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大腸がん検診の語り

子どもの手が離れて時間に余裕ができた頃、姉や父、子どもの友だちのお母さんたちが相次いでがんになったことが、受診のきっかけになった(音声のみ)

あのー、子どもの手が離れたので、そうですね。……あとは、まあ、……その、腸に関してだけじゃなくって、身近でやっぱり、その、…姉ががんになったりとか父がなったりとか、あとは、そのほかに、あのー、息子の、お友達のお母さんが何人か、がんで亡くなられているんですね。で、ちょうど、そういうのが多い……ま、代というか、だったので。そういう意味で、ほんとに、その自分の健康っていうこと…に関しては、少し、こう、大事にしなきゃいけない、何か、大丈夫、自分は平気っていうことではなく、あの、子どももいるので、ほんとに、その、家族とか大変。本人もちろん大変だと思うんだけれども。ていうこともあって、そうですね、はい。受けるというか、自分の体の点検っていう感じが大っきいですかね。はい。

―― 大体、それがこう40歳過ぎぐらいのときに。

そうですね。

―― 何となく、こう重なって。

重なりましたね。はい。

大腸がん検診の語り

大腸がんになって闘病している人を知っているが、病気になってしまうともとの生活を送るのは大変。会社が健診の基礎項目として便潜血検査を用意してくれるのは嬉しい

―― まあ今回は大腸がん検診なんですけれども、検便もその(会社の健診項目の)中にずっと。

入ってます。もう最初の頃から入ってますね。それが大腸がんにつながるというのは、意識的に自分の意識の中ではなかったんですけれども、まあ、結果的にまあ、あの、それが健診の一応基礎ということですよね。なので、それはよかったかなと思っているんですね。
で、私のお友達でも大腸がんになってしまった方がいて、その人の場合は、検診を受けてたのかどうかよくは聞かなかったんですけど、大腸がんになって、あのー、今はまあ医学が進んでいるので、もうかなり、6回ぐらい手術をしてるんですけどね、とりあえず、あの、5年は過ぎて、今は、まあ普通ではないですけれども、頑張って生活してらっしゃる人もいるのを見るけれども、やはり普通の生活に戻るというのはとても難しい、がんになってしまうと、というきらいはありますね、いろいろ、周りを見ると。

大腸がん検診の語り

がん検診の有効性はがんの種類によって違うようだ。新聞の記事で大腸がんの検診は有効性があると書いてあった

えー、朝日新聞で、以前、検診の有効性について取り上げている記事があって。えっと、子宮頸がんと、あと、大腸がんの検診は有効性があるっていうふうに、あの、記載されてたような記憶があるので。
大腸がんは、うん、最初の検査は便潜血なので、過去にも受けたことあるから、うん、えっと、受けたほうがいいかなっていうのと。あと、夫の、知り合いの人が、たまたま受けた潜血検査で大腸がんが見つかってしまったので、ああ、そういうこともあるんだなって。うん。あの、身近な人の例をみると、うん、やっぱりまた受けてみようかなって。ずっと陰性だったから、また今年も受けても陰性だろうし、見つかってもひょっとしたら、また痔のせいかもしれないって言われると思ったので、迷いはしたんですけれど、まあ簡単にできるので受けることにしました。うん。
あと、子宮体がんなんかは、あの、主治医の先生が、あれは50パーセントの確率でしか見つからないよって言われたので、まあ、がん検診そのものについても、うん…それぞれ有効性には違いがあるんだな、とは思ってます。

大腸がん検診の語り

健診で受けた検査のすべての結果は封書で送られており、その中に便潜血検査も入っていたが、何のための検査かわからないまま受けてきた(音声のみ)

―― そうですね、結果を知らせてくるわけですけれども。

はい、はい。

―― それは、どういった、あのー、…何というか、お知らせの仕方を。

お知らせは、もう封書。ですね、封書で腸だけじゃなくて全て。あの、血液検査とか、あとは、エコーとかも入るので、そういったものも含めて全部になりますので、何かこうとりたててこう…何か重たい感じもなく、あの、ほんとにプラスかマイナスか。マイナス、ああ、大丈夫ぐらいの…感じなので。……そうですね、もしかしたら、その例えば、乳がんの検査、あのー、マンモグラフィーとかエコーとか、あとは子宮とかの検査に比べると、何か、…もともと、その便を採ること自体に、がんっていう結びつきがあんまり、わたしの中ではなかったので、……その受け取るときも、そんなに重くは感じなかったですね。ただ、例えば、腸に何か、腸っていうか、便通の問題があってとかで、受けられる方とかは、もしかしたら、……深刻かもしれないんですけれども。わたしは、ほんとに、…セットで受ける感じだったので、特にその腸が気になってっていうことはなかったので。…はい。

―― 今、ま、先ほどもおっしゃっていただいたんですけども、その大腸がんとその検便っていうのが、何か、こうちょっと離れているっていうか。

はい。

―― あまり、そのためにやっているんだっていう感じがしない。

なかったですね。

―― ええ、じゃ、何のためだと思った?

そうなんですよね。何のためかっ…て…いうと、ま、尿検査もそうなんだけど、まずその、せん、潜血ってよく耳にするじゃないですか。なので、ま、その血が入っていたらよくないんだろうなとかっていう、そういう意識はあったんですけれども。それが、イコール…その腸の疾患……ま、腸の疾患、特にがんっていうことに関しては、…意識がなかったですね。

―― なるほどね。潜血反応というものが出るかもしれないし、それはおそらく、ま、よくないことなんだけれども。

はい。

―― だから、がんっていう。

感じは、なかったですね。

―― その間にもうちょっと何か…クッションがありそうな感じ。

そうですね、そうですねえ……。

大腸がん検診の語り

医師と面接することなく、「異常なし」と書いたものをもらうだけだった。年に1回の健康診断の中の検便が大腸がん検診の検査だということは知らなかった

―― 説明っていうのは、もう書面だけですか、それとも…。

異常なしと書いたものをいただくだけですね。

―― じゃ、特に、そこでお医者さんと面接するとかいうことはない。

あのー、ないですね、はい。

―― 健康診断のほうもなかった?

ないですね。

―― すると、まあ、健康診断の中の検便っていうのは、恐らく、その、ヘモグロビンというか血が入ってないかっていうのを見ると思うんですけど。大腸がんの検査だっていうのは、ご存知でしたか。

あ、それは知りませんね、ええ。

―― そうすると、まあ、健康診断の中で年に1回やっている検便っていうのは、じゃ、何のためにやっているのかなあと思っていました?

ああ、……まあ、月に1回のは、会社で食べ物にかかわる仕事なので大丈夫かっていう、そのクリアのための検査が一番ポイントになるんじゃないかと思うんですけど。1年に1回の検査は、健康診断は、やはり、自分の今の状況を把握するための最低基準だなというような認識ですね。

―― そうすると、まあ、この検査はこの病気を知るためとか、そういう具体的なことは、あまり考えたことはない?

考えたことは今ほんと思えば考えてなかったというほうに入るんじゃないかと思うんですね。でも、わたし、個人的に、自分の血液のチェックはしたいなと思って。ときどき、ま、年に、…そうですね、5回ぐらいか、献血に行っているんですね。ええ、そして、献血すると、あとでデータを送ってくれますので。それを見て、今の自分の血液の状態っていうのを、継続的にチェックできるので平行して自分の健康管理のために使っているというのも一つありますね。

大腸がん検診の語り

便潜血検査で陽性になって近くのクリニックに行ったが、市販の整腸剤を飲めば調子が良いと伝えたら、そのまま飲んでいて大丈夫と言われ二次検診(精密検査)を促されなかった

はい。えー、2007年くらいから、コーヒーを飲んだりカレーを食べたりすると下痢をしたんですね。で、ちょっとおかしいなと思ってたんですけど、区の検診を1次検診で、便採血、便、あ、検便ですね。で、そこで、潜血が少し見つかって2次検査を受けるようにと言われ…通知が来たんですが、ちょっとそのときは恥ずかしくて、行けず仕舞いで、ビオフェルミンを飲んでいれば調子が良かったので、近くのクリニックには行ったんですが、そこで「ビオフェルミンは一生飲んでてもいい薬だから、それ飲んでて大丈夫なら飲んでたらいいよ」って言われたので、それで1年間過ごしました。で、1年たったら、それでもやっぱり刺激物やコーヒーがだめになったんです。で、えーと、ビオラクミンに変えてみたら、またちょっと調子が良かったので、それをまたそのクリニックの先生にお伝えしたら「あ、ビオラクミンでもいいよ」っていうお話で、で、また1年たって、で、2009年に下血があったんですよね。それで、「あ、これはいよいよ行かなくてはならないな」といことで、えーと、大腸カメラですか、をしていただくことになりまして、そこでもう、「あ、これは大きいから、ちょっと大きな病院に紹介しなくちゃいけないな」ということで、はい。

大腸がん検診の語り

診療所の医師は2年に1回交替するので継続してチェックできない状況だったが、まず自分自身が真剣に受け止めなかったため、診断が遅れたのだと思う

―― じゃあその、あの、診療所の先生が毎回、えーと、プラスというのを見るというのは…

が、年1回。

―― 職場の…

うん、年に1回。

―― 年に1回なんですね。

そうです、はい。

―― そうすると、2年に1回変わるのであれば、2年診てその先生は終わりということなので、じゃあ、毎回違う先生、毎回じゃない、2年に1回違う先生…

うん、2年にいっぺん違う先生に変わるから。

―― ああ。

そんで、潜血出てるけど、「先生、私は大丈夫なんですよ」(笑)。

―― とー、ずっと同じ、もし同じ先生とかであれば、もうちょっと強く言われたんでしょうかね。でも、記録は残ってますよね?

だからー、潜血は出てるから、まあ、これは私の勝手な解釈ですけれども、潜血、まあ、潜血出てたからがんという可能性もあるけども、さっき言ったように、まあ、痔の可能性もあるし、多分、鼻血なんかでも便に混じってくるんだろうし、すべてががんっていうわけじゃないですからね。まあ、先生も、あの「受けたらどうか」という話は聞いたような気もしますし、聞いてもあんまり重く、私自身が受け止めてなかったんでね。あの、先生から首に、縄縛って連れて行かれるような状態じゃなかったから。あの、何人かはおっしゃってくれたような気もするんですけども、けど、自分の受け止め方があんまり真剣に受け止めてなかったから、結局、まあ、手遅れというか、無視して…結果を無視してしまったと思うんですけどね。はい。

大腸がん検診の語り

潜血反応の結果が出ても痔だと思っているのでそれほど真剣に受け止めなかった。どうせ引っかかると思って検体を出さなかったこともある

―― 毎回潜血反応が出てて、まあ、自己診断されてたということですけども、その診療所のお医者様はそれ聞いても、「いや、それでもやっぱりやったほうがいい」っていうことはおっしゃらなかったですかね?

あの私どものところは自治医科大学の先生が、県の派遣で2年交代で来てくれてますんでね、2年にいっぺん先生変わりますんですわ。だから、ずーっと、まあ経過は引継ぎはしていただいておるけども、まあ、先生変わったときに検査受けても、「先生、これはこうなんです」と。「ああ、そうか」って言うて、まあ、そうなってたし。で、最後の人間ドックか、検診、村の検診かどっちか忘れましたけど、どっちかのときには、もう出してもどうせ引っ掛かるんやということで、1回だけね、出さなかったときもありますんですよ。もう出しても引っ掛かるんやから、引っ掛かっても、痔なんやからいうことでね、もう出さないときもありました。それ1回だけですけども。はい。はい。

―― で、そのー、まあ、検査をすると、そのあとの、その、フォローアップっていうか、こういう結果でしたっていうのは、その、人間ドックでも職場の検診でも両方やってる。

でも、両方やってて、ほんで、人間ドックの場合は文書で来て、あの、文書で来て、で、「精密検査受けてください」いうに来るわけですわ。で、その、ほんとにちゃんとみんなそれを持って、まあ、私の主治医は診療所の先生ですから、診療所の先生のところに持って行って「こうでしたから、先生どうしたらいいですか?」って、まあ、本来は相談せなあかんのですけどね、もうそれも、これは書いてても、「これは痔や」と。血圧高いいうても、「まあ、たいしたことない」と。コレステロールと中性脂肪ちょっと高いけど、まあ「別に、今どうっちゅうことないし」ということで、自分で勝手に放ってあるわけです。

大腸がん検診の語り

便潜血検査の結果が陽性だったが、精密検査を断ったところ、家族の前で受けるように説得され腹が立った(音声のみ)

1度、1度目は、あの、会社の、あの、契約している、その、えー、人間ドックのセンターに行って、そこから別の、その専門の病院を紹介されて、そこで、あの、治療を受けました。

―― はあ。

ま、治療っていうか、精密検査ですか。

―― はい、……で、2回目は、そう。

はい、2回目も、えーと、同じ、あの、人間ドックのところで受けました。

―― その。

ま、そのときは、あの、もうやりませんときっぱりと申し上げました。

―― あ、それは、人間ドックの、あの、お医者さんに医師にそのように。

はい、そうです、そうです。

―― 言ったわけですね。

はい。

―― で、それに対して、どういうふうに医療者のほうは反応しました?

何か、あの、受けなきゃいけませんというように執拗に勧めていましたけどね。

―― こう、説得しょうという感じですよね。

はい。2回目は実は、家内と一緒に受けに行っていて。

―― そうなんですか。

家内に一緒に、あの、結果を聞かされたんですよ。

―― そうですか。

はい、で、何か、その、ご家族のために受けなきゃいけませんというような、説教じみたことを聞かされて、余計に腹が立ちましたね。

―― あ、そうですか。で、ご一緒されていた奥さまは、ま、そういったことについては何かおっしゃってしましたか。やっぱり受けてくださいとか。

やっぱり、受けてほしいと言っていましたけども。……家族をわざわざ呼んで、その前で話すことによって、プレッシャーをかけるというのが余計腹が立って、絶対に受けまいと思いましたね。

大腸がん検診の語り

退職後、保険を切り替えるために検診表を持って病院へ行ったところ、医師になぜもっと早く来なかったのかと言われ、内視鏡を受けたらがんが見つかった

退職して今までの団体保険をやめたんですね。団体保険、がん保険その他の保険いろいろ入っていて、それを絶対わたしはがんなんて、あるいは一般の病気も、全然縁のない、お医者さんには全然縁がなかったですので、退職して、うーんと、2年以上たってから、ま、とにかく、一般の保険に入ろうと思って申し込んだときに、「診断書をもらってくれ」と言われたんですね。で、しょうがなくって、その診断書をもらいに行って、その検診表を先生に、町医院の先生に見ていただいたときに、「何でもっと早く来ない」と言われたんですね。でも、わたしはそんな知識がなかったんで、痛くもかゆくもないし、無視していたわけですから、そうしたら、その先生は、あのー、「わたしはこれに関して責任は持てない」と……と言うんですね。でー、「内視鏡をじゃ見よう」ということではかったら、先生が、「やっぱり」ということ、言葉を、発したみたいなんですね。そしたら、わたしは、あ、何かあるな…と思って、…ま、ちょっと余計なことを話しをするかもしれませんけど、そのときに、新しい仕事で、東京に3時の汽車で行くと、行く予定になっていて、宿も全部決まったんですけども、その前に、お昼に、その日のお昼に先生に結果を聞きに行ったところ、大きいのが、あのー、…パソコンの、ま、写真といいますか、取りこみに、もうみっともない自分のがんのところが、ぼてっと載っていたんですね。それで、それを見て、これが、わたしのやつかなあと、ドキッとしましたけども。それで、初めて分かったんですね。……はい。