診断時:24歳
インタビュー時:27歳

1998年に乳がんの診断。乳房温存手術、化学療法、放射線療法。

語りの内容

 不思議だと思ったのは、どれだけ転移しているかそういったことは分からないので、医師達にも手術してみないと正確な状況がわからないということでした。
 それで、「じゃあ手術しましょう」と言っても、どの程度切除しなければならないのかが分からなかったのです。
 医師は尋ねました。「どうですか、乳房インプラントをご希望されますか?」でも、どう考えていいのか私には分からなかったんです。
 「私はインプラントなんて欲しくない。身体に何か別のものを入れるなんて嫌だし」私はそう考えました。でも自分がこれからがんのことをどの程度公表していくか分からなかったし、後からどんなことに気づくのか、それさえ分からないなんて落ち着かない気分でした。
 それでも私はこう言いました。「じゃあ、先生が決めて下さい。やらなくちゃいけないことがはっきりしているなら、他の事じゃなくてそれをやって下さい」と。
 医師も、どれほど深刻な状態なのかは、そうなってみないと分かるはずもなかったでしょうし、自分がちょっと、未知の領域に踏み込もうとしているような気持ちでした。
 そうですね、私は治療法について自分自身では何も決定しなかったんですよ。ただ治療法について知らなかったというのもあるし、知りたくもなかったんでしょう、きっと。
 つまり、知ろうとすればできたでしょうが、確かに私は今までにないような状態になっていて、別のやり方を考え始めることさえなかった。
 私は考えるにあたって安全性を求めました。「医師なら何が最善かは分かっている」って。だから手術について質問さえしませんでした。

私は: です。

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