしようかなという心配ごとだけでしょうね。…ほんとは、みんなあれでしょう。自分はもう健康やと、大丈夫なんやと……勝手に自分で思いこまさせているでしょう。……それが分かってしまうことの不安かな。それ、…逆にそんなん不安と思わずにね、……。自分が得すると思やあ。

大腸がん検診の語り

大腸がん検診は費用が安くやり方も難しくない。今は健康だが、継続的に健康の記録を取っておけば、家族も分かりやすいと思う

ええ、あのー、デメリット、だから会社でもやっているっていうことで、経験上、やり方もそんなに難しくなさそうだ。ま、費用的にもできなくはないかなっていうのも思いますし。あのー、そして、それを継続的にとっておくことの大事さっていうのは、自分が、いつちょっと変化があったのかなっていうのを、知る上でも大事かなと思いますね。わたしも、健康、意外と、まあ、健康なので、風邪も年に引いても1回ぐらいか2回ぐらいで、という感じなんですけど、あのー、治ってもせきが止まらないっていう症状が残ったりとかあるので、ときどき病院にかかったりするんですけど。そのときに、お薬手帳とかもいただきますので、記録的にとっておこうと思って、いつどのような薬を服用したのかとか、いつ病院にかかったのかとか、それは、わたしが、まあ、先ほどお話しした、血液検査の結果とかも同じなんですけど、わたしが、例えば、どういう病気になるか分かりませんけど、何か、病気になったりしたときにも、まあ、子どもが見ても、あ、このときはこうだったんだねとか、このときは、こういうことがあって、こういうときは、こういう病院に行ったんだねとか、まあ、分かるような方法にしといたほうがいいかなと思って、あの、記録として残しておいて、こういうことをしているんだよって、子どもにも伝えておいて。あのー、分かるようにしておきたいなというのは、思っていますね。

大腸がん検診の語り

これまで働いた職場の中には1日休みをとって健診専門の病院に行かせてくれるところもあった(音声のみ)

あ、それから、企業健診じゃない、企業になるのか、えーと、…まだ社員で、また別のさっき話した、あのー、流れ作業にのせられちゃうっていう健診していたのとは、別のところなんですけども、そこは、わりと個人経営の商店みたいなところだったんですけども。あのー、従業員の健康にはすごく気を配っているらしく、あのー、健診専門の病院ってありますよね、そこに、あのー、1日とって行きなさいっていうところでした。あ、思い出した、はい。そんなところもありました。

―― あ、じゃ、その、仕事中にばたばたっていうんじゃなくて。

ええ、はい、その日は。

―― あのー、その日は。

あなたが行く日だから行ってらっしゃいっていう、はい。

―― それ、どう思われました。

うーん、そう、それは、うん、落ち着いて、あのー、受けられていいなあと思いましたね。で、あとで、あのー、送られてくる結果もすごく見易かったのは覚えています。